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「Q.18 順光、逆光、サイド光、それぞれがポートレートに与える影響とは?」笑子|Portrait Q&A 18/45

写真家や俳優、モデルなど41名が答えた、全45問のPortrait Q&A特集。人にカメラを向けるからこそ、迷いはなくしたい。自分の写真をちゃんと好きでいたい。そのためにどうするか?「ポートレートの答え」はここにあります。
今回の回答者は、やわらかな自然光を取り入れたフィルムでの撮影が得意な、写真家の笑子さんです。

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プロフィール

笑子

写真家 1998年生まれ、東京都出身。写真学科を卒業後、本格的に活動を開始。現在は主にフィルムカメラを用いて撮影を行う。ファッション、ポートレート、アーティスト写真などの撮影を手がけ、2022年には「私が撮りたかった女優展Vol.4」に参加。
愛用カメラ:CONTAX G2
愛用レンズ:CONTAX Planar T* 45mm F2

Q. 順光、逆光、サイド光、それぞれがポートレートに与える影響とは?

A1. 順光:はっきりとまっすぐな写真に。でも注意は必要。

「一度通りかかったときにはなかった光が、次に通ったら日が傾いて差し込んでいるのを発見。ややサイドよりの順光ですが、光を浴びる感じで立ってほしいと伝え、しっかりと光が当たっている感じで撮りました。自分がすごく自然体でいたときに撮った写真なので、順光でも少し柔らかい写真になっているような気がします」。

「直接光が当たるため、被写体の顔も明るく、色もはっきりとした印象に。くっきりとした、まっすぐな写真を撮りたいときにおすすめです。ただ、気をつけないと立体感がなくなってしまうことがあります。また、普段の生活では話す相手や見ている対象が、被写体の正面から順光を浴びていることは少ないので、不自然に感じる場合もあります。さらに、背景との明暗差が強く出てしまうこともあるので、被写体よりも暗い背景をきちんと写したいときには注意が必要です」。

A2. 逆光:ふんわりと柔らかい雰囲気で、透け感なども楽しめる。

「かなり眩しい光だったので、太陽の光が後ろから差し込むように立ってもらって撮影。オレンジに染めたばかりという髪の色が、綺麗に光に透けて写るといいなと思いながらシャッターを切りました」。

「友人との登山で、前を歩く人の髪の毛が光に透けていたのを撮った1枚です。背景の木漏れ日が丸くきらきらとぼけているのもお気に入り。人物に太陽をかぶせて撮影したことで、顔は写っていなくても光によって印象的な写真になっていると思います」。

「被写体の後ろから当たる逆光で撮ったポートレートは、光で体の輪郭が縁取られたり、髪の毛が透けてきらきらしたりと、ふんわりと柔らかい雰囲気に仕上がるのが魅力。フィルムだとその場で確認できないので、どのように写っているのか想像しながら撮るのも楽しいし、現像してみたら思いがけないフレアが出ていて綺麗だったなんていうことも。明暗差を綺麗に出せるのも逆光ですが、顔が暗くなってしまったりくすんだり、白飛びや黒潰れしやすい光でもあります。それを避けるために、光源を被写体の後ろに完全にかぶせて撮るようにしています」。

A3. サイド光:メリハリと柔らかさがちょうどよく、立体感が出せる。

「曇りの日で、ふんわりとした光が部屋に差し込んでいたので、顔の半分を明るく、半分を暗くして、コントラストが印象的になるよう仕上げました。曇りの日は、影の出方をあまり考えなくていいので、のびのび動きながら撮ることに集中できます。また、柔らかい光なので全体に均一に、そして淡い色もしっかりと綺麗に写ります」。

「窓の隙間から差し込む光を、すくい上げるようにしゃがんでもらいました。空間全体が柔らかい光に包まれており、この横からのスポットライトのような光もやさしい雰囲気に」。

「横方向から当たるサイド光は、被写体が眩しくなりすぎることなく、メリハリのある立体感のある写真を撮れます。ただし、光源が強いと影側が暗くなりすぎてしまうというデメリットも。そんなときは、レフ板などで影側から少し光を当てることで、暗さを軽減させて。レフ板がない場合は、代わりに白い壁などで応用することもできます。個人的には明暗差が強すぎないサイド光が、ちょうどよい柔らかな写真になるので好きです」。

A4. 光の選び方に迷ったら、影を観察する。

「今年の4月に撮ったもの。木の枝や葉が重なっているので、順光でも顔に届く光が少しソフトになっています。こんな風にの中に入ってもらった人物を撮る写真が好きです」。

「私の撮影のほとんどがフィルム+自然光ということもあり、外でも室内でもできるだけ自然光をたくさん、いろいろな角度から見つけられるように心がけています。光選びに迷ったら、影を見るのがおすすめ。影が濃く出ている場所では顔に落ちる影も濃くなるので、柔らかく撮影したいときには、濃くない影の場所を探してみてください。また、スポットライトのように差し込んでいる光や木漏れ日、窓から反射して入ってくる光などを使い、その影も取り入れてみたりすると、ポートレートの撮影がぐっと楽しくなります」。

GENIC vol.73【Portrait Q&A】Q. 順光、逆光、サイド光、それぞれがポートレートに与える影響とは?
Edit:Satomi Maeda

GENIC vol.73

2025年1月号の特集は「Portrait Q&A」。ポートレートの答えはここにある

人にカメラを向けるからこそ、迷いはなくしたい。自分の写真をちゃんと好きでいたい。そのためにどうするか?「答え」はここにあります。写真家や俳優、モデルなど41名が答えた、全45問のQ&A特集です。

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