笑子
写真家 1998年生まれ、東京都出身。大学で写真を学び、卒業後本格的に活動を開始。現在は主にフィルムカメラを用いて、ファッション、ポートレート、アーティスト写真などの撮影を手掛けている。
愛用カメラ:CONTAXG2
愛用レンズ:CONTAX Planar T* 45mm F2
色や光を追いかけて
写真とは記憶。写っていないものすら想起させる力がある
「桜子ちゃんのキラキラしたまっすぐな目をそのまま写せたらという思いで撮りました。ブルーのセーターや桜子ちゃんのお友達が手作りした手袋がとってもよく似合っていたので、素敵な冬の思い出として残したかった1枚」。
「散歩中たまたま目に入ってきた小さな切り取り線のような光がとても可愛らしかった。穏やかで柔らかいのにきりっとした空気を纏う彼女の魅力を崩してしまわないよう、静かにシャッターを切りました」。
Pursue my favorite color and light.
「太陽の光を体いっぱいに浴びて笑っている彼女の姿は、まさに彼女の人柄そのもの。写真を見るだけでパワーをもらえるのではないかなと思いながら撮りました」。
「初めましてだったのでイメージを固めすぎず、楽しくお話ししながらのびのび撮影できたらいいなという思いで過ごした日。白い背景に洋服の赤が映えるように撮影しました。意識がカメラの外にあるような自然な瞬間にシャッターを切りました」。
人には同じ瞬間が絶対にないからこそ自分の想像を超えた瞬間ワクワクする
「白が持つ柔らかさや明るさが好きなので、写真そのものがそのような印象になればと思い撮影。飛ばしたシーツがふんわりと浮いているその横で、モデルの洋ちゃんがすごく楽しそうだったので迷わずシャッターを切りました」。
流れる空気、光の動き、そして被写体の呼吸に合わせて、ほとんど無意識にシャッターを切っているという笑子さん。
「人を撮り続ける理由は、同じ瞬間が絶対にないからです。もちろん街や花など様々なものに当てはまることですが、人を撮るときにはより強く感じます。自分の頭の中に浮かばないような瞬間に出会うことができるのでとてもワクワクするんです」。
今回、柔らかい空気感を持ち、撮ったときのことを強く覚えている写真を選んでくれたそう。
「私にとって写真は記憶。写っているものはもちろん、その前後で起こったこと、被写体の声など、そこにないものすら思い出させてしまうような力を持っていると思います。だから人は写真に魅せられるのではないでしょうか。私の作品はまだまだ荒削りな部分も多いし、見る人の気持ちによって写真の見え方が変わることもあるので、"自分らしい表現"を言葉にするのはとても難しいです。ただ、好きな色や光を追いかけて、自分の好きな写真を撮り続けることで、少しずつ自分の作品が持つ色に気づくことができたらいいなと思っています。これからも忘れたくない瞬間や好きなものを撮り続けたいです。そして作品を通して、少しでも明るい気持ちや、心地よさを感じてもらえたら幸せです」。
GENIC vol.65 "魅せる"ポートレート
Edit:Megumi Toyosawa
GENIC vol.65
GENIC1月号のテーマは「だから、もっと人を撮る」。
なぜ人を撮るのか?それは、人に心を動かされるから。そばにいる大切な人に、ときどき顔を合わせる馴染みの人に、離れたところに暮らす大好きな人に、出会ったばかりのはじめましての人に。感情が動くから、カメラを向け、シャッターを切る。vol.59以来のポートレート特集、最新版です。