Azusa Adachi
フリーランスフォトグラファー、ビデオグラファー 1987年生まれ、京都府出身。26歳で上京。駒沢公園でスケートに出会い、自身の周りにいるガールズスケーターを撮影していくうちに、彼女たちの魅力とストリートカルチャーのパワーに惹かれ、Webサイト『SKATE GIRLS SNAP』を仲間と設立。東京を拠点に全国各地でスケートをしながら、その地にいるガールズスケーターを撮影し、発信している。
愛用カメラ:Sony α7 Ⅲ、Sony α7S Ⅱ、Leica M6
愛用レンズ:Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS、TTArtisan L11mm/f2.8 Fisheye、LEICA SUMMICRON-M f2.0/50mm
Capturing girl skaters 「Just the way they are.」
街中で出会うことが珍しいガールズスケーターを撮れることが喜び
「スケートイベントのあと、家路に着く前に駅前でその日のイベントの感想をシェアしたり、近況を話したり」。
10代の頃からカメラ好きの父親のフィルムカメラで、友達や身近なものをひたすら撮っていたというAzusaさん。「ストリートカルチャーシーンで撮影を始めたのは、自分がスケートをしている中で自然と周りのガールズスケーターを撮るようになったのがきっかけ。一眼レフやミラーレスカメラなど、知識が必要なフィルムカメラで撮った写真を、とても喜んでくれたのが純粋に嬉しかったんです。そうしているうちに、日本では女性のスケートシーンを女性が撮影する現場がないと気づきました。こんなに素敵な世界があるのにもったいない。だったら私が撮って発信してみよう。と思うようになりました」。
「コロナで閉鎖していた駒沢公園のパークがやっとオープンした日。いつもの風景と友達の笑顔がいちばん好きです」。
「関西からスケート遠征に来たガールズスケーター。ひとりのがんばる姿を全員総出で応援。ついにやり遂げた喜び爆発の瞬間」。
現代の女の子のストリートカルチャーを象徴する姿を記録したい
「東京、上野近辺。週末の夜になるとこのスポットにはたくさんのスケーターが集まってくる。その中で数少ない女の子たちも、負けじとトライ」。
「千葉県柏市の森の中にあるスケートパークで。左から右へ、友達越しにバンク(坂)をターンしている瞬間。『いけるかな。やってみるね』と笑いながらスケートで突撃していく」。
「名古屋にて、ストリートスポットを探して街を移動しているときに見つけた映えスポット。お気に入りのポジションを探して」。
「小金井にある公園にて。何回も転ぶけど、何回も挑戦する。できそうでできないこの時間がいちばんワクワクする」。
Azusaさんが撮る作品のテーマは、「スケーターの繰り出すスキルに一番魅せられる画角を試行錯誤し、その瞬間を写真に収める“スタイルの追求”と、シンプルにガールズスケーターの“そのまんまの姿を撮る”というふたつ」。
「スケートをするために常にいろんな人といろんなところへ行って、いろんな人に出会うので、撮りたいと思う瞬間はサッカーのゴールシーンのごとく、突然やってきます。その瞬間が来そうな気配がしたときは、カメラを構えてじっと観察。また、日常そのままの姿を撮るためにいつもカメラを持ち歩き、目の前で偶然起こる出来事やおもしろいと感じた風景を見逃さないようにしています。それは、ガールズスケーターの存在そのものを面白いと感じているから。彼女たちの持っているデッキや、ファッションから溢れ出るその子の人間像が、スケーターはとくに強く出ていると思うんです。現代の女の子のストリートカルチャーを象徴する姿を写真に記録することに、楽しみや喜びを感じています」。
GENIC vol.63 【街の被写体、それぞれの視点】
Edit:Izumi Hashimoto
GENIC vol.63
GENIC7月号のテーマは「Street Photography」。
ただの一瞬だって同じシーンはやってこない。切り取るのは瞬間の物語。人々の息吹を感じる雑踏、昨日の余韻が薫る路地、光と影が落としたアート、行き交う人が生み出すドラマ…。想像力を掻き立てるストリートフォトグラフィーと、撮り手の想いをお届けします。