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【伝えたいニッポンの風景:3】阿部裕輔

日本には誇るべき素晴らしい風景がたくさんあります。自然が積み重なった絶景や、歴史文化が薫る古き良きまち並み、季節が運ぶ美しい色。ただ目の前に広がるシーンを撮影するのではなく、残し、伝えたい、そんな想いを込めて作品として日本の姿を発信している、4名の写真家に迫ります。
第3回は、シンプルでアート的なミニマル写真が得意な写真家、阿部裕輔さんです。

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阿部裕輔

写真家 北海道出身。デザインの仕事をしながら出勤前や休日に、四季折々の絶景を求め北海道各地を車で巡り、風景、野生動物などを撮影。その後退職し、写真の道へ。ポートレートやライブ撮影などにも精力的に取り組む。現在、Instagramのフォロワー6.4万人。環境省日本の国立公園フォトコンテスト2019「国立公園部門賞」、北海道撮影ポイントランキング第5回年間グランプリ展「優秀賞」の他、数々の受賞歴あり。NPO法人北海道を発信する写真家ネットワーク写真家会員。
愛用カメラ:Sony α1/α7R IV
愛用レンズ:FE 16-35mm F2.8 GM、FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS、FE 70-200mm F2.8 GM OSS

彩りに溢れた美瑛町の風景

ロケーションが最高な美瑛町は創作意欲が湧くスポット

「冬の晴れて寒い朝や夕方に出やすいビーナスベルト。雪原とピンクの空とキツネのコラボは北海道でしか撮れない一枚なので、ずっと狙っていました」。

「北海道の魅力を世界に」をテーマに撮影活動をしている阿部さん。
「一ヶ所に留まらずに北海道各地で、風景だけではなく、北海道にしか生息しない野生動物も数多く撮影しています。そして、ただ記録として撮影するのではなく、ひとつの芸術作品として、その場の雰囲気や臨場感、空気感などを自分なりに表現し、少しでも何かが伝わるような写真を撮るように心掛けています。その中でも私が一番好きな作風はシンプルでアート的なミニマル写真。北海道の風景は天候、気温、風など、ちょっとした変化で絶景となる場所が多く、晴れでも曇りでも雪でも雨のときでも素敵な光景に出会えます。珍しい現象に出会ったときはやっぱりテンションが上がりますね。例えば、虹やサンピラー、燃えるような朝焼けや夕焼け、巨大な雲海など、滅多に撮ることができないレアな場面に遭遇、撮影できたときは嬉しさもひとしお。そうやって魅力的な撮影をするために、週に3回札幌から美瑛に通ったことも」。

「夕焼け空とクリスマスツリーの木。有名な場所ですが、たまに起きる気象現象に遭遇すると、とても幻想的な写真に変身」。

「"青い池"は冬には凍ります。そして、そこに雪が積もり"白い池"になりますが、初雪のタイミングでは池は凍らず、このような"白い青い池"が見られます。この期間はとても短いのでタイミングが難しく、数回通ってなんとか撮れました」。

北海道は、晴れでも曇りでも雪でも雨でも素敵な光景に出会える

「のどかな牧場。緑が美しい丘に放牧された牛と、少し雲がある青空のコントラストが北海道らしい光景でした。丘と牛のバランスも絶妙!」

「美瑛町はロケーションが最高なので、私の創作意欲が湧くスポットです。天気予報を駆使しても外れることもありますが、実際にそこへ撮りに行かないと運も掴めないので、狙った写真が撮れるまで何回でもチャレンジしています。今後は、素晴らしい北海道を世界中にアピールしていけたらと思っています。また、海外各地へ赴き各地の絶景を見ると同時に、日本の文化、北海道の良さも伝えていきたいですね。私の写真を見て、少しでも何かを感じてもらえたら嬉しいです」。

「エゾリスのお食事。手前の雪がいい雰囲気だったので、低い位置から撮り、雪の中からひょっこりと出てるような感じに演出」。

「ここは美瑛町から1本道を挟んだ上富良野町にある"かんのファーム"。朝陽で輝くサルビアの赤い丘に魅了され撮影。」

「有名な四季彩の丘。夏はラベンダーが咲き北海道らしい風景に。ラベンダー畑に蝶が飛んでいたので、ラベンダーをメインに切り取り背景をぼかしたのがポイント」。

阿部裕輔 Instagram

GENIC vol.66【伝えたいニッポンの風景】
Edit:Izumi Hashimoto

GENIC vol.66

GENIC4月号のテーマは「撮らずにはいられない」。
撮らずにはいられないものがある。なぜ? 答えはきっと単純。それが好きで好きで好きだから。“好き”という気持ちは、あたたかくて、美しくて、力強い。だからその写真は、誰かのことも前向きにできるパワーを持っています。こぼれる愛を大切に、自分らしい表現を。

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