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プロフィール
Bea/べあ
建築士/フォトグラファー 1998年生まれ、岐阜県出身、愛知県在住。7年前よりカメラを始め、2024年12月には個展「青綴」を開催した。
写真は、時間とともに色褪せていく記憶の保管庫
私はほぼ毎週、休日に写真を撮りに行きます。大切にしていることは、その場所で感じたことや雰囲気を、自然体で残すこと。季節を感じるものも好きで、よくカメラを向けています。
私にとって写真とは、褪せることない記憶の保管庫です。人って、大事なことを案外すぐに忘れてしまう。どこへ行ったとか、何をしたとか、表面的なことは覚えていても、その時、何を感じ、何が楽しかったのかといったことは、時間と共に色褪せていくと思うんです。その点、写真は写る人の表情やふと目に入った景色など、自分が覚えておきたいと思ったものを素直に残せます。写真を見返したときに、その場の雰囲気や自分が見た景色を思い出すことができ、さらに構図や色味などから、その時の自分の感覚も垣間見える。まるで、自分の”好き“の歴史までも残してくれているように感じます。
はじめて富士フイルムのカメラを購入したのは、2024年の3月でした。友達が富士フイルムのカメラを使っていて見せてもらったのですが、一瞬で、フィルムシミュレーションのCLASSIC Neg.の質感に惚れました。それからすぐに、X-T30 IIを購入。今でもCLASSIC Neg.が一番好きです。まるでフィルムカメラで撮ったかのような写真を、フィルムの消費を気にせず何枚もパシャパシャ撮ることができ、撮影中も楽しくて仕方ありません。
富士フイルムのカメラの魅力はまさに、フィルムシミュレーションを駆使した色、質感表現だと思います。他メーカーのカメラも、カメラ本体の設定である程度色味や質感を変えられますが、富士フイルムのカメラは全くの別物になるレベル。また、フィルムシミュレーションに、ホワイトバランスなど自身で調整したレシピをプラスすると無数の表現ができるので、おそろしいと感じるくらいです。
今回使った富士フイルムのカメラは、X-T30 III。
一番の魅力は、軍艦部についたフィルムシミュレーションダイヤルです。その場に合わせて手軽にフィルムシミュレーションを変えられるし、自分の好きな設定を反映させたレシピを、ダイヤルに3つまで登録できるので、よく使う設定をすぐに呼び出すことができます。これまでもフィルムシミュレーションのレシピをカスタム登録して使っていたのですが、私の愛機X-T30 IIだとカスタム呼び出しボタンを押して、選んでという2操作が必要です。それが、ダイヤルを回すだけの1操作で済むので本当に使いやすかったです。
そして、ボディのクラシカルなデザインと、とにかく軽いことも魅力です。持っていても負担を感じず、持っていることをたまに忘れてしまうくらいでした。また、AFの速さも驚いた点。普段、暗い場所ではAFが合いにくくて結局MFでピントを合わせることがよくあるのですが、X-T30 IIIは速さ・正確さともに素晴らしかったです。自分のX-T30 IIとも比較してみましたが、圧倒的なまでに向上していました。
そしてやはり、私にとって富士フイルムのカメラの一番の魅力は、フィルムシミュレーションです。
撮ったあとのデータ確認の際にたびたび思うのですが、フィルムシミュレーションによって写真がまったく異なります。本当に同じカメラで撮ったのかと思うほど。このシーンならどれが合うかな、あえてこっちを使ってみようかななど、撮るだけじゃなくて、「遊ぶ」要素が付け加えられるのがフィルムシミュレーション最大の魅力だと感じます。使いたいフィルムシミュレーションのために撮るものを探す、という逆転のムーブをしてしまうこともあるほど楽しい機能です。
少しレトロなものはNOSTALGIC Neg.で雰囲気をプラス、大自然はVelviaで迫力満点に、残したい日々はCLASSIC Neg.でエモーショナルに…。残す写真に一つひとつこだわりを追加できることがどれほど楽しいか、フィルムシミュレーションが実感させてくれます。
ちなみに、私がフィルムシミュレーションでよく使うレシピ設定は2つあって、1つはCLASSIC Neg.でシャドウ+1 、ハイライト+1、ホワイトバランス:Auto -3.+1。もう1つは現在は生産終了した富士フイルムのカラーネガフィルム「FUJICOLOR NATURA1600」の雰囲気が表現されたレシピで、スナップの時によく使います。
My favorite フィルムシミュレーション
今回の撮影で特に活躍してくれたのが、「CLASSIC Neg.」と「ETERNA」、「ACROS+ Ye FILTER」でした。
1:CLASSIC Neg.
CLASSIC Neg.は、フィルムらしさを一番感じます。低彩度ハイコントラストで見ていて懐かしさを感じる心地よさが本当に大好きです。一番好きなフィルムシミュレーションで、日常から作品まで、常用しています。スナップや日常の何気ない一コマなど、どんな場面もフィルム風に残してくれます。
2:ETERNA
低彩度低コントラストで、落ち着いた質感のETERNAは、まるで映画のワンシーンのような一枚を残せます。私は特に暗いシーンで使用することが多く、静かな雰囲気を作り上げてくれるフィルムシミュレーションだと感じています。今回は宵の時間、街とモデルの少し寂しげな雰囲気を出すために使用しました。
3:ACROS+ Ye FILTER
白黒のフィルムシミュレーションは、スナップやスタイリッシュな写真に使うことが多いです。その中でも、ACROS+ Ye FILTERは暖色を明るめに写してくれるので、人の肌色や太陽光を強調したいときによく使います。今回、もみじとモデルを撮ったときに光やもみじの色を明るめに表現するために使用しました。
Bea/べあさんが恋したフィルムシミュレーションの特徴
1:CLASSIC Neg.とは?
スナップシューターに愛用されてきたネガフィルム「SUPERIA」がベース。メリハリのある階調と、彩度を抑えつつも明部と暗部の色味を変えることで深みを増した色で、立体的な表現が得られます。
2:ETERNAとは?
映画用フィルム「ETERNA」がもととなるフィルムシミュレーション。ETERNAを写真に使うと、階調はフラットに彩度も抑えられる。動画に最適化されたルックであることを理解して演出したドラマティックなポートレートや建築写真で使うのに効果的。静観さと精緻な様子は、止まった時間の豊かさを伝えてくれる。
3:ACROS+ Ye FILTERとは?
コントラスト強調フィルターの中では最も効果が弱いため、フィルム時代には常用している人も多くいたACROS+ Ye FILTER。空を暗く落ち着かせるだけでなく、黄色より波長が短い緑も吸収するため「緑の中にある花」といったシチュエーションでもコントラストが変化します。ACROSの繊細な階調を活かすために効果の違いを理解すれば、ネイチャーやストリートで活躍するルックです。
Bea/べあさんが使用したカメラ
X-T30 III
2025年11月に発売されたばかりのXシリーズ最新機種。裏面照射型約2610万画素を誇る「X-Trans™ CMOS 4」センサーと、高速画像処理エンジン「X-Processor 5」を搭載。クラシカルなフィルムカメラを思わせるXシリーズの気品ある佇まいのボディは、ポケットサイズでなおかつバッテリーとメモリーカードを含んでもわずか378gという小型軽量を誇る。また、最新のAF予測アルゴリズムを採用しているため、動体への追従が必要なシーンや、コントラストが低い環境下でも高精度なAFで被写体を捉えてくれる。動きのあるポートレートはもちろんのこと、スポーツや動物等、幅広い被写体を正確に追随する。
90年以上にわたり富士フイルムが培ってきた写真フィルムに関する画質設計のノウハウをデジタルで継承した「フィルムシミュレーション」ももちろん搭載。カメラボディの天面にはフィルムシミュレーションダイヤルを採用しており、直感的にフィルムシミュレーションの変更が可能。また、個別に設定した自分だけの「FSレシピ」を保存できる至れり尽くせりの操作性と機能を備えている。