目次
Midori S. Inoue
フォトグラファー。1987年日本文化の先生として渡米。ジョージ・ワシントン大学、及びノースウェスタン大学にて Communication / Fine Arts を学び、在米日本大使館にて勤務。1991年ニューヨーク移住後、フォトグラファーとして活動を始めフォトアート作品を作る。以降、ニューヨークを中心にストリート写真を撮り、各地で個展を開催。2002年 「NY GROUND ZERO 9.11 追悼式典」に参加する等、幅広く活動。育児のため本拠地を東京に戻し、2011年には、人と人とのハグ(「Hug」)をテーマに新たに活動を始め「あなたらしい」瞬間を切り撮りつづける。2023年フォト絵本「 記憶と空想 」を出版し、個展や対話型ワークショップを開催中。
一枚一枚が見る人それぞれの物語を奏でる
「記憶と空想」は、写真家Midori S. Inoueの心が動いた1990年代のニューヨーカーの光り輝く瞬間の集大成。第一章は、20枚の写真と詩人 谷川俊太郎による書き下ろし20篇の言葉とのコラボレーション。Midori S. Inoueが20年来想い続けた谷川俊太郎と、いくつかの偶然が重なり巡り合い、詩の書き下ろしを依頼したことで実現しました。谷川俊太郎の言葉は読む人を空想の世界に誘(いざな)い、空想することに正解はないこと、好きなように楽しめばいいことに気づかせてくれます。第二章には、「あなたはあなたのままでいい」「みんながみんなちがっていい」「今を楽しんでいい」「夢を描いていい」「ダメならやめてもいい」といったMidori S. Inoueからのメッセージが。日本で生きづらさを感じたMidori S. Inoueがアメリカで変わるきっかけとなった言葉たちが、見る人の心に届いて欲しいという気持ちで書かれています。
この本には余白があり、第一章・第二章共に「使い方は自由」。幼い頃、絵本に落書きをしたように、手に取ったそれぞれの人に育ててほしいという思いが込められています。
五感を刺激するフォト絵本
本作は日本の出版界の匠たちにより、最高の一冊に仕上げられ、五感を刺激する作りになっています。ブックデザインは、H2O清水こうじと九谷透。フォントは、書体設計士 鳥海修による谷川俊太郎のために作られた「朝靄かなフォント」。製本は、美篶堂手仕上げにより、表紙は和紙の風合いの新だん紙に箔押ししたフランス装、本編は糸かがりによってページが180度開く装丁。印刷は、山田写真製版所プリンティングディレクター高智之による究極の3色モノクロスミ印刷。翻訳は、1967年以来谷川氏の詩を翻訳しているWilliam I. Elliott・西原克政らによる日英同時表記となっています。
フォト絵本「記憶と空想」に寄せられた言葉
「記憶と空想」には、僕の大好きなニューヨークを切り取った写真が溢れている。僕は1964年に、当時ニューヨーク駐在中の両親のもとで生まれた。出生地はニューヨーク。ちょっとかっこいい。しかし実のところは1歳半で赤ちゃんの時に帰国。だからその頃のニューヨークの記憶はない。でも緑さんの写真を見ていると、その一つ一つが自分がまるでそこにいたかの如く、強い既視感で迫ってくる。そしてなぜか、懐かしみと、嬉しみがじわーっと込み上げてきてあったかい気持ちになるのだ。
このフォトブックは二部構成になっていて、第一部の「記憶」には一葉の写真に谷川さんの詩が音楽のように寄り添っていて、まるでモノクロのフィルム映画の世界を旅しているみたいだ。そして、さらに素敵なのは第二部の「空想」ではその物語を僕ら自身に委ねられているところだ。どの写真にも自分だけの物語を描くことができる。もしかしたらそれは見るたびに違った物語になるかもしれない。切り取った写真が過去ではなく、現在、そして未来になるのも僕らの空想次第だ。なんだか大人になっても一人遊びできる秘密基地を見つけたような気分でちょっと嬉しい。
余談になるが、去年の夏初孫が誕生して、僕はおじいちゃんになった。お宮参りの写真を迷わず緑さんに撮ってもらった。新しい命が笑顔になってつながっていく。緑さんが切り取る瞬間があったかくて大好きだ。
ベーシスト/音楽プロデューサー 亀田誠治
Midori S. Inoue 谷川俊太郎 フォト絵本「記憶と空想」出版記念個展 情報
開催日時
2024年5月1日(水)~5月14日(火)11:00~18:00
※最終日17:00まで
会期中無休
入場料
無料
会場
ブックハウスカフェ ギャラリーこまどり(右奥のギャラリー)
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-5 北沢ビル1F
行き方・アクセス
<電車>
東京メトロ半蔵門線「神保町駅」A1出口から徒歩で1分
東京メトロ半蔵門線「神保町駅」A2出口から徒歩で3分
東京メトロ半蔵門線・東西線「九段下駅」6番出口から徒歩で5分
JR中央・総武線「水道橋駅」西口から徒歩で10分
5月5日(日・祝)出版記念特別撮影会
希望に応じポートレート写真を撮影
撮影代金: 20,000円(税込)
空き時間の確認、申込み、問い合わせは以下の詳細リンクから。
5月6日(月・振)ワークショップ「写真DE対話あそび」
フォト絵本の写真を使う、答えも何もない「対話あそび」。
開催時間:
11:15~12:45※11:00から受付開始
13:15~14:45※13:00から受付開始
参加費:大人 3,000円 子ども(大人と参加の中学生以下) 500円
人数:4~20名
申し込み:当日先着順
5月6日(月・振)「記憶と空想」出版記念イベント
谷川俊太郎の息子でジャズピアニスト谷川賢作のミニコンサート、ナレーターの渡辺克己の朗読で味わい尽くす贅沢なひと時。懇親会。
開催日時:2024年5月6日(月・振)16:00〜19:00
内容:著者からの挨拶及び対談、谷川賢作ピアノ演奏と渡辺克己詩の朗読
料金:3,500円 (ドリンク付き)
申し込み:要予約 midoris.inoue@me.com まで
フォト絵本「記憶と空想」情報
サイズ:222mm × 248mm
定価:6,600円(税込)本体6,000円
ISBN: 978-4991321900