wacamera「湖にふわりと浮かぶ不思議な瞬間」
見る人に何かを想像させる、物語のある一枚を目指して
「琵琶湖の波と風を受けて、女の子が浮かび上がる瞬間を作り上げました。いかに脱力した瞬間を捉えるかがポイントでテイク3までがんばり、モデルさんのおかげで無事に私の思い通りの撮影が叶いました。種明かしは内緒ですが、実はトリックを用いた浮遊写真なので、手品のように見てもらえたら嬉しいです」。
wacamera
フォトグラファー 1978年生まれ、東京都出身。我が子の姿を残すためにデジタル一眼レフを購入し、その後、大手広告会社を退社してフォトグラファーに転身。「旅女子カメラの旅する写真教室」を活動中(SNS にて問い合わせ受付中)。
愛用カメラ:Sony α 7 Ⅲ、Nikon D800E、PENTAX K1 Mark Ⅱ、RICOH GR Ⅲ、ドローンなど。愛用レンズ:Sony Distagon T* FE 35mm F1.4、Sony FE135mm F1.8 GM。
高橋伸哉「海と浜辺と、小さな二人の影」
二人の伸びる影が、自然の雄大さを強調
「高台から撮ったポルトガルのナザレの海岸。海と浜辺の対比に、夕日に染められた暖色の砂。この時点で写真としては完成しているが、たまたま海際を歩く二人の姿が見えた。小さな二人とその伸びる影で自然の雄大さがより強調された、まさに"おいしい"瞬間。夕日に照らされる砂浜の陰影を意識して、露出をアンダーに撮影。海と砂を同じ割合にするのではなく、砂浜の面積の大きさで壮大さを演出したあたりも、こだわりです」。
高橋伸哉
写真作家 1972年、兵庫県出身。アイスランド一周の旅をきっかけに、会社員を卒業してフリーランスの写真作家に転向。企業CM 撮影や写真教室、執筆活動など多岐にわたり活動中。著書『写真からドラマを生み出すにはどう撮るのか?写真家の視線』(インプレス)が発売中。
愛用カメラ:Sony α 7R Ⅲ、FUJIFILM X-Pro3、Hasselblad。愛用レンズ:ZEISS Batis 40mm、FUJIFILM XF23mm、Sony 24mmGM。
阿久津ゆりえ「大好きな人の愛おしい表情」
特に何かが起こっているわけではないけれど、心が惹かれる一枚を撮りたい
「カメラを向けると、いつも変な顔しか撮らせてくれない姪っ子ちゃん。この日も睨みをきかせたり、大暴れしてなかなか撮らせてくれなかったのですが、いきなり抱きついてきたので慌てて撮影」。
「大好きなおじいちゃんと一緒に、テレビを観ていたとき。気がついたら、座ったままおじいちゃんが寝ていました。起こさないようにそーっとカメラを取りに行き、こっそり撮った一枚」。
阿久津ゆりえ
モデル 1988年生まれ、群馬県出身。CMや広告、雑誌などで幅広く活躍。フィルムカメラ好きとしても知られ、SNSにアップするふとした日常を切り取った写真にもファンが多い。「自然に人が動いている瞬間や風景の写真を撮るよう心掛けています」。
愛用カメラ:OLYMPUS XA2、Konica C35。
Akine Coco「アニメのような不思議空間」
シュールさを効かせて、ミニマルな風景を追求
「かくれんぼするワンコ。どんなに隠れても、可愛いあんよが見えてるよ。奥の暗がりに伸びていく影や、犬の表情が見えないミステリアスな部分にシュールさを感じます」。
「あなたは誰? 雪に映る自分の影を見つめる猫ちゃん。上下反転させることで、影が本体のような不思議な写真になりました」。
「カーブミラーの中に、世界を閉じ込めて。陸地、道、建物、山、空、雲…と、風景を構成する重要なものを、小さな空間に詰め込むことができた一枚」。
Akine Coco
会社員 福井県出身。写真を本格的に始めて2ヶ月後の2019年夏にTwitter アカウントを開設し、わずか1年でフォロワー数が11万人を超える。写真作品集『アニメのワンシーンのように。』(芸術新聞社)が好評発売中。
愛用カメラ:Sony α7R Ⅲ。愛用レンズ:Sony FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS。
GENIC VOL.58 【クリエイターの目に移った特別なたき。My Best「おいしい瞬間」】
Edit:Satoko Takeda
GENIC VOL.58
テーマは「おいしい写真」。
口福を感じる料理やスイーツとの出会い、オリジナリティ溢れるフードの創作、こんなシーンには二度とお目にかかれないかもと思った瞬間。様々な表現者たちが繰り広げる “おいしい” の世界を召し上がれ。