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プロフィール

笑子
写真家 1998年生まれ、東京都出身。写真学科を卒業後、本格的に活動を開始。現在は主にフィルムカメラを用いて撮影を行う。ファッション、ポートレート、アーティスト写真などの撮影を手がけ、2022年には「私が撮りたかった女優展Vol.4」に参加。
愛用カメラ:CONTAX G2
愛用レンズ:CONTAX Planar T* 45mm F2
Q. 順光、逆光、サイド光、それぞれがポートレートに与える影響とは?
A1. 順光:はっきりとまっすぐな写真に。でも注意は必要。

「直接光が当たるため、被写体の顔も明るく、色もはっきりとした印象に。くっきりとした、まっすぐな写真を撮りたいときにおすすめです。ただ、気をつけないと立体感がなくなってしまうことがあります。また、普段の生活では話す相手や見ている対象が、被写体の正面から順光を浴びていることは少ないので、不自然に感じる場合もあります。さらに、背景との明暗差が強く出てしまうこともあるので、被写体よりも暗い背景をきちんと写したいときには注意が必要です」。
A2. 逆光:ふんわりと柔らかい雰囲気で、透け感なども楽しめる。


「被写体の後ろから当たる逆光で撮ったポートレートは、光で体の輪郭が縁取られたり、髪の毛が透けてきらきらしたりと、ふんわりと柔らかい雰囲気に仕上がるのが魅力。フィルムだとその場で確認できないので、どのように写っているのか想像しながら撮るのも楽しいし、現像してみたら思いがけないフレアが出ていて綺麗だったなんていうことも。明暗差を綺麗に出せるのも逆光ですが、顔が暗くなってしまったりくすんだり、白飛びや黒潰れしやすい光でもあります。それを避けるために、光源を被写体の後ろに完全にかぶせて撮るようにしています」。
A3. サイド光:メリハリと柔らかさがちょうどよく、立体感が出せる。


「横方向から当たるサイド光は、被写体が眩しくなりすぎることなく、メリハリのある立体感のある写真を撮れます。ただし、光源が強いと影側が暗くなりすぎてしまうというデメリットも。そんなときは、レフ板などで影側から少し光を当てることで、暗さを軽減させて。レフ板がない場合は、代わりに白い壁などで応用することもできます。個人的には明暗差が強すぎないサイド光が、ちょうどよい柔らかな写真になるので好きです」。
A4. 光の選び方に迷ったら、影を観察する。

「私の撮影のほとんどがフィルム+自然光ということもあり、外でも室内でもできるだけ自然光をたくさん、いろいろな角度から見つけられるように心がけています。光選びに迷ったら、影を見るのがおすすめ。影が濃く出ている場所では顔に落ちる影も濃くなるので、柔らかく撮影したいときには、濃くない影の場所を探してみてください。また、スポットライトのように差し込んでいる光や木漏れ日、窓から反射して入ってくる光などを使い、その影も取り入れてみたりすると、ポートレートの撮影がぐっと楽しくなります」。
GENIC vol.73【Portrait Q&A】Q. 順光、逆光、サイド光、それぞれがポートレートに与える影響とは?
Edit:Satomi Maeda
GENIC vol.73

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