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【撮影と表現のQ&A】澤村洋兵/Q.やっぱりRAWで撮影しておいたほうがいいの?

さまざまな写真家、フォトグラファー、クリエイターが登場するQ&A企画。
「知ることは次の扉を開くこと」。
今回は、自分らしさと好きを追求する写真家、澤村洋兵さんに質問です。

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澤村洋兵

フォトグラファー 1985年生まれ、京都府出身。バンドマンとして青春時代を過ごし、その後は美容師、和食料理人、バリスタ、珈琲焙煎士など、さまざまな職業を経験してきた異色のフォトグラファー。それぞれで培った感性を活かした写真は人物、風景、スナップなどバリエーション豊か。本人のライフスタイルの中にある瞬間を自分の色にして表現している。YouTube「キョウトボーイズ」(澤村さんを含む、京都住まいの男4人「キョウトボーイズ」で写真・カメラ、旅などを配信中!)、オンラインサロン「写真喫茶エス」主宰。

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Q.やっぱりRAWで撮影しておいたほうがいいの?

A.RAWで撮らないことは、チャンスや可能性を捨てること

RAWってそもそも何?

RAWデータは生のままのデータで、そのままでは見ることができないもの。カメラのディスプレイやパソコンのモニターにはRAWデータが変換された、JPEGプレビューが表示されています。RAWデータには、撮影時の色情報がそのまま残っているため、画像化(RAW現像)する際に、さまざまな処理ができるのが特徴。その分、データサイズも大きくなります。

メリット1:昔の写真を、今のスキルや好みに合わせて仕上げ直すことができる

▼過去に仕上げた作品

撮影機材:Sony α7R II × Sigma 50mm F1.4 DG HSM Art
Model:雪見みと @yukimi_mito

「2019年に撮影した写真です。特にイメージなどはなく、この時気に入ってる雰囲気にしただけでした。光が入ってきている窓が真っ白になってることにも気が付かず、ただ白飛びしてる感じになってしまっています」。

▼今仕上げ直した作品

「爽やかな朝の1コマをイメージして編集しました。全体的な色味を変え、白いものをちゃんと白に見せ、眩しさとモデルさんの肌を柔らかく表現するため明瞭度を少し下げました。また、真っ白になっていた窓も、強く光が入っている感じを保ちつつ、ギリギリの範囲でハイライトを落としニュアンスが出るようにしました」。

メリット2:ホワイトバランスをあとから調整できるのでシャッターチャンスを優先できる

「人工光、もしくはライティングを組んで光を統一できたらいいのですが、不可能な場合があります。例えばカフェでの撮影です。営業中だと電気を消したりライティングを組んだりできません。またいい光の席に移動したり長時間止まったりもできません。そういう時に細かい設定をし始めると、シャッターチャンスを逃したりするので、設定よりタイミングを優先して撮るほうがいいものが撮れるんです。RAWで撮っておくと後から細かく修正できるので、結果としていい写真に仕上がることが多いです」。

▼元画像

撮影機材:NIKON Z5 × NIKKOR Z 24-70mm f2.8S

「ホワイトバランスは、基本的に雰囲気残しのオートで撮っているため、お店のライトが当たっている部分はオレンジ色っぽくになります。全体的にオレンジがかっていますが、奥のお皿には自然光が強めに当たっているので、そこだけ少し青っぽくなっています」。

▼青の色味の処理前

「まずは抹茶ラテのミルク部分がちゃんと白くなるまでホワイトバランスを青のほうにふっていきます。自然な色味になっていくのですが、自然光が当たっていたお皿部分がさらに青くなってしまいます」。

▼処理後

「青くなったお皿部分を直す方法は2パターンあり、1つはそこだけブラシで塗ってオレンジにふり直す方法。もう1つが今回使用した方法で、元画像の中に青っぽいものがないので、青色のみの彩度を自然な感じになるまで下げます。そうすると光が混ざった状態の写真でも全体的に自然な色味の写真に仕上がります」。

RAWで撮ることはフィルムのネガを捨てないのと同じこと

「RAWで撮影しないときはありません。将来的にどう使うかわからないので大きいデータで残しておきたいからです。カメラを始めて1年目は何も知らずに全てJPEGで撮っていました。あとからよく見るとホワイトバランスが良くわからんことになってたり、露出をミスってたり。その時に『あーRAWで撮っておけばよかった!』って思ったんです。RAWで撮っておくことで、いろいろなことが画面上で試せて、学びにつながっていく。のちに自分自身の編集技術が成長したときに、改めて編集し直せる幅があるというのは、RAWで撮っておくべき大きい理由かなと思います。時代に合わせた雰囲気に編集し直すこともできますしね。RAWで撮っておかないと、可能性を捨てるような気がしてしまいます。フィルム写真もネガは捨てられないですしね。似たような感じです」。

GENIC vol.67【撮影と表現のQ&A】澤村洋兵/Q.やっぱりRAWで撮影しておいたほうがいいの?
Edit:Megumi Toyosawa

GENIC vol.67

7月号の特集は「知ることは次の扉を開くこと ~撮影と表現のQ&A~」。表現において、“感覚”は大切。“自己流”も大切。でも「知る」ことは、前に進むためにすごく重要です。これまで知らずにいたことに目を向けて、“なんとなく”で過ぎてきた日々に終止符を打って。インプットから始まる、次の世界へ!
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