フルサイズミラーレスカメラが、人生にやってきた時のこと
これまで「フルサイズ」と聞くと、正直尻込みしていた。なんだか、特別に修行を重ねたプロフェッショナルたちだけが持つことを許されたアイテムのように思っていたからだ。
今年でカメラがわたしの生活の中にやってきてから8年になるけれど、今も昔もカメラは「仕事道具」ではなく「何気ない日々の愛しいものを切り取り、保存していくツール」で。道端に咲いている花を可愛いと感じたり、澄んでいる空に向かってシャッターを切ったりしながら人生を一緒に歩んでいる。
そんな風なラフな付き合いをしているものだから「フルサイズのカメラを持とう」だなんて考えたこともなかった。
だからひょんなきっかけで生活にフルサイズミラーレスカメラZ6がやってきた時、とてもとてもドキドキした。一体何にシャッターを切ったら良いのやら、散々迷ったあげく、部屋のあらゆる宝物を集め「これが今のわたしを構成しているものです」とカメラにごあいさつ代わりに撮らせてもらったのが、フルサイズカメラとの最初の一歩だった。
そこから2台目のフルサイズカメラ、Z6IIとも付き合うようになって、当たり前のようにフルサイズカメラと一緒にいることが多くなった。
これは「特別な人の為のカメラ」ではなく「日々を特別に思いたい人の為の魔法の道具」
最初は恐る恐る付き合っていたけれど、カメラを構えていると「すごく立派なカメラねえ。カメラマンさん?」と声をかけられたり、「綺麗な写真!」と喜んでもらったりしているうちに、なんだかわたしもカメラも、お互いがお互いの存在に徐々に慣れてきたような、そんな感覚があって、気づけば家の近所やオフィス、旅先にも、ふらりと連れていくようになった。
ある日ファインダーをのぞいた時、「いやあ、地球って美しいね」と何気なく声に出してハッとした。
ああ、これはきっと特別な人の為のカメラではなく、日々を大切に、自分たちが生きているこの星を特別に思っていたい人の為のカメラなのだと。
その捉え方がわたしの中にしっくりと落ちてきて、やっとフルサイズが自分の中の一部になって。ああ、もう大丈夫だな、一緒に歩いていけそうだな、と思った。
わたしがZ 6IIを愛する理由
大好きな猫をいちばん愛しい姿で写してくれるところ
猫がたまらなく大好きなので、旅先や日々どんな時でも猫を追いかけてしまう。よく動く姿(それが愛しい)をとらえるのは難しいのだけれど、Z 6IIはカメラが瞳を自動で検出してフォーカスを合わせてくれるのだ。
この子は島で出会ったのら猫だけれど、家に帰って我が家の猫たちでも試してみた。愛猫をいちばん美しい姿で保存できる幸せったらたまらない。動画を撮る際も瞳AFが適用されるところが嬉しいポイント。
1日一緒にお散歩をしても、バッテリーが持つところ
お散歩になると楽しくなってしまって、1日何度も電源を入れたり切ったりしながら、何百枚も撮ってしまう。今まではバッテリーを2個持って出かけることが多かったのだけれど、Z 6IIは夜まで1個で頑張ってくれる。
岡山県や長野県を一緒に旅した時も、1日1個のバッテリーで十分にフォトウォークができた。嬉しかったなあ。
タイムラプスの動画をカメラ内で自動作成してくれるところ
先日ものすごく綺麗な景色に出会ったので、タイムラプス動画(何百枚の写真をつなげてパラパラめくる動画のようなもの)を作ってみたくなった。
今までは帰ってからパソコンに取り込んで、写真をつなげて....と手動で作っていたのだけれど、Z 6IIはその場ですぐにカメラが動画を作ってくれる。「ほらみて、こうなるんだよ」と周りの人と盛り上がれるのも楽しかったし、帰り道嬉しくなってにやにや何度も何度も再生してしまった。同時に静止画も生成されるから、写真としても楽しめるのが魅力的だ。
のぞいた瞬間に「ああ美しい!」と感動をくれるところ
とにかくファインダーをのぞいた時点で美しい。あまりにも美しいので、毎回実物とファインダー越しを何度も見比べてしまう。
ああ、世界は綺麗だな、地球はすごいな、とうっとりできる時間を、どうしても感動が少なくなってしまう都会で日々に持つことができるって、とてつもない財産だと思う。
初めて夜時間を美しいと思わせてくれたところ
今まで設定が面倒だったし、なんだか綺麗に写せた経験が少なかったから、夜の写真って積極的に撮ってこなかったのだけれど、Z 6IIで夜を撮るようになって、あまりの明るさに驚いた。「え?これって本当に今?昼写真みたい!」と驚かれたことも多々ある。
夕方と夜の淡い時間も、どっぷりと浸かった真夜中の時間も、それはそれは綺麗に写してくれる。夜に写真を撮ることの楽しさを教えてくれたのは、紛れもなくこのカメラ。
もう一度、わたしの世界に色を塗ってくれたZ 6IIへ
2020年は、人生の転換期だった。世界も、わたしの生活も変わって、大きな出来事もあって。何だか人生から色が消えかけてしまったみたいな日々が続いて、しばらくカメラを構えることも忘れていた。
それを思い出させてくれた。というか、一緒にもう一度世界に色を塗り直す手助けをしてくれたのが、間違いなくこのカメラだったと思う。
ちょっと大袈裟かもしれないけれど、多分本当にそうなのだ。
もちろん欠点もある。なんたってフルサイズのカメラは重い。最初に手にした時に「これは旅に持っていけないだろう...」だなんて思っていた。
でもそんな重さと天秤にかけた時に「それでも連れていきたい!」と思える魅力を見つけてしまってからは、重さなんて気にならなくなった。
むしろわたしがもっと鍛えて、ふさわしい女性になるね。頑張る。
長いラブレターみたいになってしまったけれど。
ありがとう。これからもどうぞよろしくね。
これからも一緒に、何気ない日々を特別な形で残していこうね。
古性のち
1989年横浜生まれ。世界中を旅しながら「写真と言葉」を組み合わせた作品を作るフォトグラファー / BRIGHTLOGG,INC 取締役。写真を通じ⽇々に⼼を寄せる⼈々が集うオンラインコミュニティ 「.colony」を主宰。世界の青を集めるのが好き。
【編集部よりお知らせ】伊佐知美×古性のち Z 6II SPECIAL TALK
いち早くZ 6IIを体験した伊佐知美さんと古性のちさんが、Z 6IIで撮影した作品とともに、体験秘話を対談でお届けします。
撮影者に寄り添う進化したフルサイズミラーレスZ 6II
人気のNikon ZシリーズからフルサイズミラーレスカメラZ 6IIが11月6日に新発売。
圧倒的な高画質に加え、動画撮影でも瞳AF・動物AFが可能に。さらにCFexpress/XQDカードとSDカードの両方が使えるダブルスロットにUSB給電もできるようになり、長時間の撮影でも安心。使い勝手がより進化しストレスフリーに撮影を楽しめるZ 6IIは、撮影者に寄り添ってくれる一台です。