menu

福島県にプチ旅へ。第3回:潮風に誘われる「浜通り」

関東からアクセスのよい福島県は、思いつきでのサクッと旅や週末旅行に最適。しかも見どころが溢れるほどあり、短期間でも濃厚な体験ができる旅先です。
全国で3番目の広さを誇る福島県は、大きく3つのエリアに分かれています。
歴史が息づく絶景巡りをしたい「会津地方」、交通の要でグルメや温泉が豊富な「中通り」、太平洋に面しレジャー施設が充実している「浜通り」。全部を一度に回るのも、エリアを決めて出かけるのも、時間や目的に合わせてアレンジするのも、すべてが叶う旅好きには嬉しい地域です。
今回は、3エリアそれぞれの魅力を発見しに、プロトラベラーのAOIとChihiroが福島県へ。おすすめのスポットやグルメ、宿泊施設などを、エリアごとに3回にわたって紹介します。

  • 作成日:
目次

第3回:潮風に誘われる「浜通り」で大人の休日を

Photo:Chihiro

第3回は、福島県の太平洋側にある「浜通り」。温暖な気候が特徴で、リゾート感を存分に味わえる観光スポットが満載のエリアです。
美しい海の絶景が望めるスポットはもちろん、水族館やデイクルーズ、乗馬などのレジャーも充実。国宝のお寺や震災伝承施設、旬の魚介を楽しめる食事処も豊富で、アクティブ派の大人の旅にぴったり。オーシャンビューの天然温泉が付いたリゾートホテルが、旅の拠点におすすめです。

福島県で楽しむ週末旅。異なる魅力が溢れる会津・中通り・浜通り

東北最大級の水族館「アクアマリンふくしま」

Photo:Chihiro

太平洋に面した、いわき小名浜(おなはま)にある水族館「アクアマリンふくしま」。ガラス張りの建物が特徴的で、入る前からワクワクと期待が高まります。
テーマは、太平洋の黒潮と親潮が出あう福島の“潮目の海”。太陽の光が降りそそぐ館内では、熱帯アジアの自然や福島の海や川を再現した展示など、様々な体験を楽しめます。

Photo:AOI

三角トンネルが特徴的なメイン水槽「潮目の海」は、フォトスポットとしても注目されています。頭上を泳ぐカツオやマイワシ、カラスエイがキラキラと光り輝く様は幻想的な光景です。

Photo:Chihiro

色鮮やかな南の海を再現した「サンゴ礁の海」は、まるで海の中にいるかのよう。

Photo:AOI

Photo:Chihiro

「北の海の海獣・海鳥」ではベーリング海やオホーツク海に棲むトドやアザラシといった海獣と、ウミガラスやエトピリカといった鳥類を一緒に展示しています。ここでしか飼育していないクラカケアザラシは暑さに弱いため、冬から春までの期間しか見ることができません。
水族館の裏側を知ることができるバックヤードツアー(※)、裸足になって生き物に触れ合える「蛇の目ビーチ」などのアクティビティが。子どもが喜ぶ体験もできる、家族連れにもおすすめのスポットです。
※2022年2月現在コロナウイルス感染拡大防止のため休止中。ご来館の際はHPで確認ください。

アクアマリンふくしま 基本データ

<住所>福島県いわき市小名浜字辰巳町50
<TEL>0246-73-2525
<営業時間>
3月21日~11月30日 9:00~17:30 入館締切 16:30
12月1日~3月20日 9:00~17:00 入館締切 16:00
<休業日>年中無休
<駐車場>あり(無料 1,500台)

料金

大人 1,850円 年間パスポート 4,250円
小~高校生 900円 年間パスポート 2,100円
未就学児 無料

行き方・アクセス

<電車>JR常磐線「泉駅」から路線バス「イオンモールいわき小名浜」下車、徒歩で約5分
または「支所入口」下車、徒歩で約10分
<車>常磐自動車道「いわき湯本IC」から約20分
常磐自動車道「いわき勿来IC」から約30分

カモメと戯れる優雅なプチ船旅「小名浜デイクルーズ」

Photo:AOI

小名浜港(おなはまこう)の湾内を遊覧できる「小名浜デイクルーズ」。予約は不要です。
いわき・ら・ら・ミュウの敷地内にある乗り場から、約50分のプチ船旅へ出発。

Photo:Chihiro

高級感漂う船内からは、小名浜港の様々な景色を楽しんで。船上から見える景色についてのガイドアナウンスがあるので、小名浜港の埠頭の仕組みを知ることもできます。

Photo:AOI

名物は、カモメやウミネコの餌付け。エサは船内1階で買うことができます。
遠目にはカモメかウミネコか判別するのは難しいですが、間近で見るとクチバシの色や顔付きが違います。もっとも分かりやすい判別方法は鳴き声。眼光鋭いウミネコは、その名のとおりニャーニャ―と猫のように鳴きます。エサをあげようとすると、すぐ目の前を飛んできてくれるので、カモメとウミネコの違いを観察できるチャンスです。

小浜名クルーズ 基本データ

<住所>福島県いわき市小名浜字辰巳町43-1 いわき・ら・ら・ミュウ1F
<TEL>0246-38-4197
<営業時間>9:00~18:00(1日3便程度の運行)
<休業日>水曜日
<駐車場>あり(いわき・ら・ら・ミュウ大駐車場 430台)

料金

大人 1,500円
学生 1,000円
小学生以下 500円
未就学児 大人1名に対し2名まで無料

行き方・アクセス

<電車>JR常磐線「泉駅」から路線バス「イオンモールいわき小名浜」下車、徒歩で約2分
<車>常磐自動車道「いわき湯本IC」から約20分
「いわき勿来IC」から約25分

旬の海鮮を贅沢に味わえる「いわき・ら・ら・ミュウ」

Photo:AOI

アクアマリンふくしまの近くにある「いわき・ら・ら・ミュウ」は、新鮮な魚介類市場や、レストラン、お土産屋さんが並ぶ総合施設。
いい匂いを漂わせる海鮮バーベキューや海鮮丼など、どこもかしこも美味しそうで目移りします。小名浜で水揚げされた新鮮な海産物を味わうなら、1階にあるお食事処「さかな処 まさ常」がおすすめ。旬の素材を使った魚料理のお店です。

Photo:AOI

Photo:AOI

新鮮で濃厚なウニといくらのハーモニーを堪能できる丼ぶりは、ウニの大きさと豪快なボリュームにびっくり。ごはん少なめのオーダーも可能です。
座敷の席からは港を一望できるので、店を出る頃にはお腹も心も満たされているはず。

いわき・ら・ら・ミュウ 基本データ

<住所>福島県いわき市小名浜字辰巳町43-1
<TEL>0246-92-3701
<営業時間>9:00~18:00
一部 10:00~18:00
<休業日>月1回程度不定期(HPで確認できます)
<駐車場>あり(430台)

行き方・アクセス

<電車>JR常磐線「泉駅」から路線バス「イオンモールいわき小名浜」下車、徒歩で約2分
<車>常磐自動車道「いわき湯本IC」から約20分
「いわき勿来IC」から約25分

三崎公園にある大迫力の絶景スポット「潮見台」

Photo:Chihiro

Photo:Chihiro

Photo:Chihiro

丘からせり出したところにある展望台「潮見台」は、格好の絶景スポット。「いわき・ら・ら・ミュウ」から車で5~10分ほどの三崎公園内にあります。公園内には、いわき市のシンボル的存在の「いわきマリンタワー」や、緑に囲まれた「ピクニックガーデン」など、遊びどころがいっぱいありますが、カメラ好きならこの潮見台へ。海に突き出した展望台の先端から見る迫力満点の太平洋も素敵ですが、なにより屋上から見る、空と海に向かってまっすぐ伸びるような展望台の姿が必見です。
潮見台からは、朝日や夕日、ライトアップされたマリンタワーを見ることもできます。

Photo:AOI

Photo:Chihiro

また、潮見台は建築デザインも個性的で、内部も見どころ、撮りどころが満載。螺旋状の階段や、階段の途中から見える海や空など、おしゃれでアートな写真撮影がはかどるスポットです。

三崎公園 基本データ

<住所>福島県いわき市小名浜下神白字大作93
<TEL>0246-53-2448(三崎公園管理事務所)
<駐車場>あり(563台)

料金

無料

行き方・アクセス

<電車>JR常磐線「泉駅」から車で約25分
<車>常磐自動車道「いわき湯本IC」から約25分

はじめてでもOK!烏崎海岸で「ホーストレッキング」

Photo:Chihiro

いわき市の北に位置する南相馬市は、馬が当たり前のように公道を歩く風景が見られることもあるほど、馬が生活の身近にある地域。甲冑に身をかためた武士が馬に乗って野原を駆け巡る「相馬野馬追(そうまのまおい)」という伝統行事もあり、馬術競技も盛んです。そんな南相馬市を訪れたなら、海を見ながらのホーストレッキングは欠かせない体験です。

Photo:Chihiro

Photo:Chihiro

実現できるのは烏崎海岸公園近くにある烏崎海岸。馬にゆったりと揺られながらビーチ沿いを散歩するという、夢のようなアクティビティです。もちろん初心者でもOK。
乗馬体験を提供する「Horse Value」では、海以外に、広い森の中を回るコースや、街をお散歩できるコースもあります。希望にあわせてチョイスして。
かしこい馬のエスコートとインストラクターのフォローがついているので、安心して体験できます。

Horse Value 基本データ

<住所>福島県南相馬市小高区本町1-87
予約はHPから(https://horsevalue.jp/reservetrekking/)

料金

海岸 15,000円/人(税込)
森林 11,000円/人(税込)

行き方・アクセス

海岸コース集合場所:烏崎海浜公園
<住所>福島県南相馬市鹿島区烏崎牛島256−2
<電車>JR常磐線「鹿島駅」から福島交通バスで「烏崎」停留所下車、徒歩で約7分
<車>常磐自動車道「南相馬IC」から約20分

津波の爪痕から学ぶ「震災遺構 浪江町立請戸小学校」

Photo:Chihiro

Photo:AOI

東日本大震災と原発事故の教訓を伝える場所として、2021年10月末に開館した「震災遺構 浪江町立請戸小学校(なみえちょうりつうけどしょうがっこう)」。
津波がどのように押し寄せたのか、荒れ果てた校内が生々しいほどリアルに伝えてくれます。

Photo:AOI

校内にいた児童と教員らは速やかに高台に避難したので、犠牲者は出ませんでした。
児童たちが使っていた、津波につぶされた勉強道具や勉強机、泥まみれの倒れたロッカーやひしゃげた時計などを見ると胸をしめつけられるような悲しみを感じます。それと同時に、復興を進める人々から希望と勇気をもらえるスポットです。

震災遺構 浪江町立請戸小学校 基本データ

<住所>福島県双葉郡浪江町大字請戸字持平56
<TEL>0240-34-0253(浪江町教育委員会事務局)
<営業時間>9:30~16:30(最終入館16時00分)
<休館日>毎週火曜日、祝日は開館し翌日休館
年末年始 12月28日~1月4日
<駐車場>あり(普通車20台)

料金

大人 300円
高校生 200円
小・中学生 100円

行き方・アクセス

<電車>JR常磐線「浪江駅」からタクシーで約15分
<車>常磐自動車道「浪江IC」から約25分

長居したくなる立ち寄りスポット「道の駅 なみえ」

Photo:Chihiro

Photo:Chihiro

浪江町の復興のシンボルとして、2021年にグランドオープンした「道の駅 なみえ」。充実したメニューのフードコートや新鮮な野菜や海産物の直売所「いろどり産直 いなほ」に加え、「ふくしま応援ポケモン」のラッキーをモチーフにした公園や、浪江町の地場産品の体験コーナーがあり、グルメもショッピングも遊びも体験もできるので、つい長居したくなるスポットです。

Photo:Chihiro

Photo:AOI

福島県浪江町の「請戸漁港(うけどぎょこう)」で水揚げされたばかりの新鮮な魚介類や、モチモチの極太麺と濃厚ソースが特徴のご当地グルメ“なみえ焼そば”を堪能できるほか、ラーメンにスムージー、デザートまで様々なグルメを楽しめます。中には、“なみえ焼そばパン”や“しらすソフト”などの変わり種も。
浪江町が誇る地場産品販売施設の「なみえの技・なりわい館」では、展示販売に加え、「大堀相馬焼」の陶芸体験や、「磐城壽(いわきことぶき)」のお酒の醸造工程見学、試飲などの体験が可能です。

道の駅 なみえ 基本データ

<住所>福島県双葉郡浪江町大字幾世橋字知命寺60
<TEL>0240-23-7121
<営業時間>10:00~18:00(店舗により異なります)
<休業日>毎月最終水曜日(「なみえの技・なりわい館」の「大堀相馬焼」のみ毎週水曜日)
<駐車場>あり(128台)

行き方・アクセス

<電車>JR常磐線「浪江駅」から徒歩で約15分
<車>常磐自動車道「浪江IC」から約10分

福島県唯一の国宝建造物「白水阿弥陀堂」

Photo:Chihiro

Photo:Chihiro

平安時代に建立された「白水阿弥陀堂(しらみずあみだどう)」。現存する阿弥陀堂建築は貴重なため、国宝に指定されています。
赤橋を渡ると真正面に、反りの入った曲線的な屋根が美しい阿弥陀堂が。中に入ると、国指定の重要文化財である阿弥陀三尊と持国・多聞天王が安置されています。
御堂の周囲には仏教における極楽浄土を模した庭園があり、春は梅や山桜、夏はアヤメや蓮の花、秋は紅葉、と季節の移り変わりを感じられる景色を楽しめます。

Photo:AOI

阿弥陀堂と調和した浄土式庭園は優美そのもの。池を泳ぐ鯉や水面を泳ぐ水鳥たちの姿も優雅で、心が洗われるような時を過ごせます。
特に紅葉のシーズンは、夜の静けさを感じながら、薄明かりにライトアップされた幻想的な庭園を眺めることができます。

白水阿弥陀堂 基本データ

<住所>福島県いわき市内郷白水町広畑221
<TEL>0246-26-7008
<営業時間>4月~10月 8:30~16:00(閉門)
11月~3月 8:30~15:30(閉門)
※拝観受付は閉門15分前まで
<休業日>毎月第4水曜日 他行事等(HPで確認)
<駐車場>あり(無料)

料金

大人 500円
子ども(小学生) 300円
未就学児 無料

行き方・アクセス

<電車>JR常磐線「いわき駅」から新常磐交通バス「あみだ堂」下車、徒歩で5分
<車>常磐自動車道「いわき湯本IC」から約15分

温泉付きの海沿いリゾート「小名浜オーシャンホテル&ゴルフクラブ」

Photo:Chihiro

Photo:AOI

太平洋に面した国定公園内に建つ「小名浜(おなはま)オーシャンホテル&ゴルフクラブ」は、オーシャンビューの絶景が自慢のリゾートホテルです。
スペイン調の優雅な趣をもつ客室では、眼下に広がる太平洋の波の音を聴きながら、日常からの解放を存分に感じられます。

Photo:Chihiro

Photo:AOI

渡り鳥“ウミウ”の生息地として、国の天然記念物に指定されている小さな「照島(てるしま)」が海に浮かんでいる姿を見るのもお忘れなく。この土地ならではの光景です。
広々とした大浴場と露天風呂も、このホテルのお楽しみの1つ。オーシャンビューのうえ天然温泉という、極上な空間で至福のひと時を過ごせます。
夜は、漁火や満天の星を見ながら入浴するという風情ある楽しみ方も。

Photo:AOI

夕食は、旬の素材を使った創作和食料理です。
冬季に宿泊したら、いわきの冬の味覚、あんこう鍋は外せません。
心身ともにリラックスできる温泉とコラーゲンたっぷりのお鍋の効果で、朝起きたらお肌がぷりぷりに。

Photo:AOI

お部屋やロビーで海から昇る朝日を見てから、朝食を楽しんで。
和食、洋食が選べるバイキングは、その日の気分次第でチョイスを。この土地ならではの海鮮づくしにしてもよし、がっつり食べたいならビーフカレーもおすすめです。
いわき市や小名浜を代表するスポット「アクアマリンふくしま」や「三崎公園」、「白水阿弥陀堂」へのアクセスも便利なので、旅の拠点としても優秀です。

小名浜オーシャンホテル&ゴルフクラブ基本データ

<住所>福島県いわき市泉町下川大畑17
<TEL>0246-56-3311
<駐車場>あり(200台)

行き方・アクセス

<電車>JR常磐線「泉駅」から南口ロータリー発着のシャトルバスで約15分
JR常磐線「泉駅」からタクシーで約15分
<車>常磐自動車道「いわき勿来IC」「いわき湯本IC」から約20分

海からの風を感じるリゾートエリア「浜通り」

関東からアクセスがよく、プチ旅や週末旅行におすすめの福島県。「会津地方」「中通り」「浜通り」の3つのエリアのうち、浜通りの魅力をお届けしました。

太平洋に面し、暖かな日差しに包まれる浜通りへ、アクティブで大人な休日を過ごしに出かけてみませんか?
震災から復興し、活気が戻ってきた福島への旅は、大きな気づきと希望を感じる、思い出深いものになるはずです。
「会津地方」「中通り」の魅力も、ぜひご覧ください。

「#これからふくしま」特設サイト

AOI

プロトラベラー/動画クリエイター
東京と高知を拠点に、旅とライフスタイルをカメラで表現するクリエイター。旅先や日常のワンシーンからインスピレーションを受け、独自の目線で切り取ったエモーショナルな作品を発信している。

AOI Instagram
AOI Twitter

Chihiro

プロトラベラー/街並みを散策しながらカワイイモノ・ヒト、文化に触れる旅行スタイルが好き。コーヒーとチルライフを愛する博多っ子。

Chihiro Instagram

福島県で楽しむ週末旅。異なる魅力が溢れる会津・中通り・浜通り

福島県にプチ旅へ。第1回:レトロが可愛い会津地方

福島県にプチ旅へ。第2回:ロマン溢れる「中通り」

次の記事