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プロフィール

染谷かおり
写真家/フォトグラファー 1997年生まれ、埼玉県出身。日本写真芸術専門学校を卒業後、フリーランスとして映画やドラマのスチール、アーティスト写真/ジャケ写、web広告等の撮影を中心に活動。2021年に初の個展『憧憬』を開催。2022年にはPOPUPなどのグループ展、2023年の夏には『私が撮りたかった俳優展001』に参加。
愛用カメラ:FUJIFILM TIARA II、Konica Hexar AF
Q. 自分らしい仕上がりにするためにはどうすればいい?
A. 自分の理想の色やトーンをわかっておくことが大事


「自分らしさを出すには、自分の理想の色やトーンをわかっておくことが大事だと思います。私自身はパキパキしすぎない、どちらかといえばやわらかな写真が好みなのと、もともとフィルム好きなのもあって、デジタルでもフィルムっぽいイメージで仕上げるようにレタッチしています。1本で限られた枚数しか撮れない、フィルムにはそんな1枚1枚の重みがある。それぞれの写真にその場の空気感も写る。デジタルで撮っていても、そんなフィルムのイメージに近づくように仕上げています。常に意識しているのは“調整しすぎないこと”と“全体のバランスを見ること”。自分の理想とする空気感や色を、少しずつ調整しながら、絶妙なバランスを見つけて表現しています。また、肌や髪のレタッチにフォーカスしすぎると、ナチュラルに見えなくなってしまうこともあるので、自分らしい色やトーンを出すためにも、バランス良くやりすぎないレタッチを心がけています」。
人物の肌を自然になめらかに仕上げるコツ


「理想の色やトーンのためのレタッチとして、肌の質感の調節があります。おすすめなのはクラリティー(明瞭度)の調整で肌質を整えること。ナチュラルな方が好みであれば、やわらかいなと思えるエッジで止めるのがポイント。技術的にも表現としても、エッジをつけすぎずふんわりさせるようにしています」。
写真のテイストはトーンカーブで決まる

「さらに全体のバランスを見ながら調節したいのは、トーンカーブを使った明るさの調整です。写真のテイストはトーンカーブで決まると言ってもいいほど。自分流にトーンカーブを動かすだけで、かなりテイストが変わってくるので、いろいろと試すのがいいと思います。また、自分ならではの色に近づけるためには、色相や彩度、カラーバランスも大切なので、シャドウとハイライトで調節します。私の場合はハイライトを下げてもシャドウは強めず、絶妙なところで判断して調節を止めます」。
GENIC vol.73【Portrait Q&A】Q. 自分らしい仕上がりにするためにはどうすればいい?
Edit:Satomi Maeda
GENIC vol.73

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