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プロフィール
本間理恵子
写真家 新潟を拠点に活動。2010年より独学で作品制作を開始。代表作「cube」シリーズでは、透明なガラスの箱を“心のシェルター”=不可侵領域として提示し、孤独や閉塞と同時に救済の場を描き出す。「逃避は弱さではなく、生き延びるための選択肢」であることをテーマに、現代社会を生きる心のあり方を問いかけている。国内外での展示・受賞歴を持ち、作品は書籍装幀などにも多数起用されている。
本間理恵子は、ガラスの箱「cube」を通じて、心を守るシェルターのような空間を提示し、逃避を生き延びるための選択肢として描き出しています。一方、七菜乃は、裸を特別なものではなく日常の営みとして写し取り、多様な身体をそのまま肯定するまなざしを続けています。異なるアプローチで「女性の心と身体」に向き合ってきた二人の作品が、同じ空間に並ぶ今回の展示。入場料は500円。ぜひこの機会に、それぞれの視点が交差する世界を体験してください。
七菜乃
写真家。被写体としてモデルも務める一方、自らカメラを持ってセルフポートレートや他の女体を撮影した作品もアート界で高く評価されている。
女体に善し悪しなど無くその善し悪しはその人の好みや時代によって全く違う。私は全ての女体は美しい捉えて撮影しています。だから、ただそこに在る美しさを撮影したいと思っています。
本間理恵子 個展「cube ー繋がり、隔たり」
現代社会にはネガティブなニュースや匿名の悪意といった情報が溢れ、心をすり減らす瞬間がある。そのような現実から逃げ込みたくなる感覚を出発点として生まれたのが、本間理恵子の代表作「cube」シリーズだ。透明なガラスの箱は、内側を心、外側を現実世界とみなし、二つを隔てる境界として表現される。一見すると閉塞的で孤独な箱は、実は傷ついた心が一時的に身を寄せることのできる「心のシェルター」であり、不可侵領域でもある。そこに置かれた被写体は、外からの干渉を受けない空間で、自らの内面と向き合う。同時に作品は、他者と繋がりたいという願望と、それを阻む隔たりとの葛藤を映し出す。「逃避」は弱さではなく、生き延びるための選択肢である。その考えのもとに展開される「cube」は、作家自身の切実な必要性から出発し、普遍的な問いかけへと変わっていく。
── 本間理恵子「cube ー繋がり、隔たり」プレスリリースより
七菜乃 個展「INザROOM 」
現代社会では、身体はしばしば理想美や記号として消費され、本来の多様さや自然さが覆い隠されてしまう。そのような状況への違和感を出発点として生まれたのが、七菜乃のヌードシリーズである。多様な裸体を身体的な個性としてそのまま受け入れ、ソフトフォーカスの柔らかな画面に包み込むことで、裸体は異質なものではなく日常に溶け込む存在へと変わる。裸は特別な儀式ではなく、ごく自然な営みとして息づいている。撮影の場は張り詰めたものではなく、穏やかで賑やかで、ときに笑い声が混じる。そこで撮られる身体は、花や布、鏡と溶け合い、ひとりの個としての時間や経験を宿しながら、複数が並び合えば互いに響き合い、その場にしか生まれない関係性を立ち上げる。裸は性的な眼差しに回収されるものではなく、もっと自由で、多様で、豊かな可能性を持っている。その考えのもとに展開される作品は、作家自身の生活と制作が重なり合う時間から生まれ、人が「共に在る」ことの素朴で豊かな姿を映し出していく。
── 七菜乃 「INザROOM 」プレスリリースより
個展同時開催 本間理恵子「cube ー繋がり、隔たり」、七菜乃「INザROOM 」情報
開催日時
2025年11月17日(月)〜11月23日(日)
10:30~18:30
※最終日は17:00まで
入場料
500円(税込)
会場
- ART Gallery M84
- WEB
- 〒104-0061 東京都中央区銀座四丁目11-3ウインド銀座ビル5階
- Google Map
行き方・アクセス
<電車>
東京メトロ日比谷線「東銀座」歌舞伎座タワー(KABUKIZA TOWER)出口から徒歩で1分
東京メトロ銀座線 「銀座駅」 A2出口から 徒歩2分。
都営浅草線「東銀座駅」 A7出口から徒歩1分