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リピートしたい富士宮の魅力/伊佐知美の「つながる・友達作り旅」 第1回

今まで様々な移住者にインタビューしてきた『移住女子』の著者・伊佐知美さん。2021年夏には、GENICの連載コラム「旅するように移住」の番外編として、「移住」をテーマに静岡県富士宮市を訪れていただきました。今回はその続編。「つながる」をテーマに伊佐さんが冬の富士宮市を訪れ、魅力的な富士宮観光を楽しんだり、前回インタビューした移住者のayameさんを再び訪ねたり、新たに友達になりたい!と思っていた人にも会ってきました。
伊佐さんが「何度も行きたくなる」という富士宮市の魅力を、3回にわたりたっぷりお伝えします。

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「何度も通いたくなる街」富士宮

日本全国、魅力的な街はたくさんありますが、「自分にとって、なんだか特別」と感じる場所は、そうそう多くはないものです。
たくさんの場所を旅した私(伊佐)でも、そこまでの出会いを感じた街はあまりありません。その数少ないシンパシーを感じたのが、静岡県富士宮市。私にとって「何度も通いたくなる街」としてとっても特別な場所です。

富士宮市は、東京駅から片道約2時間でたどり着く、「ちょうどよい」距離感にある富士山の麓の街。もちろん何といっても第一の魅力は富士山です。
富士山を目の前に楽しめるアウトドアスポット「朝霧高原」や「ふもとっぱら」は全国的に有名ですが、とにかく富士山との距離がダントツに近く、その姿は迫力満点。もちろん市街地からも富士山が望めるため、住人の多くは「自分だけのお気に入り富士山ビュースポット」を持っていて、それを教えてもらうのがまた旅の楽しいポイントだったりします。

でももちろん、富士宮市の魅力は、東京からのアクセスの良さや富士山の眺めの素晴らしさにとどまりません。
たとえば、全国に1300余社ある浅間神社の総本宮であり、東海地方最古の社「富士山本宮浅間大社」に代表される文化や歴史、食や水の豊かさや、個人商店のユニークさ、さらには暮らす人のどこかゆったりとしたリズム、小さな温泉など、富士宮市にはさまざまな魅力があって、それを発見していく楽しみもある場所なんです。
2021年夏に訪れて以降、私はその肩肘張らない、けれど推しポイントが絶えない富士宮市にすっかり魅了され、2021年冬には、早くも再訪することになりました。

移住者のayameさんと富士宮を巡る“1dayおさんぽデート”

二度目の富士宮旅は、地元の人のおすすめスポットを中心に、さらに濃く富士宮市を味わう旅に。まずは、夏に取材でお会いした、富士宮市への単身移住者・ジャグアアーティストであり、週4日正社員として働く憧れのライフスタイルを体現しているayameさんと、1dayおさんぽデートを楽しみました。
彼女が暮らしながら見つけた富士宮市街地の魅力を、たっぷりと教えてもらいながら歩きます。

建築美も見所のひとつ「静岡県富士山世界遺産センター」

まず二人で向かったのは、富士宮市を再訪するなら絶対に訪れたいと思っていた「静岡県富士山世界遺産センター」。
静岡県富士山世界遺産センターは、富士山の歴史が学べたり、富士登山の行程が体験できたり、時の移り変わりとともに表情を変える美しい富士山の映像が楽しめたりする、富士宮市が世界に誇る文化施設。
そして、写真好きにとっては必訪スポットと言っていいほど、撮影が楽しい場所でもあります。

印象的な外観を演出する、“逆さ富士”をイメージして作られた逆円錐型の建築や、水盤に映る本物の逆さ富士、センター内の観覧風景など、撮影したいシーンは様々あります。中でも私が一番感動したのが、5階の展望ホールからの眺めです。

もうこれは、説明不要な美しさ。雪をかぶった富士山とその裾野、富士山本宮浅間大社と富士宮市街地と真っ青な空、すべてが展望ホールの床に反射するこの光景は、冬の富士宮市を訪れたならば絶対に見てほしい、唯一無二の景色です。

この日は晴天で風もなく、冬が比較的暖かい富士宮市においては、とくにコートが要らないような気温でした。普段は窓が閉められている展望台が開け放たれており、開放感の格別ある景色が望めてとてもラッキーでした……!

静岡県富士山世界遺産センター 基本データ

<住所>静岡県富士宮市宮町5-12
<TEL>0544-21-3776
<営業時間>9:00〜17:00
7,8月 9:00 ~ 18:00
※最終入館は、閉館の30分前
<休業日>毎月第三火曜日、施設点検日、年末年始
※第三火曜日が祝日の場合は翌日
<駐車場>なし
※最寄りの神田川観光駐車場(有料)をご利用ください

料金

一般 300円
大学生以下、70歳以上、障がい者等 無料(要証明)

行き方・アクセス

<電車>JR身延線「富士宮駅」から徒歩で約8分
<車>
新東名高速道路「新富士IC」から約10分
東名高速道路「富士IC」から約15分
「道の駅 朝霧高原」から約35分

「富士山本宮浅間大社」の「咲良みくじ」で運試し

次は、静岡県富士山世界遺産センターから徒歩すぐの敷地にある、以前も訪れた「富士山本宮浅間大社」へ。

富士山本宮浅間大社は、富士山信仰の中心地。日本全国から多くの参拝客が訪れる観光スポットであると同時に、富士宮市の住民に愛される憩いの場でもあります。
たとえばayameさんは、自宅から富士山本宮浅間大社までランニングをする時間がとても好きなのだそう。富士山本宮浅間大社から見る富士山は一年中美しいけれど、冬の雪を被った富士山はやっぱり格別で、立ち止まって眺めることも多いのだとか。

また最近は、富士山本宮浅間大社のおみくじ「咲良みくじ」が人気と聞いて、私もやってみることに。
ピンクと水色の2色のおみくじから、好きな色を選び、富士山本宮浅間大社の聖なる池「湧玉池」の水面に「咲良みくじ」を浸すと、文字が浮かび上がってくる仕組みらしく……。

実際にやってみると、こんな感じ! 徐々に浮かび上がってくる文字を、ドキドキしながら待つ時間が楽しかったです。ちなみに当日は、小吉と大吉でした(やった〜!)。
じゃばら折りにすると富士山の形に見えるようデザインされているので、枝に結んだ様子はさながら冬の富士山と、夕日を浴びて赤く輝く「赤富士」のよう。富士山本宮浅間大社を訪れたなら、ぜひやってみてほしいおみくじです。

富士山本宮浅間大社 基本データ

<住所> 富士宮市宮町1-1
<TEL> 0544-27-2002
<営業時間> 開門時間
11月~2月:6:00~19:00
3月、10月:5:30~19:30
4月~9月:5:00~20:00
祈祷受付:8:30~16:30
神楽:16:00まで
<駐車場> あり
参拝者30分以内無料(祈祷者は2時間無料)
1時間200円
1日1,500円

料金

境内 無料

行き方・アクセス

<車>新東名高速道路「新富士IC」から約15分
東名高速道路「富士IC」から約20分
<電車>東海道新幹線「新富士駅」からタクシーなど車で約30分
JR身延線「富士宮駅」から徒歩で約10分
<バス>東京駅~富士宮間で高速バス利用可能
(要予約 富士急静岡バス 0545-71-2495 JRバス関東 03-3275-0489)

売り切れ続出!平飼い卵のプリン「eggs&anything」

散歩して小腹が空いたので、富士宮市の人気ギャラリーカフェ「space Wazo」のオーナーが最近オープンさせたショップ「eggs&anything」へ。
これまでイベントやポップアップ等でしか入手できなかった、富士宮エリアの作家ものの器、富士宮市産の食材や日替わりのお弁当などが販売されていて、ayameさんも気になっていたのだとか。
この日の私たちのお目当ては、売り切れ続出の人気商品。富士宮市産の平飼い卵で作られたやさしい甘さの「キナリぷりん」と「シフォンケーキ」です。

口どけなめらかで香り高いプリンは、しつこくない甘さで優しい味。シフォンケーキも、ふわっふわでほんのり甘く、もはやホールでいただきたいおいしさでした。
午後は売り切れていることが多いそうなので、開店後すぐの時間の訪問がベターです。

eggs&anything 基本データ

<住所>静岡県富士宮市元城町3-24
<営業時間>11:00〜16:00
<休業日>月・火・水曜日
<駐車場>あり

行き方・アクセス

<電車>JR身延線「富士宮駅」から徒歩で約7分

約200年続く老舗酒蔵「富士高砂酒造」

「eggs&anything」もそうですが、富士宮市の魅力の一つに、食のおいしさが挙げられます。その鍵は、富士山麓の自然の恵みがもたらす、水のきれいさ。
その水を生かして富士宮の地で酒造りをしているのが、「富士山本宮浅間大社」から徒歩すぐの場所にある「富士高砂酒造」です。
蔵の発祥は、1830年。約200年続く高砂酒造は、100年間かけて湧き出る富士山の伏流水と、創業以来変わらぬ伝統技術で、多くの人に愛される酒を造り続けています。

また伝統を守り続けるだけでなく、挑戦し続ける酒蔵であることも人気の秘密。
若手の杜氏が「ヨーグルト酒」や「酒カルダモンレモンハイの素」など新しい酒造りを試みたり、デザインを工夫したりと、つい手に取ってみたくなる商品が開発されています。

この日、ayameさんが手に取ったのは、おみやげにもちょうどよさそうな「清酒高砂」のミニボトルと、オリジナルのお猪口。

要予約ですが、酒蔵見学も可能だそうなので、今度はゆっくりお酒を味わいながら、酒蔵見学もしてみたいなぁ、と思いました。

富士高砂酒造 基本データ

<住所>静岡県富士宮市宝町9-25
<TEL>0544-27-2008
<営業時間>平日 8:45~17:00
土日祝 10:00~17:30
<休業日>年末年始
<駐車場>あり(自家用車5台、大型バス2台)

料金

酒蔵見学無料(要予約)

行き方・アクセス

<電車>JR身延線「富士宮駅」から徒歩で約20分、「西富士宮駅」から徒歩で約15分
<車>東名高速道路「富士IC」から約30分

“富士宮やきそば”と“しぐれ焼き”「やまだ食堂」

富士宮市といえば、富士宮やきそばを想起する人も多いことでしょう。かくいう私もその一人。じつは、前回の滞在では毎日富士宮やきそばを食べ、今回の滞在でも密かに毎日富士宮やきそばを食し、さらにはスーパーでお土産用の富士宮やきそばを買うほど、惚れ込んでしまった味です。
その理由は、一言で富士宮やきそばといっても、店や製麺所によって味や個性が異なるから!
今回のayameさんとの1dayおさんぽデートでは、せっかくなので地元の人が通う、ayameさんのお気に入りのお店に行きたい!とリクエスト。そして訪れたのが、こちらの「やまだ食堂」です。

ayameさんは、自身が食べるだけでなく、職場への差し入れ用にテイクアウトするほどお気に入りなのだとか。

外観も店内もなんともレトロ。ちょっとタイムスリップしたような気持ちになります。

こちらが定番の富士宮やきそば。硬めの麺に甘めのソースがたっぷりとかけられており、さらには富士宮やきそばの特徴である魚粉や肉かすがたっぷりと入っていて、「そうそう、これが食べたかった〜!」の一言がつい漏れます。おいしい!
また、地元の人は富士宮やきそばのほか、「しぐれ焼き」なるメニューを頼むのも定番ということで、そちらもオーダー。

写真左が富士宮やきそばで、右がしぐれ焼き。しぐれ焼きは、富士宮やきそばがお好み焼き生地で挟まれた食べ物で、ソースをちょっと鉄板で焦げ付かせた風味があるのが「やまだ食堂」の特徴。ボリュームたっぷりで、これまた非常においしかったです。
この店で50年以上富士宮やきそばを焼いているという店主のおばあちゃんの話を聞きながら、焼き立てを鉄板でいただく時間は、とても贅沢。気がついたら周りは地元の方々でいっぱいで、さすが地元の人気店といった風情でした。

やまだ食堂 基本データ

<住所>静岡県富士宮市宝町1-2
<TEL>0544-26-4208
<営業時間>11:00~14:00、17:00~20:00
<休業日>月曜日
<駐車場>あり(7台)

行き方・アクセス

<電車>JR身延線「富士宮駅」から徒歩で約15分
<車>東名高速道路「富士IC」から約20分

まだまだ尽きない富士宮市の魅力を、歩きながら探したい

もっともっと、ayameさんと冬の富士宮市の魅力を探しながら一緒に歩きたい。そう思ったけれど、日没を迎えてこの日は終了。

富士宮市の魅力を知り尽くしているayameさんと歩く1dayおさんぽデートは、ユニークなマンホールめぐりや、「富士山コーン」のミニチュア「富士山ミニミニコーン」の発見など、一人で歩いていたら出会えない魅力に出会い続けた時間でした。

街歩きが楽しい富士宮市、まだまだ魅力は尽きませんが、今回はその一部ということで。ayameさん、ありがとうございました!

おまけ[1]:富士宮移住者ayameの「富士宮暮らし」最新トピックス

ayameさん Instagram

こんにちは!ayameです。私事ですが、引っ越しました! といっても、2022年秋頃に、富士宮市内にコンテナ型のシェアハウスをオープン予定なので、それまでの仮暮らしではありますが。

シェアハウスはコワーキングスペースを併設し、職住一体の暮らしができるように考えており、また入居期間に縛りを設けない予定なので、富士宮市へのお試し移住施設としての機能も持たせられるよう、準備を頑張ります!

おまけ[2]:富士宮市移住者ayameの「富士宮最新ニュース」

シェアハウスのほかにも、最近はテレワークや移住希望の方を受け入れるための施設が増え始めたな、と感じています。
たとえば、2021年には富士宮市にコワーキングスペース兼文化施設がオープンしました。名前は「虹ブックス」。

富士宮市は多様な旅を受け入れる準備が整いつつあります。皆さまもぜひ、自由なスタイルで富士宮への旅を計画してみてください。

虹ブックス 基本データ

<住所>静岡県富士宮市猪之頭806
<TEL>050-7130-8311
<営業時間>10:00~16:30
<休業日>日~水曜日
<駐車場>あり

料金

入室 500円(1ドリンク込)
Wi-Fi・電源使用の場合は2時間500円(ドリンク別)

行き方・アクセス

<電車>JR身延線「富士宮駅」からバスで約40分
<車>新東名高速道路「新富士IC」から約40分

観光・ワーケーション・移住など富士宮市情報はこちらから

富士宮市観光協会サイト
富士宮市ワーケーション特設サイト
富士宮市移住・定住ポータルサイト

何度も行きたくなる富士宮/伊佐知美の「つながる・友達作り旅」

伊佐知美

これからの暮らしを考える『灯台もと暮らし』創刊編集長。日本一周、世界二周、語学留学しながらの多拠点居住など「旅×仕事」の移動暮らしを経て沖縄・読谷村に移住。移住体験者の声をまとめた『移住女子』の著者でもある。

伊佐知美 Instagram
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