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【街の被写体、それぞれの視点:12】Junya Watanabe <Art of Night Photography>

光、人、風、感情。その日、その瞬間にだけ作り出される、偶然性を多分に秘めた路上の光景を、自分なりのテーマで切り取るフォトグラファーたちがいます。どこか遠くに出かけなくても、撮りたくなるシーンはすぐそこにある。
そんな気づきをくれる、多彩なストリートフォトグラフィーをご覧ください。街が紡ぐ物語の一部です。
12人目は、街並みやストリートの夜の魅力を引き出すフォトグラファー、Junya Watanabeさんです。

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Junya Watanabe

フォトグラファー 1992年生まれ、滋賀県出身。スマホで写真を撮るのが好きだったことから、約5年前にSonyのα7R Ⅱと広角レンズを購入し、本格的に撮影するように。夜に特化してシティスケープやストリート、ポートレートなどの撮影を行っている。撮影依頼はInstagramのDM、メールで受付中。
愛用カメラ:Sony α1(2台)
愛用レンズ:Sony FE50㎜ F1.2 GM/FE35mm F1.,4 GM/FE24mm F1.4 GM

Art of Night Photography

大雨の日に撮った写真の美しさに魅せられて

時間雨量30㎜を超える秋雨の日に、秋葉原の通称ビラビラ通りのわき道にて。
「この場所の強い光が気になっていて、大雨の日に撮影したら絶対に面白くなると思っていたら、狙い通りでした。雨粒を止めたいので50㎜F1.2 GMのレンズを使って、シャッタースピードは1/1000くらいで撮影」。
カメラはSony α 1を使用。

「今のようなテイストになったのは、2017、18年頃。何か面白いものが撮れないかと思って、台風の日に新宿で夜通し撮影しました。傘をさしても意味がない状況だったので、全身びしょびしょでカメラもずぶぬれ。でも不思議と街がいつも以上にきれいに見えたんですよね。その体験が大きく影響しています」。

新宿・歌舞伎町の有名なゴジラロード前の横断歩道。
「納得がいくまで何度も通いました。ある程度の雨量でないとここまで地面が濡れない場所ですが、この日は完璧」。

「建物が歪まないように撮影することがこだわり。雨の美しさを引き出せるように現像し、目で見て違和感が少ない標準域のレンズをよく使用しています」とWatanabeさん。
「ネオンや看板がずらりと並ぶ新宿・歌舞伎町の通り。より情報量を多くするために水たまりを使って撮影し、リフレクションを強調するように現像」。
カメラはSony α 7R Ⅲ、レンズは16-35mm F2.8 GMを使用。

発見や出会い、“その時”の記録を色で遊んでアートに昇華

「1、2年通ってようやく撮れた満足できる1枚。普段は人通りの多いビラビラ通りで大雨の中、歩いているのは2人だけというレアなシーンが撮れました」。

夜の写真を専門とするWatanabeさんが、撮影地を決める時にまず考えるのは雨量。
「面白いものが撮れる可能性が高いのは時間雨量が20㎜を超えてくる時。さまざまな天気予報サイトやアプリで、どのエリアで一番雨が降るかをチェックしたり、雨雲レーダーを見て移動したりします。ストリートでは発見や出会いが面白さだと思っているので、音楽を聴きながら気ままに歩いて撮影することがほとんどです。写真を撮らなくてもずっといられるくらい、その街が好きになれたら最高ですね。好きじゃないと気づけないことがあると思うから」。

秋葉原駅のホームからUDX方面を撮影。
「この構図は何度も撮影してきましたが、この日はみぞれが降っていて、しっかりと粒が写ってくれたのでお気に入りの1枚に」。

そんなWatanabeさんにとって、ナイトフォトグラフィーの魅力とは?
「色もかなりいじりますし、目で見た景色とは違うものになるので、賛否はあると思いますが、色で遊んで成立しやすいことでしょうか。昔から“Art of Night photography”をテーマとしているのは、そういう意味合いもありますね。雨降る夜の街の空気感や雨の音、水たまりの反射、濡れた地面に映るテールランプの光の筋…、自分が見て、考えている夜の街の美しさが少しでも伝わればいいなと思います」。

Junya Watanabe Instagram
Junya Watanabe Twitter

GENIC vol.63 【街の被写体、それぞれの視点】
Edit:Yuka Higuchi

GENIC vol.63

GENIC7月号のテーマは「Street Photography」。
ただの一瞬だって同じシーンはやってこない。切り取るのは瞬間の物語。人々の息吹を感じる雑踏、昨日の余韻が薫る路地、光と影が落としたアート、行き交う人が生み出すドラマ…。想像力を掻き立てるストリートフォトグラフィーと、撮り手の想いをお届けします。

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