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【"魅せる"ポートレート:1】Reylia Slaby(リリア・スレイビー)

自分なりのテーマや作風の中で、人の魅力を引き出したポートレートを撮る6名の写真家たち。その表現方法や、写真に対する想い、シャッターを切る原動力に迫ります。
1人目は、ファインアートを通して独自の表現を確立したフォトグラファーのReylia Slabyさんです。

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Reylia Slaby(リリア・スレイビー)

ファインアートフォトグラファー 1992年生まれ、大阪府出身。10代の頃から鉛筆画作品(グラファイトリアリズム)などを発表する傍ら、写真の世界に興味を持ち、創作的な作品を発表。アメリカ人の両親を持ちながら、情緒豊かな日本で生まれ育った生活環境に大きな影響を受けている、注目のフォトグラファー。来春、東京で開催予定の個展に向けて作品を制作中。詳細は公式ホームページ、及びインスタグラムをチェック。
愛用カメラ:Nikon FE、Mamiya RB67
愛用レンズ:Nikon AI Nikkor 50mm f/1.4S

写真は私の鉛筆

カメラは自分の感情を説明するためのパイプになる

Day Dream

お父様がフォトグラファーだったことがカメラを手にしたきっかけだというリリアさん。
「昔から人の写真を撮るのは大好きでしたが、同時に少し怖かったのも覚えています。人とほとんど会うことができないホームスクーリングの環境で育ったので、家の外の世界で誰かといることは私にとって当たり前のことではなく、絶対に記録したい!と感じる特別な機会でした。だからこそ、人や人の感情に興味を持つようになったのだと思います」。
代名詞ともいえるファインアートを始めたのは、ごく自然なことだったそう。
「新聞で作った衣装を着た友人の写真を撮ったり、彼らの胸に感情や社会批判的な声を描いたりしていました。やがて、自身の心と対話しそれを外へ表現する、自分がどう感じているかを説明するためのパイプとして、カメラを使用できるということに気がつきました。ですから"ファインアート"というジャンルの写真があることすら知らず、本能的にやっていたように思います。あえて自分らしい写真を言葉にするとすれば『万華鏡が回っている状態』。ビーズが回転するにつれて、まったく違うパターンになるように、内部要素はすべて同じですが見た目や感じ方が大きく異なります。私にとって写真撮影や作品制作は一つの形を記憶する方法ですが、必ずしもその形は一定のものではないのです」。

ファインアートというジャンルは知らなかった。本能的にやっていたから

Should I Breathe

Imposter Syndrome

Growth

意図しないイメージが表れると魔法のようでワクワクする

Universe

作品づくりのほとんどは自身の経験や感情を基にしたスケッチから始まるのだそう。
「スケッチをどう写真に出来るか実験したり、プロップを手作りします。アトリエの中に山を作ったり、盆栽を発泡スチロールや粘土から作ったり。100円ショップとホームセンターへはかなりの頻度で出向きます。自身の中から湧き出る考えや感情を表現し、自分のアイデンティティへの理解を深めると同時に、枝分かれしているいろいろな感情と経験を繋ぎ合わせて一つの形を作っています。ときどき、撮影の実験をしているとイメージがどこからともなく表れるのですが、その時は魔法が起きたかのようにワクワクします。写真は私にとっての鉛筆、絵筆なんです。自分自身や周りの世界を理解する手助けになる道具のようなものです」。

Reylia Slaby Instagram
Reylia Slaby Twitter
Reylia Slaby HP

GENIC vol.65 "魅せる"ポートレート
Edit:Megumi Toyosawa

GENIC vol.65

GENIC1月号のテーマは「だから、もっと人を撮る」。
なぜ人を撮るのか?それは、人に心を動かされるから。そばにいる大切な人に、ときどき顔を合わせる馴染みの人に、離れたところに暮らす大好きな人に、出会ったばかりのはじめましての人に。感情が動くから、カメラを向け、シャッターを切る。vol.59以来のポートレート特集、最新版です。

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