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「わたしの世界を変えたモノ」はまさに君だった。新しくて懐かしい匂いのするカメラZ fcのこと

Z fcと目が合ったときに、わたしはまず「あ、これは困ったな」と思った。それは ”こんなキュートな外見してたら、何処にでも連れていきたくなってしまうじゃないの “ というにんまりした困ったと、” 今までのZシリーズからこんなにも潔いイメチェンを決めたこの子の目に何を写してあげたら良いのだろう “ という文字通り、困惑の方の困った、の2種類の感情だった。

この記事はNikonから発売されたキュートなカメラ「Z fc」のレビューが主なのだけれど、同時にわたし、写真家の古性のち自身の新しい表現に挑戦をした記録でもあります。

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キュートなフォルムのカメラ「Z fc」がやってきた

「撮っている時間も持っている時間も楽しい、自分らしさが表現できるミラーレスカメラ」として世の中にZ fcというカメラがNikonのZシリーズから誕生した。

このカメラがフォトグラファー界隈を中心に話題になった理由は、懐かしい旧Nikonのロゴと、これまた懐かしいフィルムカメラを想起させるキュートな姿のにあるのだろう。

普段わたしは同じZシリーズの「Z 6II」というフルサイズカメラを使っている。

「わたしが生きるこの星は、とても美しい」ことを改めて意識させてくれるカメラ、Z 6IIのこと

NikonのZシリーズはどれも外見ががっしりしているから、全然異なる姿のZ fcを「同じシリーズなんですよ」と出されたときは、全然ピンとこなかった。

だけど触ると確かにこれはいつも触っている、Z 6IIの匂いがする。
いつも使っているZレンズも、この子に付けられるらしい。

懐かしさと新しさ。その両面を兼ね備えたカメラが、わたしの手元にやってきた。

「Z fcで普段撮らない、ポートレートを撮ろう」と決めたのは、この子のコンセプトが「わたしの世界を変えたモノ」だったから。

今までずっと風景や日々の何気ないものばかりにシャッターを切ってきた。だからこそ、人を撮ることにあえて挑戦してみようと思った。この子と一緒に「わたしの新しい世界」を見に行きたかったのだ。

安心して目の前の景色に没頭できる理由は、Z fcが「Zシリーズ」だから

「柔らかい光が差す寝起きの部屋」使用レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 焦点距離:16.0mm 絞り:F/3.5 SS:1/1000秒 ISO感度:160

当日のお天気は曇り。今日初対面の女の子を、少し薄暗く光が入る部屋で待つ。

手の中にあるのは、いつもとは違う見慣れない新しいカメラ。きちんと撮れるのかな...と途端に不安になって、Z fcを覗いてみるとちゃんと向こう側には、Z 6IIを見ていつも覗いているのと同じ、綺麗な世界が広がっていた。その途端に「ああ、このカメラも間違いないのだな」と安心感が生まれた。

見た目は違うけれど、やっぱり確かにこれは、いつも変わらず側に居てくれるZシリーズだ。

「はじめましての彼女との撮影は鏡越しから」使用レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 焦点距離:31.5mm 絞り:F/5.0 SS:1/8秒 ISO感度:400

「ベランダで風を受けるスターチスたち」使用レンズ:NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 焦点距離:75mm相当(35mm換算) 絞り:F/3.2 SS:1/2000秒 ISO感度:200

「よく見ると不思議な距離感に在る花と彼女」使用レンズ:NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 焦点距離:75mm相当(35mm換算) 絞り:F/3.2 SS:1/30秒 ISO感度:400

「メイクは1日を始めるための恒例儀式」使用レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 焦点距離:23.0mm 絞り:F/4.2 SS:1/15秒 ISO感度:1000

「多重露光が魅せる世界」使用レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 焦点距離:50.0mm 絞り:F/6.3 SS:1/1000秒 ISO感度:1000

カチカチっとダイヤルを回しながらF値やISOを合わせ、彼女に向かって丁寧にシャッターを切っていく。普段使っているZ 6IIとは違う設定の仕方なので最初は戸惑っていたけれど「アナログでひとつひとつ作り上げていく」感覚は写真の手触りをとてもリアルに感じる気がしてで、ちょっとピントが甘くなった写真も「自分が一から作ったものなのだ」と思うと許せてしまうくらい愛おしい。

その瞬間の気持ちや空気感を表現する、色の魔法をかけてくれる

「瀬戸内の海はいつもおだやかに凪ぐ」使用レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 焦点距離:50.0mm 絞り:F/6.3 SS:1/1000秒 ISO感度:320

Z fcの中には「クリエイティブピクチャーコントロール」という機能があって、気分にあわせて色を着替えることができる。わたしのお気に入りは寂しげな色の「ブルー」と、ノスタルジックな色の「ソンバー」 。

「歯磨きは考えごとに最適な時間」使用レンズ:NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 焦点距離:75mm相当(35mm換算) 絞り:F/2.8 SS:1/60秒 ISO感度:800

クリエイティブピクチャーコントロール:ブルー 適用度50%

下は上の写真に、後からクリエイティブピクチャーコントロールを使って「ブルー」をのせたもの。この日は曇りだったこともあって、しっとりした気分によく似合う。
こうやって、Z fcはその時の気分やお天気に合わせて色の魔法をかけてくれる。

「真っ赤な爪とブルーのコントラスト」使用レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 焦点距離:47.0mm 絞り:F/6.0 SS:1/15秒 ISO感度:800

「花はドライになるとまた違う魅力を発揮してくれる」使用レンズ:NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 焦点距離:75mm相当(35mm換算) 絞り:F/3.3 SS:1/60秒 ISO感度:800

「しっとり降り注ぐ光と影」使用レンズ:NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 焦点距離:75mm相当(35mm換算) 絞り:F/3.2 SS:1/15秒 ISO感度:800

ちいさくて軽いから、お散歩の足取りも軽やかに

「夏のはじまり、散りはじめた紫陽花の花びら」使用レンズ:NIKKOR Z 28mm f/2.8 焦点距離:42mm相当(35mm換算) 絞り:F/2.8 SS:1/1000秒 ISO感度:160

ところで、わたしは体力が人一倍ない。1時間も外を歩きながら撮影していると、肩に段々と食い込んでくるカメラの重さが気になって集中できなくなってきてしまう。レンズも数種類持っていきたくなくなってしまうし、挙げ句の果て「もういいや」と撮影を断念してしまうこともある(ダメですね)。

だからZ fcを外に連れ出すときも心配していたのだけれど、あまりの軽さに、これってバッテリー入ってる!?と何度も何度も心配になって確認してしまった。まさにこれは「持っている時間も楽しい」カメラだなあとしみじみ思った。

「いつもの道、見慣れた景色」使用レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 焦点距離:50.0mm 絞り:F/6.3 SS:1/2000秒 ISO感度:320

「自然が生み出す模様」使用レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 焦点距離:50.0mm 絞り:F/14.0 SS:1/15秒 ISO感度:200

「キラキラ光る初夏の緑」使用レンズ:NIKKOR Z 28mm f/2.8 焦点距離:42mm相当(35mm換算) 絞り:F/2.8 SS:1/100秒 ISO感度160

「このまま緑と溶け合ってしまいそうな1枚を多重露光と瞳AFの機能を合わせてパシャリ」使用レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 焦点距離:27.5 mm 絞り:F/4.5 SS:1/125秒 ISO感度:100

「曇りの空もまた味があって好き」使用レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 焦点距離:50.0 mm 絞り:F/6.3 SS:1/4000秒 ISO感度:400

「生き物のような雲とパリッとした建物」使用レンズ:NIKKOR Z 28mm f/2.8 焦点距離:42mm相当(35mm換算) 絞り:F/6.3 SS:1/2000秒 ISO感度:160

わたし多分、このカメラとなら何時間だって一緒に楽しいお散歩ができる気がする。

バリアングルモニターが、いつも見つめている日々の世界を少しだけ変えてくれる

「アメリみたいなドラマチックな写真を撮りたくて」使用レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 焦点距離:21.0mm 絞り:F/5.0 SS:1/15秒 ISO感度:2000

お散歩を終えた彼女が、今日の撮影で使ったクッキーとお花を、おもむろに交互に机に並べはじめた。「なんだかアメリみたい」とはしゃいで、わたしもシャッターを切る。

上下や左右に自由自在に回る、バリアングルモニターをくるくるさせながら、自由に遊ぶ彼女を追う。

「この後クッキーはすべて彼女のお腹の中へ」使用レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 焦点距離:21.0mm 絞り:F/5.0 SS:1/15 秒 ISO感度:2000

「伸びる影 1日がおやすみに向かっていく」使用レンズ:NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 焦点距離:75mm相当(35mm換算) 絞り:F/4.5 SS:1/125秒 ISO感度:1600

「日々で一番好きな時間」使用レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 焦点距離:41.0mm 絞り:F/6.3 SS:1/125秒 ISO感度:2000

「島へ向かう船はいつ見てもわくわくする」使用レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 焦点距離:50.0mm 絞り:F/9.0 SS:1/60秒 ISO感度:100

「気持ちよく流れていく雲に手をのばして」使用レンズ:NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 焦点距離:75mm相当(35mm換算) 絞り:F/5.0 SS:1/4000秒 ISO感度:2000

「屋上がある人生っていいね」使用レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 焦点距離:35.0mm 絞り:F/5.3 SS:1/4000秒 ISO感度:2000

「空が飛びたい花だっているかもしれない」使用レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 焦点距離:28.0mm 絞り:F/5.0 SS:1/4000秒 ISO感度:1250

「床に置いた花ってなんだか憂いを感じる」使用レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 焦点距離:44.0mm 絞り:F/9.0 SS:1/60秒 ISO感度:100

いつもと違う目線で見る世界って、なんて新鮮なのだろうか。

「わたしの世界を変えたモノ」はまさにこのカメラだ

「暮れていく空に切るシャッター」使用レンズ:NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 焦点距離:75mm相当(35mm換算) 絞り:F/5.0 SS:1/4000秒 ISO感度:2000

「Z fcで普段撮らない、ポートレートを撮ろう」。そんなテーマで始まったわたしとZ fcの初めましての作品は、もしかしたら完璧ではないかもしれない。「もっとこう撮りたかったな」とか「この機能使ってあげればよかったな」とか、色々振り返ると、悔やむこともある。

だけれどもしかしたらこの先のわたしの写真人生、Z fcがなければ、ポートレートを撮ってみようだなんて思わなかったかもしれない。

Z fcが新しい世界に連れ出してくれた。
まさに「わたしの世界を変えたモノ」はこのZ fcだ。

「付かず離れず。いつもこの距離感を保ってる」使用レンズ:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 焦点距離:50.0mm 絞り:F/14.0 SS:1/6秒 ISO感度:500

最後に、Z fcが気になった方へ。
購入時、16-50mm または 28mmのレンズキットが選べるので迷ってしまうかもしれない。わたしはどちらもオススメだけれど、すでにZ機を持っている方であればどちらのレンズでも使えるので、自分の手持ちのレンズと相談しながら選んであげるのが良いかもしれない。


ぜひ1人でも多くの人が、このカメラと一緒に新しい自分を探しにいけますように。

それでは。

古性のち

1989年横浜生まれ。世界中を旅しながら「写真と言葉」を組み合わせた作品を作るフォトグラファー / BRIGHTLOGG,INCの取締役。飾らない日々をドラマチックに表現することが好き。

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撮っている時間も持っている時間も楽しいZ fc

人気のNikon Zシリーズから、伝説的なフィルムカメラ「ニコン FM2」にインスパイアされたクラシカルデザインがかわいいミラーレスカメラZ fcが7月23日に新発売。Z fcが生み出す独自の世界観に合わせ、特別なデザインを施した2種類のレンズキットで登場です。

静止画にも動画にも使える、人物、犬・猫の瞳を検出し瞬時にピントを合わせる瞳AF・動物AFや、20種類のクリエイティブピクチャーコントロールなど、Zシリーズで人気の機能はそのままに。新しく、セルフィー撮影時にも心強いバリアングルモニターを採用。バッグに入れても気にならない小型軽量なのも嬉しいポイントです。また、専用アプリ「SnapBridge」を使えば静止画と動画をWi-FiまたはBluetooth経由で転送できるだけでなく、スマートフォンをリモコン代わりに遠隔撮影をすることもできます。

Z fc 16-50 VR SL レンズキット

約135gの小型・軽量ボディーで気軽に持ち歩ける、使いやすい標準ズームレンズ。風景・スナップ、ポートレートからテーブルフォトまで幅広いシーンがカバーできます。Z fcのボディーと同じシルバー仕様。
2021年7月23日発売。

Z fc 28mm f/2.8 Special Edition キット

手軽にボケを楽しめる小型・軽量の単焦点レンズは、「ニコン FM2」発売当時のマニュアルレンズにインスパイアされたヘリテージデザイン。フルサイズにも対応しているレンズです。
2021年10月1日発売予定。

Nikon WEB

マイクロレンズならではの写真表現を手軽に楽しめるNIKKOR Z MC 50mm f/2.8

お花のクローズアップやテーブルフォト、焦点距離50mmの画角を活かしたスナップ、ポートレート、風景まで、日常の幅広いシーンで活躍できる小型軽量のマイクロレンズ。Zマウントだからこその優れた描写力が魅力。

Nikon WEB

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