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【街の被写体、それぞれの視点:3】Kou KATO <映画のワンシーンのような世界>

光、人、風、感情。その日、その瞬間にだけ作り出される、偶然性を多分に秘めた路上の光景を、自分なりのテーマで切り取るフォトグラファーたちがいます。どこか遠くに出かけなくても、撮りたくなるシーンはすぐそこにある。
そんな気づきをくれる、多彩なストリートフォトグラフィーをご覧ください。街が紡ぐ物語の一部です。
3人目は、カメラと写真に情熱を注ぎひたすら歩いて奇跡の一枚を生むストリートフォトグラファー、Kou KATOさんです。

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Kou KATO

ストリートフォトグラファー 福井県出身。「世界は興味深い瞬間や物事であふれている」をテーマに、田舎出身ならではの視点で都会のストリートフォトを撮影。他に、ネイチャー写真やポートレート、モノクロ、フィルム写真など、撮影ジャンルは多岐にわたる。
愛用カメラ:Leica Q、Leica M3、Canon EOS 6D Mark Ⅱ など
愛用レンズ:SUMMILUX-M f1.4/50mm ASPH.、Canon EF35mm F2 IS USMなど

Cinematic Street Photography 映画のワンシーンのような世界

被写体の感情を色にリンクする

「ちょうどこの前を通って、いいなと思って、持っていたフィルムカメラでさっと撮ったもの」。

「大学生の頃に写真を始めました。カメラを持つと街の見え方が違ってきて、例えば毎日の通学路でも、普段見ていないところまで見えてくる。それが面白くて、ストリート写真にのめり込んでいきました。外出の時は基本カメラを持って出て、フルサイズの大きなものでもカメラは常に右手に持ち、瞬間を逃さないようにしています」。

「京都の四条河原町の広い歩道で、ビルの隙間から差しこむ光の部分に人が来たらいいなと思い、待って撮影した一枚です。夕刻時ですが、編集でアンバーを強めています。光が低くなると影が伸びてきれいなので、夕方くらいに歩きはじめることが多いです」。

撮影のフィールドは街中がほとんど。
「僕は田舎の出身なので、京都に出てきた時、高い建物があって、人がたくさんいることがまず目新しかった。それから都会の人たちって、他人に興味がないですよね。京都や、特に東京はすごくて、肩がぶつかっても挨拶しないことが衝撃で。見返すと人が写っている写真が多いのですが、僕にとっては風景を構成する"人型のモノ"という感じがしています」。

リアルとフィクションの交差

「ピンクと緑が綺麗で、構図的にも面白いと思って。歩きながら色の組み合わせとかもよく見ています。これもフィルムで、現像まで自分でやったものです」。

「桜の下を船が通る風景を撮りたくて伏見に行ったのですが、スロープの上からたまたま見つけたこのシーンがよいと感じて、一枚だけ撮ったものです。サブで持っていたフィルムカメラで撮影していて、偶然の感光がシネマティック感を増してくれました」。 

「喫茶店はストリート撮影の延長にあります。なかなかいい写真が撮れない時、光待ちの時、また週末はカメラを持って1日10km 以上歩くこともよくあるんですけど、疲れたら休憩に入ります。この時は店に入るといい光が入っていてシャッターを切りました」。

その中で、どのようにシネマティックな雰囲気を出しているのか。
「洋画が好きでよく観るんですけど、映画も必ず人がいて、感情と色のリンクみたいなものがある。『ジョーカー』や、クリストファー・ノーラン監督の『TENETテネット』、『インセプション』なども、色に感情がリンクしていて、その感じが好きなんです。フィルムカメラの時は撮って出しですが、デジタルは編集もよくします。後から見返した時にこれは映画のワンシーンっぽいな、と感じるような写真は、赤やオレンジを強調したり青っぽさを足したり、編集で被写体の感情や雰囲気に色を寄せていくようなこともします。そうすることで、写っているのは一瞬でも、前後の物語が見えるようなシネマティックな写真になっていくと感じます」。

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GENIC vol.63 【街の被写体、それぞれの視点】
Edit:Yuka Higuchi

GENIC vol.63

GENIC7月号のテーマは「Street Photography」。
ただの一瞬だって同じシーンはやってこない。切り取るのは瞬間の物語。人々の息吹を感じる雑踏、昨日の余韻が薫る路地、光と影が落としたアート、行き交う人が生み出すドラマ…。想像力を掻き立てるストリートフォトグラフィーと、撮り手の想いをお届けします。

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