wacamera ー Keikoー
フォトグラファー 1978年生まれ、東京都出身。2006年、妊娠をきっかけに一眼レフカメラを購入。2009年に大手出版広告会社を退職後、写真館に勤務しながら、ブライダル写真を撮るようになり、2010年に独立。マタニティフォト、家族写真、商品撮影、Instagram関連の仕事など、国内外問わず活動中。
愛用カメラ:Sony α 7 III、RICOH GR III、PENTAX K1 Mark II、FUJIFILM X-Pro3
愛用レンズ:Sony Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA / FE 50mm F1.2 GM、PENTAX 31mm / 43mm、XF23mmF1.4 R など
抒情的に描くメルヘンの世界
種子島の洞窟で@_hikari_____さんを撮影。
「引き潮の時にだけ見られるという、この風景。シルエットで撮っているので、横向きでフェイスラインを出すことにより美しさが際立ちます」。
@fuka_09さんをモデルに、兵庫県の海で。
「陽が沈み、グラデーションが美しいマジックアワーと遠浅の砂浜に映るリフレクション。手にはランタンを、足は大きく動きをつけてもらい、シルエットを狙いました」。
岡山にある彼岸花の群生地で@yuri__saeさんを撮影。
「日陰の暗い場所ですが、彼岸花の妖精のような印象を残したくて、顔には光が当たる位置で撮ったもの。赤いストールを巻いて、よりその世界に馴染むようにしました」。
幻想的なメルヘンの世界に小さな人の像を残したい
「私がInstagramに投稿する人物写真は、絵画や絵本の挿絵に似ていると思っています。それは記録写真とははっきり区別していて、幼い頃から好きだった絵本の1ページや脳内に描く想像の世界、変わった風景の中に映る小さな人の像を残そうという感覚。風景と人、50/50のパワーで作り上げることが多く、風景だけでも、人にフォーカスしすぎても成り立たない、その配分が私の中では大切です」。
国内外の美しい背景に女性が佇むポツン構図が印象的なKeikoさんの作品。
「風景だけだとスケール感がわからないので、人物を配置した構図でどのくらい雄大なのか、どのくらい小さいのかを伝えることを狙いとしています。撮影地は第一印象、ここで撮りたい!という気持ちに忠実に、自分がこの目で見てみたい景色を選ぶことが多いですね。いつかどこかで読んだ懐かしい物語を思い出させるよう
な、幻想的で抒情的なメルヘンの世界を、見る人に楽しんでいただきたいです」。
そんなKeikoさんが人を撮る理由とは?「写真家を目指していた母の影響で、生まれた時からずっとカメラがそばにありました。写真は人生の付箋です。どんな瞬間でも人がそこに写っていることで、その時代、その場所の思い出を蘇らせてくれるものだと思います。それがたとえどんなに非現実的な絵作りであっても」。
秋の兵庫県で、モデルは@sorayuchiさん。
「手前の両サイドの木がうまく均一になるポイントを探して、立ち位置を決めています」。
「雄々しく立つ富士山が目の前にそびえる厳かな神社。八百万の神を信じる日本の心を胸に、感謝を込めて撮影させてもらった1枚。@misanov30さんを巫女のようなイメージで撮影」。
そこに写る人が思い出を呼び覚ます、写真は人生の付箋
国内外の美しい背景に女性が佇むポツン構図が印象的なKeikoさんの作品。
「風景だけだとスケール感がわからないので、人物を配置した構図でどのくらい雄大なのか、どのくらい小さいのかを伝えることを狙いとしています。撮影地は第一印象、ここで撮りたい!という気持ちに忠実に、自分がこの目で見てみたい景色を選ぶことが多いですね。いつかどこかで読んだ懐かしい物語を思い出させるような、幻想的で抒情的なメルヘンの世界を、見る人に楽しんでいただきたいです」。
そんなKeikoさんが人を撮る理由とは?「写真家を目指していた母の影響で、生まれた時からずっとカメラがそばにありました。写真は人生の付箋です。どんな瞬間でも人がそこに写っていることで、その時代、その場所の思い出を蘇らせてくれるものだと思います。それがたとえどんなに非現実的な絵作りであっても」。
福岡で@yuri__saeさんを撮影。
「一旦水面が止まるのを待ち、その後ほんの少し足を動かして僅かな波紋を作りました。高い位置から撮ることで水面のリフレクションを入れたのもこだわり」。
「しなやかに枝垂れる桜の前を歩く@sorayuchiさんを対岸から撮影。桜と人物を際立たせるため、緑の部分は暗く抑えています」。
GENIC VOL.58 【表現者が人を撮る理由】
Edit: Yuka Higuchi
GENIC VOL.59
特集は「だから、人を撮る」。
最も身近にして最も難しい、変化する被写体「人」。撮り手と被写体の化学反応が、思ってもないシーンを生み出し、二度と撮れないそのときだけの一枚になる。かけがえのない一瞬を切り取るからこそ、“人"を撮った写真には、たくさんの想いが詰まっています。泣けて、笑えて、共感できる、たくさんの物語に出会ってください。普段、人を撮らない人も必ず人を撮りたくなる、人を撮る魅力に気づく、そんな特集を32ページ増でお届けします。