目次
プロフィール
松島二朗
コカチ珈琲店主 1967年生まれ、石川県出身。最初にカメラに触れたのは23才のとき。高校を卒業してレコード屋で勤務。23才頃音楽をやるためにアメリカの西海岸へ。帰国後、知り合いの伝手でカメラ屋で働いたことをきっかけにカメラの魅力に気づき、カメラアシスタントに。その後26才で製材業に転身し、昨年退職。
愛用カメラ:iPhone、PENTAX SV、RICOH GR III
愛用レンズ:AUTO-TAKUMAR 55mm F2、INDUSTAR 50-2 50mm F3.5
コカチ珈琲
住所:石川県小松市長谷町 132-1
電話:090-9444-9146
営業時間:6:30〜15:00(L.O.14:00)
営業日:日、月、水、土曜日
定休日:火、木、金曜日(不定休)※営業日はインスタグラム等で随時チェック!
珈琲店の1日
04:00 起床
05:00 開店準備(炭火起こしやテーブルをセッティング)
06:30 開店
15:00 閉店。その後、天気がいい日は庭で遅めの昼食。 夫婦で1日の反省会を開催
17:00 帰宅して犬の散歩へ
23:00 就寝
穏やかな時間が流れる川沿いの小さな珈琲店
自然に抗わずに身を任せる、そんな日常が一番いい
お昼寝をしてもいい、漫画を描いてもいい とにかく自然の中でゆっくり過ごしてほしい
「もともと相方(妻)が珈琲好きで、屋台を引いて珈琲屋をしたかったようです。だけど条件的に難しかったのと、自宅の裏庭を褒めていただいたことをきっかけに、他にはないスタイルだからやってみようかと、裏庭で珈琲屋を始めました。お店を始めて10年ほどになりますが、最初は二人とも仕事をしていたので、晴れた日の日曜日だけ営業していました。ただ雨だと営業できないし、夏の炎天下だと熱中症になるので、これはよくないと思い、7年前に3坪程の小屋を建てました。昨年早期退職し、今はこの店1本になったので、営業日も週4日に増やしました。店が休みの日は主に焙煎を、相方はパンの付け合わせの餡子や大豆バターの仕込みをしています。席数は小屋の3席と、分室(去年9月完成)4席、それと裏庭に4席だけ。お客さん同士が干渉しあわないゆったりしたスペースにしたいのもあり席数を当初より減らしました。珈琲はネルドリップでゆっくりと抽出するので、提供に少し時間を頂くことも。気持ちと時間に余裕がある方がいいかもしれません」。時計はあえて置かないそう。「時間を気にせず自然の中でゆっくり過ごして欲しい。天気が良い日はうとうとしてしまう方もいますし、ずっとタブレットで作業をしているなと思ったら漫画家さんが漫画を描いていたことも。美味しそうに珈琲を飲んでくれたり、気持ちよかったですと言ってもらえたらそれが一番幸せなことです。特におすすめの時間帯は早朝。薄暗く青みがかった静かな空気感が気持ちいいですし、6時半の開店から2時間のんびりしてもまだ9時前。1日を長く楽しめます。写真も早朝に撮ることが多いです。また私自身も外が好きなので、休みの日はたまに庭で食事、気が向けば裏の川でカヌーを漕ぐのが楽しみの一つ。人生後半は欲張らず自然体で。早起きして、晴れの日は自然と触れ合って、雨の日はゆっくりする。自然に抗わずに身を任せる、そんな日常が一番いいです」。
GENIC vol.74 仕事と生活がリンクする “〇〇屋さん”の暮らしの風景
Edit:Megumi Toyosawa
GENIC vol.74
2025年4月号の特集は「It’s my life. 暮らしの写真」。
いつもの場所の、いつもの時間の中にある幸せ。日常にこぼれる光。“好き”で整えた部屋。近くで感じる息遣い。私たちは、これが永遠じゃないと知っているから。尊い日々をブックマークするように、カメラを向けてシャッターを切る。私の暮らしを、私の場所を。愛を込めて。