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プロフィール

高橋伸哉
写真作家 1972年生まれ、兵庫県出身。写真作家としての活動のほか、ライフワークとして海外、国内を旅しながら写真を撮り歩く日々。著書に『写真からドラマを生み出すにはどう撮るのか?』(インプレス)、『情景ポートレートの撮り方』(玄光社)、写真集『impermanence』(玄光社)、 『IN THE ZONE』(ミツバチワークス)などがある。
愛用カメラ:Leica M10-R、Nikon Zf、RICOH GRIIIなど
愛用レンズ:Summilux-M f1.4/ 50mm ASPH.、Summilux-M f1.4/35mm ASPH.など
Q. セクシーな表情やポーズを自然に依頼する3つのポイントとは?
A. ①「屋外などで楽しく撮影し、たくさん話して信頼を得る」②「テンション高く、“美しい、綺麗、素敵“などの言葉かけを忘れない」③「信頼関係がない限り、無理なことは 言わない、触れない」
リズムよく、軽く笑える冗談を交えて、この人に任せればいいと思わせる安心感を与えて




表情がうまく引き出せない時は、自分のマインドを切り替えていくこと
「普段は依頼されて撮影することが多いので、私がよく撮影している情景的なポートレートの作風で撮っていいのかを事前に確認します。また、こちらから依頼する時は、自分が過去に撮影した写真を参考に、こういった撮影をしたいが可能かどうか、とお伺いします。もちろん断りづらくならないように、無理な場合は遠慮なく言ってくださいなどの言葉を添えて。表情などは現場で引き出していくのですが、まずは屋外で楽しく撮影し、たくさん話して信頼を得てから、屋内で自分が撮りたい写真を提案することもあります。女性は、どんなにベテランの方でも緊張するもの。黙々と撮影していれば不安になります。こちらがテンション高く、“美しい、綺麗、素敵”などの言葉かけを忘れずに、リズムよく、軽く笑える冗談を交えることで筋肉も緩み、この人に任せても大丈夫という安心感にもつながっていきます。そこからモデルさんもゾーンタイムに入れば、自然にいい表情になっていきます。いい表情をうまく引き出せない時は、こちらの調子が悪い場合が多いので、自分のマインドを切り替えていくことが大事ですね。衣装にはあまりこだわりません。それよりも重要なのは光と影の加減。光は無数にあり、朝の光と夕方では違いますし、偶然の光も利用して自分の理想に近づけていきます。そして、撮影は集中力が勝負なので1対1が理想。とにもかくにもまずは信頼を得ること、そこからです。男目線で撮影すると女性は不安になります。卑猥なポージングを要求しない。よほどの信頼関係がない限り、無理なことは言わない、触れないのがルールです」。
GENIC vol.73【Portrait Q&A】Q. セクシーな表情やポーズを自然に依頼する3つのポイントとは?
Edit:Izumi Hashimoto
GENIC vol.73

2025年1月号の特集は「Portrait Q&A」。ポートレートの答えはここにある
人にカメラを向けるからこそ、迷いはなくしたい。自分の写真をちゃんと好きでいたい。そのためにどうするか?「答え」はここにあります。写真家や俳優、モデルなど41名が答えた、全45問のQ&A特集です。