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プロフィール
安川結子
写真家 1987年生まれ、福島県出身、東京都在住。東京工芸大学写真学科を卒業後、スタジオエビスに入社。2013年より小浪次郎氏に師事し、2016年に独立。
愛用カメラ:Nikon FM3A、CONTAX T3
Graphical Perspective on the street.
誰もが同じライン上で撮ることができるものに気づき、想像し、敬意をもつ。
あえて内面的な部分から距離を置き、グラフィカルに切り取ることを意識している。
“穏やかさ・静かさ”、“直感的・衝動的な瞬間性”の両面を出せたら。
「小学生のころにカメラのCMに憧れて、お年玉でコンパクトフィルムカメラを買ったことが、写真をはじめるきっかけでした。そのときはフィルムや現像代が高くてすぐに断念したのですが、高校生になったころ『自分がいなくなったあとも見てきたものを残しておきたい』という気持ちが強くなり、使い切りカメラや携帯でなんでもかんでも撮影して記録を残すようになりました。いまだにその癖が続いている気がします。普段は自分の生活の中にあるものや身近な存在を撮ることが多いのですが、大学で写真学科に進み、課題で日常的にカメラを持ち歩くようになったことをきっかけに、ストリートフォトグラフィーを撮りはじめました。生活の中で撮る写真では、ふとした風景に残る人の生活の痕跡や、植物や虫が持つ穏やかな生命力など、より内面的なものへと意識が向きます。一方ストリートでは、建築物や光と影が生み出すグラフィカルな要素や、その瞬間だけの偶然の出会いに惹かれ、どちらかといえば感情から少し距離を置きながら撮影しています。作品を構成するときには、その両面を行き来しながら、自分なりの視点や距離感を出せたらと思っています」。
それは自分のものではない、という感覚を忘れない
「ここに掲載した写真は、誰でもいける場所で撮影した、なんでもない日の記録です。私にとってストリートフォトグラフィーとは、特別な場所にいかなくても、日常のなかで、誰もが同じライン上で撮ることができるもの。そしてそれを自分なりの気づきで切り取り、残す行為です。残された写真は自分の作品になりますが、写っている風景や存在はもともと自分のものではありません。だからこそ、写真に強い意味やメッセージを与えすぎず、できるだけ静かな距離を保っていたいと思っています」。
GENIC vol.78【Eyes on the Street それぞれの視点が語る街角】
Edit:Chikako Kawamoto
GENIC vol.78
- 2026年4月号のテーマは「Street Photography 名もなき瞬間」
- 街にある無数の光景の中で、理由もなく心をつかまれる一瞬がある。
カメラを向けると、世界が少しだけ深く息をする気がして、そっとその瞬間をすくいあげる。
誰かの日常、街の呼吸。
そこには、題名のない小さな物語が潜んでいる。
私たちはまた今日も、名もなき瞬間に出会いに、街に出る。 - GENIC SHOP
