プロフィール
文月ふみ
写真家 北海道在住。北海道の自然の美しさや、日々の隣に流れるささやかな時間を大切に作品づくりを続ける。人の想いにフォーカスをあてたフィルムカメラによるプロジェクト“想いの在り処(ありか)”/音楽レーベルsi-kiを主軸に活動。世界観を重視した商品撮影・地域のストーリーツアーへの同行撮影・小冊子や音楽アルバムのビジュアル制作にも携わっている。
愛用カメラ:PENTAX 67、Hasselblad 501C、FUJIFILM GFX 50R
愛用レンズ:SMC Takumar 6×7 105mm F2.4、Carl Zeiss Planar 80mm F2.8、Super-Takumar 55mm F1.8
夕暮れや夜明けをブローニーフィルムで大切に撮る
じっくり被写体と向き合うことは、自分の心を整える時間にもつながる
「撮影のために友人と夜明けに出かけたある日、空に細い月と金星が並んでいました。その様子のあまりの美しさに心を奪われ、それから夜明けの風景を中心に撮影するようになりました。ブローニーフィルムはコストもかかりますが、特有の豊かな階調や質感で、夕暮れや夜明けの空に広がる繊細な色のグラデーションを目で見たままの印象で残してくれます。また、小さな灯りやキャンドルを取り入れることも好きです。非日常的でどこか幻想的な雰囲気が生まれ、自分が描きたい“物語のような光景”に近づけることができるからです。慌ただしい日々を過ごしていると、自分にとって本当に大切なことを忘れてしまいがちですが、静かな風景の中でファインダーを覗き、じっくり被写体と向き合うことは、心を整えることにもつながっています。普段寝ている時間に、こんなにも美しい光景が広がっていること、静けさや暗闇の中にもささやかな光があること、そっとキャンドルを灯してぼんやりと目の前の風景を眺める時間に心が救われたりもします。心穏やかでいられる時間は、私にとって何より大切。これから先も、世界が静かで穏やかであって欲しいという願いを込めて写真を撮り続けたいし、私たちはフィルムで写真を残せる最後の世代かもしれないので、フィルム文化が1日でも長く続くよう、その魅力を伝えていけたらと思っています」。
GENIC vol.75 【これが私の“最旬好き”表現 写真を愛する15名のクリエイターが今ハマっていること】
Edit:Megumi Toyosawa
GENIC vol.75
2025年7月号のテーマは「I love photography ただ、写真が好きで」。
写真は移ろいゆく季節に目を向けることを教えてくれた。
写真は心の奥にしまい込んでいた自分の感情に気づかせてくれた。
写真は自分らしく生きていいよと励ましてくれた。
写真はかけがえのない仲間と巡り会わせてくれた。
写真は素晴らしい世界の見方を示してくれた。
写真から、たくさんのものをもらってきた。
だから、好きな理由はひとつじゃない。