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人生に、伊勢志摩を「第3回:伊勢神宮の神聖な世界に触れる夫婦ふたり旅編」

旅と写真を愛する4組のフォトグラファーが、人生を豊かにしてくれるスポットと出会う「伊勢志摩エリア」の旅へ。女性ひとり旅に男性ひとり旅、夫婦旅、そして友達同士のふたり旅をテーマに、全4回にわたり、美しく入り組んだ日本を代表するリアス海岸や、2000年の歴史をもつ伊勢神宮で知られる伊勢志摩の楽しみ方を紹介します。第3回は写真家コハラタケルとモデルのJURIのふたりによる夫婦旅編。2泊3日で伊勢志摩観光の要ともいえる伊勢神宮とその周辺、夫婦岩のある二見エリアや志摩エリアを中心に、伊勢志摩の神秘的な魅力を存分に満喫します。

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目次

人生に、伊勢志摩を「第1回:ベイエリアで過ごすご褒美ひとり旅編」

人生に、伊勢志摩を「第2回:レトロなまち散策&孤独のグルメ旅編」

人生に、伊勢志摩を「第4回:城下町から地中海村まで、非日常を楽しむ友達旅編」

伊勢神宮とそのゆかりのある地で歴史と自然を存分に味わう

伊勢といえば、まず頭に浮かぶ人も多い伊勢神宮。今回の旅では、日本人の“心のふるさと”とも称される、その伊勢神宮をメインに、内宮の門前町にあるおかげ横丁、さらには志摩に位置する伊勢神宮の別宮などにも足を運びます。また、伊勢湾や英虞湾(あごわん)の入り江を望むホテルに滞在し、伊勢志摩観光には欠かせない素晴らしい景観と美食も堪能。夫婦ふたりの何気ない旅が、お互いを想い日頃の感謝を伝える、そんな特別なひとときになるようなスポットを巡りました。

1日目

カフェ車両付きのプレミアムな観光特急「しまかぜ」で伊勢市駅へ

伊勢神宮の式年遷宮に合わせ、2013年に運行を開始した近鉄の観光特急「しまかぜ」。名古屋・京都・大阪から、伊勢市、宇治山田を経て賢島までそれぞれ各便1日1往復する、伊勢志摩への観光に特化した列車です。

車体には伊勢志摩の晴れやかな空をイメージした青が使われており、6枚のガラスを用いた先頭車両の顔つきと相まって、シャープでアクティブな印象。そして車内では、プレミアム感のある多様な座席とカフェ車両が待ち受けています。

1・2・5・6号車のプレミアムシートはゆったりとした3列配置、なおかつマッサージ機能が付いたリクライニングシートが標準となっており、乗車中はのんびりとくつろげるのも魅力。特に展望車両となっている1・6号車は多面体の窓に加えて左右の窓も大きく取られており、眺望の良さと開放感を楽しむことができます。車内にはほかにも、セミコンバートメント型のサロン席や和風個室、洋風個室など、バリエーションに富んだグループ席もあるので、人数に合わせて快適な座席を選べます。

観光特急「しまかぜ」に乗ったら、ぜひ足を運んでほしいのがカフェ車両。1階と2階に分かれており、どちらも窓に面したカウンター席で景色を堪能しながら食事やスイーツをいただくことができます。メニューには三重の名産を用いた松阪牛重やはまぐりのシーフードピラフ、そして赤福をはじめとした沿線の名店スイーツも並びます。

カフェは車両によってデザインが異なりますが、今回乗車した車両は、曲線を描くカウンターテーブルやレトロな黄緑色の椅子、さらにテーブルに設置された金メッキの手すりなど、撮影映えも抜群。1階と2階でもデザインが違うので、インテリアも必見、乗ってからのお楽しみです。

大きな木の鳥居がシンボリックな「伊勢市駅」

名古屋からも関西からも、観光特急「しまかぜ」が伊勢志摩エリアに入り、最初に停車するのが「伊勢市駅」。伊勢旅のスタート地点として、さらに伊勢神宮の外宮へ向かう人にとってはお馴染みのこの駅。正面からは大きな鳥居の中に駅の看板を見ることができます。

また「外宮参道」と記された街灯も、行灯を思わせるデザインになっており、そんなちょっとしたところにまで、伊勢神宮のお膝元としての景観を損ねない工夫が凝らされています。

明治時代の面影を感じる「賓日館」

明治20年、英照皇太后の伊勢行啓の宿泊施設兼伊勢神宮の資料館として建設された「賓日館」。各界の要人や歴代の皇室なども利用してきた由緒ある建物です。現在は、その当時の建築家や職人の技などが見られる資料館として公開されており、国の重要文化財に指定されています。

建物から庭園まで見どころが充実しているのですが、中でも必見は大広間。中央部を一段高くした格子状の格式高い重厚なデザインの桃山式折上格天井の部屋は、なんと120畳の広さ。さらに電灯には豪華なシャンデリアが使われており、和洋折衷のスタイルが斬新です。

また、玄関を入ってすぐに振り返ると見える、入り口の景色もおすすめです。海までスッと抜けた空間が広がり、伊勢湾の水平線が目に入るのでお見逃しなく。

賓日館 基本データ

<住所>〒519-0609 三重県伊勢市二見町茶屋566-2
<TEL>0596-43-2003
<開館時間>9:00〜16:30(最終入館)
<休業日>火曜日(祝日の場合は翌日休)
<駐車場>なし(近隣駐車場利用)

料金

大人 310円
子ども(小・中・高) 150円
未就学児 無料

行き方・アクセス

<電車>JR東海「二見浦駅」から徒歩で約12分
<車>伊勢二見鳥羽ライン「二見JCT」から4分

正面に夫婦岩を望む「二見興玉神社」

伊勢湾沿いに位置する「二見興玉神社」は、猿田彦大神を御祭神とする、縁結びや夫婦円満、交通安全などにご利益のある神社。神宮参拝の前に、ここで身を清めるのがならわしです。目の前には「夫婦岩」、そして境内には猿田彦大神のお使いと言われている「二見蛙」の姿を見ることができます。手水舎や蛙みくじなど様々な場所で目にする二見蛙は、まるみのある優しい顔立ちが特徴。参拝者に、旅や航海の安全、無事に帰ることを祈願したと伝えられており、現在も「無事かえる」「貸したものがかえる」「若かえる」などのご利益があるとされています。

本殿の賽銭箱の前に掛かっている小さな輪になったものは、輪注連縄(わしめなわ)。これで身体をさすり、手の汚れや身体の悪いところを輪注連縄に託して納めます。

本殿のすぐ隣には二見蛙と夫婦岩の両方を撮影できるスポットがあります。参拝者がひっきりなしに撮影をしている人気の場所ですが、夕暮れが近づくにつれ参拝者の数も減ってきてシャッターチャンス到来。確実に撮影したいのであれば、人の少ない時間帯を狙うのがベストです。

さらに本殿に向かって右側奥の通路を進むと、夫婦岩が目の前に!高さ9mの大岩(男岩)と4mの小岩(女岩)が、35mの大注連縄(おおしめなわ)で結ばれた夫婦岩は、日の大神と沖合に鎮む興玉神石を拝む鳥居の役目をしています。縁結びのシンボルとしても知られており、夫婦やカップルで訪れる人が後を絶たないスポット。5月から7月頃には夫婦岩の間からの日の出を、11月から1月の満月の頃には、夫婦岩の間から昇る月を見ることができます。

二見興玉神社 基本データ

<住所>〒519-0602 三重県伊勢市二見町江575
<TEL>0596-43-2020
<営業時間>24時間
※拝殿や授与所は日の出頃より最長午後18:00頃まで。時期により異なります。
<休業日>なし
<駐車場>なし(近隣駐車場利用)

行き方・アクセス

<電車>JR東海「二見浦駅」から徒歩で約17分
<車>伊勢二見鳥羽ライン「二見JCT」から4分

和モダンな「旅荘 海の蝶」で伊勢湾の眺望を独り占め

一日目の宿泊先は、プライベートビーチやプール、グランピングスポットなどを備えた広大な敷地に建つ「旅荘 海の蝶」。伊勢湾を一望できる高台という恵まれた立地のおかげで全室がオーシャンビュー。さらにロビーや展望ラウンジ「はまゆう」など、どこにいても美しい海を眺めることができるのも魅力です。

敷地内には白蝶館と飛島館という2つの客室棟があり、今回は白蝶館最上階にある、天空の露天風呂付きルームに滞在。和モダンなしつらえの客室に入ると、目の前には壁一面ガラス張りの窓の向こうにバルコニーが。そこに広がるダイナミックな伊勢湾の絶景に、一瞬で目を奪われます。さらに特筆すべきはこのバルコニーにある、信楽焼の湯船。夕陽の沈む海を眺めながらじっくりと露天風呂に浸かれば、旅の疲れがすーっと癒されます。

旅荘 海の蝶は、地元で採れた食材を新鮮なうちに味わうという、「地産美味」を謳う料理も自慢。夕食は個室の食事処「なごみ」にて、伊勢志摩の海で獲れた魚介類などを取り入れた会席料理をいただきます。

ぷりぷりとした食感が嬉しい伊勢海老のお造りは、頭の部分を翌朝の味噌汁に。そしてバターでさっと火を入れた松阪牛の陶板焼は、塩で味わった後に卵を絡めてすき焼きとしてもいただくなど、伊勢志摩の味を様々な角度から楽しめるのも魅力的。

旅荘 海の蝶 基本データ

<住所>〒519-0601 三重県伊勢市二見町松下1693-1
<TEL>0596-44-1050
<駐車場>あり

行き方・アクセス

<電車>JR東海・近鉄「鳥羽駅」からシャトルバスで約10分
<車>伊勢自動車道「伊勢IC」から約15分

2日目

朝食には目覚めの胃腸に優しいほたて粥を

朝食は宴会場でいただきます。各部屋ごとに用意されたテーブルには、イラスト入りのお品書きが。いせ鶏つみれ入り煮豆腐や伊勢海老の頭を使った味噌汁、地元養鶏場の新鮮卵を使った熱々の出汁巻き玉子など、朝食にも地産の贅沢な食材がたくさん使われています。ご飯は白米のほかにほたて粥もあり、こちらは寝起きの身体に染み渡るような優しい味わい。また、朝食のドリンクとしては珍しいきなこミルクもおすすめの一品。栄養満点な上にデザート感覚でいただけます。

あらゆる産業の守り神、豊受大御神を祀る「伊勢神宮 外宮」

「一生に一度はお伊勢さん」と言われたほど、江戸時代には庶民の憧れの旅だったというお伊勢参り。今でも一度は参拝したいお宮として知られています。この伊勢神宮、実はひとつの神社ではなく「皇大神宮(内宮)」と「豊受大神宮(外宮)」を中心とした125社のお宮とお社の総称のことで、正しくは「神宮」という名称。さらに外宮から先に参拝するのが古くからの習わしとなっています。

外宮には、衣食住をはじめあらゆる産業の守り神として信仰されている、豊受大御神がお祀りされています。その玄関口となるのが、火災の延焼を防ぐために作られた堀川に架かる表参道火除橋。左側通行になっており、橋を渡った先にある手水舎も左側にあります。

時間が経つにつれ観光客が増える人気スポットとあって、参拝するならやはり早朝がベター。橋の上から勾玉池に射し込む美しい光を見られるのも、朝早いからこそ。

橋を渡った先には、木々が生い茂る中に緩やかなカーブを描く参道が。正宮まで歩く間にも歴史を感じさせる立派な樹木や、鳥居の奥に続く参道など神秘的な風景が多く、シャッターを切りたくなる瞬間が次々と訪れます。

朝陽を浴びる木製の門は、斎館と呼ばれる建物の入り口。祭祀を行う際に、神職の方がここに籠り心身を清める場所です。

四重の垣根に囲まれた「正宮 豊受大神宮」は、日本古来の建築様式を用いて、素木の美しさを活かした造りとなっているのが特徴。立派な鳥居もまた、塗料を塗らず、木地のままの素木になっています。正宮の板垣の内側を始め、伊勢神宮には撮影禁止場所も多いので、写真を撮る際にはご注意を。

伊勢神宮 外宮(豊受大神宮) 基本データ

<住所>〒516-0042 三重県伊勢市豊川町279
<TEL>0596-24-1111(神宮司庁)
<営業時間>1月〜4月 5:00〜18:00
5月〜8月 5:00〜19:00
9月 5:00〜18:00
10月〜12月 5:00〜17:00
<休業日>なし
<駐車場>あり

行き方・アクセス

<電車>JR東海・近鉄「伊勢市駅」から徒歩で約5分、近鉄「宇治山田駅」から徒歩で約10分
<車>伊勢自動車道「伊勢西IC」から約7分

日本人の総氏神として信仰される「伊勢神宮 内宮」

外宮からタクシーやバスを使って15分ほど、五十鈴川のほとりで天照大御神を祀る内宮。玄関口となるのは、日常の世界から神聖な世界への架け橋と言われる「宇治橋」です。檜でできた床板は、式年遷宮に合わせ20年に一度架け替えているため、多くの参拝者が訪れているにもかかわらず明るく綺麗に保たれています。この橋は外宮と逆で右側通行。理由は定かではありませんが、参道の外側を通った参拝者の「慎みの心」の表れと考えられており、参拝前のお清めをする手水舎が内宮は右側に、外宮は左側にあるからという説が有力なようです。

宇治橋の架かる五十鈴川は水の美しさでも有名。橋の上から覗くと川底の石が綺麗に見えるほど、透き通っています。

内宮では手水舎ではなく、橋を渡った先にある五十鈴川の御手洗場で手を清めることもできます。美しく澄んだ水の流れに触れていると、手だけではなく心も洗われるような清々しい気分に。

橋を渡った先にある一の鳥居を越えて参道を進むと、奥には木漏れ日の中に二の鳥居が浮かび上がります。外宮と同じように木々が生い茂った参道は、森の中にいるような感覚に。

内宮の中心となる正宮は、20段ほどの石段の上にあります。日本人の総氏神と呼ばれる天照大御神を祀っており、外宮と同じく、四重の垣根に囲まれた姿は荘厳な雰囲気。ちなみに写真撮影は、石段の上やその先は禁止となっています。

伊勢神宮 内宮(皇大神宮) 基本データ

<住所>〒516-0023 三重県伊勢市宇治館町1
<TEL>0596-24-1111(神宮司庁)
<営業時間>1月〜4月 5:00〜18:00
5月〜8月 5:00〜19:00
9月 5:00〜18:00
10月〜12月 5:00〜17:00
<休業日>なし
<駐車場>あり

行き方・アクセス

<電車>JR東海・近鉄「伊勢市駅」からバスで約15分、バス停「神宮会館前」下車、徒歩で約10分、近鉄「宇治山田駅」から徒歩で約10分
<車>伊勢自動車道「伊勢西IC」から約7分

食べ歩きから土産物まで伊勢の魅力が詰まった「おかげ横丁」

宇治橋から歩いて5分ほど、内宮の門前町に位置する「おかげ横丁」。大きな常夜灯が目印となっており、そこから続く道には50軒ほどの店が連なっています。てこね寿司や伊勢うどんといった郷土色豊かな料理や、おやつにぴったりなコロッケやスイーツでお腹を満たすのもよし。お土産ショップやカフェを探索するもよし。さらに神話を楽しめる歴史館「おかげ座 神話の館」や、横丁の中心にある太鼓櫓で披露される「神恩太鼓」の演奏など、おかげ横丁の文化や歴史を感じられる体験もおすすめです。

おかげ横丁 基本データ

<住所>〒516-8558 三重県伊勢市宇治中之切町52
<営業時間>
1月、2月平日、11月、12月 9:30~17:00
2月土日祝日、3月、4~7月平日、10月 9:30~17:30
4月~7月土日祝、8月、9月 9:30~18:00
※毎月1日に朔日朝市を開催し、早朝営業。繁忙期や天候により営業時間を変更する場合があります。
<休業日>なし
<駐車場>なし(近隣駐車場利用)

行き方・アクセス

<電車>JR東海・近鉄「伊勢市駅」からバスで約15分、バス停「神宮会館前」下車、徒歩で1分、近鉄「宇治山田駅」からバスで約10分
<車>伊勢自動車道「伊勢西IC」から約7分

「とうふや」

お店の集中しているエリアから少し離れた、五十鈴川の河畔にある「とうふや」は、国産にこだわった豆腐とあなご料理の店。お店は大きな銀杏の木の下にあり、日本建築の美しい木組みの建物が印象的です。裏の五十鈴川側に回ると大きな提灯とのぼりもあってか、さらに立派で重厚な雰囲気。

お店の看板メニューとなるのが、こちらの「寄せ豆腐膳」。職人が毎朝作る寄せ豆腐をメインに、炊き込みご飯や小鉢などがセットになっています。寄せ豆腐はかなり大きなサイズに見えますが、作り立てならではの大豆の濃厚な味わいに、ほんのりとした甘みも感じられてあっという間に完食すること請け合い。塩やたれも用意されていますが、まずはそのままでいただくのがおすすめです。

こちらは、寄せ豆腐に穴子天ぷらも楽しめる「とうふや膳」。どちらのセットも炊き込みご飯を白米にすることもできます。また、少しとろみのあるスープのように見えるのは豆乳。素朴で優しい味わいと大豆の香りを楽しめる一品で、お茶のような感覚で飲むことができます。

とうふや 基本データ

<住所>〒516-002 三重県伊勢市宇治浦田1-4-1
<TEL>0596-28-1028
<営業時間>11:00~17:00(LO 16:30)
<休業日>なし

「五十鈴川カフェ」

食後やまち歩きの合間にコーヒーでひと休み、なんていう時にぴったりなのが、五十鈴川沿いにある「五十鈴川カフェ」。落ち着いた雰囲気の古民家風の店内で、川面を眺めながらこだわりのコーヒーが楽しめます。

ここでは厳選したコーヒー豆をネルドリップで淹れるという、「ブレンドコーヒー48」をオーダー。不思議なネーミングですが、焙煎してから48時間以内の新鮮な豆を使用しているという意味なのだそう。

さらに「和三盆と白豆のくるり」という可愛い名前のスイーツもいただきます。こちらは和三盆を使った生地に、白餡を練り込んだクリームと白豆のかのこ豆を巻いたロールケーキ。上品な甘さと軽い口当たりのクリームのおかげで、何個でも食べられそうな美味しさ。これがなんと220円、コーヒーもワンコインでお釣りがくるという良心的な価格とあって、ぜひ試してほしい一品です。

五十鈴川カフェ 基本データ

<住所>〒516-0025 三重県伊勢市宇治中之切町12
<TEL>0596-23-9002
<営業時間>9:30~17:00(LO 16:30)
※季節により異なる
<休業日>なし

「伊勢路名産 味の館」

旅の思い出に欠かせないお土産も、おかげ横丁なら充実。今回は伊勢路の名産品が豊富に揃うお土産店「伊勢路名産 味の館」でチェックします。品数の多さに迷ってしまいますが、その中でも思わずパッケージ買いしたくなる可愛さで目を引くのが「おかげ犬サブレ」。三重県産小麦のあやひかりと、国産バターを2種も使ったサクサクと香ばしい風味が魅力です。ちなみにおかげ犬とは江戸時代、おかげ参りとも称された伊勢参りに行けないご主人の代わりに参詣した忠犬のこと。ほかにもぬいぐるみや手拭いなど様々なアイテムがあるので、犬好きの人へのお土産にはもってこいです。

お店のおすすめのひとつが、志摩の名産である「かつおの天ぱく|まるてん有限会社」の花鰹。伝統的な製法で作られる鰹節は、上品な風味の出汁を取るのに最適ですが、炊き立てのご飯にまぶして食すのも美味。軽くて嵩張らないので、数が必要なお土産としても重宝します。

伊勢路名産 味の館 基本データ

<住所>〒516-0025 三重県伊勢市宇治中之切町52
<TEL>0596-23-8820
<営業時間>9:30~17:00 ※季節により異なる
<休業日>なし

「吉兆招福亭」

インパクトのある巨大な招き猫が出迎えてくれるのは、全国でも珍しい招き猫専門店「吉兆招福亭」。全国の作家や窯元から集めた招き猫や、オリジナルのものなどなんと1000種類を超える招き猫が揃います。

カラフルで精巧な細工が施された九谷焼や、手のひらサイズの愛らしい表情のタイプ、おむすびの形をしたユニークなものなど、多種多様な招き猫に囲まれていると、それだけでご利益がありそうです。また、招き猫が描かれた手拭いやレトロな猫が描かれたマッチなど、雑貨類もあるので宝探し感覚でつい長居してしまうかも。

吉兆招福亭 基本データ

<住所>〒516-0025 三重県伊勢市宇治中之切町52
<TEL>0596-23-8852
<営業時間>9:30~17:00 ※季節により異なる
<休業日>なし

クラシカルな空間が心地よい「志摩観光ホテル」

英虞湾に浮かぶ賢島は、伊勢志摩サミットの開催地として知られる地。そのサミットの会場となったのが1951年開業の老舗「志摩観光ホテル」です。昭和を代表する建築家、村野藤吾設計の“ザ クラシック”と、全客室がスイートルームという“ザ ベイスイート”の2つに分かれており、今回は“ザ クラシック”へ宿泊。

シンプルでありながら木の温もりを感じるアンバサダースイートは、入った瞬間にまるで誰かの邸宅を訪れたかのような落ち着いた空気感に包まれます。リビングの窓際にはベンチシートがあり、英虞湾を眺めながらくつろげるスペース。そしてバスルームも海に面しているので、英虞湾に沈む夕陽を見ながらのバスタイムも楽しめます。

夕食は鉄板焼きレストラン「山吹」にて、伊勢志摩の厳選された食材を、目の前でシェフが焼き上げるコース料理をいただきます。前菜に始まり、伊勢まぐろの炙りや松阪牛などその美味しさはもちろん、一品ずつ丁寧に調理される様子を楽しめるというライブ感も鉄板焼きの醍醐味。また、随所にフレンチのエッセンスを入れた調理にもこだわっており、肝を使ったバターとあおさのソースでいただく鮑はまさに絶品。これを食べるためにホテルを訪れる人がいる、というのも納得です。

志摩観光ホテル 基本データ

<住所>〒517-0502 三重県志摩市阿児町神明731
<TEL>0599-43-1211
<駐車場>あり

行き方・アクセス

<電車>近鉄「賢島駅」からシャトルバスで約2分
<車>伊勢自動車道「伊勢西IC」から約40分

3日目

海の幸フランス料理の「ラ・メール」で朝食を

朝食はホテルにあるもう1つの宿泊棟「ザ ベイスイート」のフレンチレストラン「ラ・メール」で。三重の食材を使った和朝食もあるそうですが、この日は洋食で。メニューは、名物の海の幸のオムレツやエッグベネディクトなど4種類から選べる卵料理と、地元の船越味噌のディップでいただくサラダ、季節のフルーツに、ホテルメイドのパン、スープなど、コース仕立てでサーブしてくれます。

また、この建物は館内のいたるところに真珠が使われており、エレガントな美しい内装も、このレストランの魅力。この日はあいにくの曇り空でしたが、大きな窓からの柔らかい光が入り、その先に浮かぶ英虞湾の風景もあって、しっとりとした雰囲気が素敵でした。

伊勢神宮の別宮のひとつ「伊雑宮」に参拝

志摩市の閑静な住宅地に隣接する「伊雑宮」は、伊勢神宮の別宮のひとつ。境内に入ってすぐに、一際存在感を放つ楠があります。苔むした根元は大きく膨らんでおり、その形状から巾着楠と呼ばれているそう。ここから続く参道は大きな木々が立ち並び、やはりどこか内宮を思わせる美しく自然豊かな風景です。

森の中に佇むようにひっそりと現れる手水舎。さらに参道を通り抜けた先に伊雑宮の正殿があります。木の質感をそのまま活かしたような、簡素な造りと素朴な美しさは、ほかの伊勢神宮の建物と共通しているようです。

伊雑宮を参拝した後、お宮のご料田である「御神田」へ。周辺に高い建物がなく、広々とした空間が広がります。ここにある大きな鳥居は皮がついたままのも木材を使っており、より自然に近い見た目が特徴。神社と同じく素朴な質感で、目の前の田んぼとも一体感があります。

伊雑宮 基本データ

<住所>〒517-0208 三重県志摩市磯部町上之郷374
<TEL>0599-55-0038
<営業時間>1月~4月 5:00~18:00
5月~8月 5:00~19:00
9月 5:00~18:00
10月~12月 5:00~17:00
<休業日>無休
<駐車場>あり

行き方・アクセス

<電車>近鉄「上之郷駅」から徒歩で約3分
<車>伊勢自動車道「伊勢西IC」から約25分

「的矢かきテラス」で牡蠣三昧ランチ

志摩半島の東側にある的矢湾は、牡蠣の名産地。その的矢湾の牡蠣を1年中食べることができるのが養殖場直営の「的矢かきテラス」です。店内や2階のテラス席もいいのですが、ここはやはりスロープを越えた先にある海上レストラン席。海に囲まれながら牡蠣をいただけます。

注文したのは「牡蠣づくし定食」と「かきテラス丼」。生カキやカキフライがセットになった牡蠣づくし定食は、その名の通りいろいろな牡蠣料理を食べたいという人にはもってこい。かきテラス丼は、酢締め岩牡蠣に醤油いくら、釜揚げしらす、海藻のアカモクが乗った丼です。どちらも甘みと旨み、さらに塩みのバランスがちょうどよいと言われる、的矢の牡蠣を存分に堪能できるとあって、旅の締めにふさわしいランチとなりました。

的矢かきテラス 基本データ

<住所>〒517-0204 三重県志摩市磯部町的矢889
<TEL>0599-57-2612 (受付:9:00-17:00)
<営業時間>10:00〜15:00 (L.O.14:30)
<休業日>不定休
<駐車場>あり

行き方・アクセス

<電車>近鉄「鵜方駅」からタクシーで約15分
<車>伊勢自動車道「伊勢IC」から約40分

日常から離れ、夫婦の絆を深める伊勢志摩への旅を

ふたりで同じものを見て、同じ場所で過ごす夫婦旅は、お互い普段と違う表情が見えるのがその魅力。神聖な伊勢神宮の空気に触れ、クラシカルなホテルで海を見ながらのんびり過ごす、そんな日常とはかけ離れたシーンに出会える伊勢志摩エリアなら、自然とリフレッシュできます。
また、食の楽しみが多いのもこのエリアの特徴。時に夫婦で食の好みが違うこともありますが、そんなふたりも満足できるほど、伊勢志摩のご当地グルメは種類豊富で有無を言わせぬ美味しさ。
美しい景観と2000年以上の歴史を持つ神宮、そして食と五感をフルに使って楽しむことで、夫婦の絆もぐっと深まる旅になることでしょう。

伊勢志摩観光ナビ

コハラタケル

写真家
1984年生まれ、長崎県出身。建築業を経てフリーランスのライターとして経験を積み、その後フォトグラファーに転身。SNSを含むweb媒体での広告写真を中心に活動する傍ら、2023年にはライカギャラリー東京・京都にて写真展「撮縁」を開催。撮影モデルとして出逢ったJURIと2022年に結婚。

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JURI

モデル、会社員
神奈川県出身。大学卒業後、人材総合サービス会社に就職。失恋をきっかけに、5年前より被写体としての活動を開始。企業広告やライフスタイル雑誌、アパレルなどのモデルも務める。

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