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未来の自分に残しておきたい景色 坂東龍汰

自分を表現する舞台で活躍しているミュージシャンや俳優の中にも、写真が好きで、その可能性に魅了されている人たちがたくさんいます。彼らにとって、写真という表現はどんな意味を持つものなのでしょうか?
今回は俳優の坂東龍汰さんに聞いてみました。

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プロフィール

坂東龍汰

1997年5月24日、ニューヨーク生まれ、北海道育ち。2017年にドラマ「セトウツミ」で俳優デビュー。近作の出演作にドラマ「夢中さ、きみに。」「真犯人フラグ」「ユニコーンに乗って」「王様に捧ぐ薬指」「きのう何食べた?season2」「366日」などに出演。22年「フタリノセカイ」で映画初主演し、第32回日本映画批評家大賞で新人男優賞を受賞。現在は、初めて声優を務めたアニメ映画「ふれる。」が公開中、ドラマ「ライオンの隠れ家」が放送中。2025年1月17日公開の映画「君の忘れ方」で、映画単独初主演を務める。
愛用カメラ:Canon EOS Kiss X5、Rollei 35 SE、 OLYMPUS PEN-F、Sony α7R
愛用レンズ:Canon EF 50mm F1.8 II

過去と未来をつなぐ旅 坂東龍汰
「静と動」 坂東龍汰

未来の自分に残しておきたい景色

「祖父に譲ってもらったOLYMPUS PEN-Fで、鏡に映った自分を撮ったもの」。

出演作の映画『閉鎖病棟』では、カメラが好きな役を演じていた坂東さん。いつから写真が好きだったのでしょうか?
「写真を撮り始めたのは、14歳の頃に祖父にCanon EOS Kiss X5をもらったのがきっかけです。祖父の家に遊びに行ったときに見つけて、譲ってもらいました。今でも愛用していて、とてもタフなところが気に入っています。色々な国や自然の中に持って行きましたが、一度も壊れたことがありません。死ぬまで使いたいと思っています。今では7台ほどのカメラを持っていて、最近、Sony α7Rが仲間入りしました。他には、コンパクトフィルムカメラを何台か持っています。本業をもっともっと頑張って、趣味に使えるお金ができたら中判カメラや、大判カメラにも挑戦してみたいですね」。

「室蘭市の海岸沿いから撮影。色をなくすことで、より写真の雰囲気をよくできた、お気に入りの1枚」。

「別名『蝦夷富士』と呼ばれている、北海道・羊蹄山。雲がかかった幻想的な写真が撮れました」。

極力、目で見て感動したものを撮りたい

「実家のワイン畑からの帰り道に、車窓から見えた夕日が美しかったので撮影。車のスピードと一緒に動いているので、躍動感のある写真に」。

今回の写真は北海道で暮らしていたときに、デジタルカメラで撮影したものが多いそう。
「当時は常にカメラを持ち歩いていたので、素敵な瞬間を逃すことがなく、今でもお気に入りの写真がたくさんあります。僕の写真のテーマは『生活』です。目で見て感動したものを撮る、というスタンス。だから、何かを撮ろうと思ってカメラを持ちだすということはあまりなく、普段の生活の中で、この瞬間は切り取っておきたいと思った人や風景を撮ることが多い。いい写真が撮れるときはタイミングかな、と。枚数は撮りすぎないようにしています。写真に収めることも大事ですが、その瞬間を自分の目で楽しんだり感じたりすることを大切にしたいから」。

「よく鳥を撮っていた頃の写真。望遠レンズを使って、カモメが逃げないように遠くから撮影しました」。

「高校時代に撮った写真。岩の上にいる友達がシルエットになっていたのが素敵だったのでシャッターを切りました」。

撮った写真は全てが宝物であり大切な日記みたいな感じ

「北海道室蘭市を車で走っているときに、製鉄工場の夜景が見えました。とてもきれいだったので、急遽三脚を立てて撮りました」。

「僕は写真を撮るとき、見せた人がどんな反応をするか考えながら撮ります。この人に喜んでもらいたいとか、笑顔にしたいとかそんなことです。100人いたら、100通りの感じ方があると思うので、自分なりの受け取り方で僕の写真を見てもらえたら嬉しいです。表現したものを受け取ってもらい、どんなリアクションがあるのかワクワクする、という点では、役者・写真それぞれの表現は近いのかなと思います。25年間でおそらく20万枚ほど写真を撮ってきましたが、すべてが宝物であり大切な日記みたいなもの。写真を通して繋がれた友人もたくさんいますし、これからも出会うと思います。何かに熱中し、オタクになれることはとても大事。これからも、撮りたい衝動が生まれたものや人を撮っていくと思います。タイミングがきたら、いつか写真が好きな友人と共同で写真展をしたり、写真集を作ってみたりしたいですね」。

「近くの公園で休みの日に昼間からワインを飲んで、友達と話をしていたときに撮影。可愛らしいナチュールのラベルがいい感じでした」。

表現に対してもらえるリアクションにワクワクする。その点において役者と写真は近い

「高校からの帰り道にあまりにきれいな夕日だったので撮影。望遠レンズを使い、太陽の輪郭を大きく撮ったのがポイントです」。

「夕日の写真はどれも好きです。ニュージーランドで、夕日が雲にあたって幻想的だった瞬間を切り取りました」。

「ニュージーランド留学中に、ホストファミリーの家の窓から見えた月の色がとてもきれいだったので撮影しました」。

GENIC vol.64【ミュージシャンや俳優も恋してる「写真の無限なる魅力」】
edit:Izumi Hashimoto

GENIC vol.64

GENIC10月号のテーマは「写真と人生」。
誰かの人生を知ると、自分の人生のヒントになる。憧れの写真家たちのヒストリーや表現に触れることは、写真との新たな向き合い方を見つけることにもつながります。たくさんの勇気とドラマが詰まった「写真と歩む、それぞれの人生」。すべての人が自分らしく生きられますように。Live your Life.

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