menu

デジタルを始めた僕が「撮りたい!」瞬間 鈴木仁

表現を生業とする人たちが、レンズを通して見る自分だけの世界。何を感じ、いつカメラを向け、どんな瞬間にシャッターを切るのか。彼らにしか見えない視線のその先をのぞかせてもらいました。
「表現者たちの視線の先」1人目は、メンズノンノ専属モデル/俳優の、鈴木仁さんです。

  • 作成日:
  • 更新日:

ADVERTISING

目次

デジタルを始めた僕が「撮りたい!」瞬間

「女優の見上愛。5年来の友人。カメラマンの友達とスタジオで撮影している時、アシスタントとして手伝いながら撮った写真。メインカメラへの意識のみで、僕のカメラへの意識がないこその1枚が撮れました」。

「メンズノンノモデルの豊田裕大。買い物していた時にふと撮った1枚。自然体なのに目がほんとに綺麗で。モノクロの色味をつくって、少し黒よりもグレーに寄せていて光との相性がとても良い」。

カメラを三脚から外してパシャッと撮ったらその写真はスナップ

色味や質感を探りながら撮影しています。想定と違ってもそれが味になる

「撮影帰りに気持ち良く散歩。単焦点レンズを使っているので自分で動きながら構図を探る。その行動がとても好きです。どこかに登ってみたり、しゃがんでみたり、その時その時で考えて試してみる」。

「色々な設定を試している時に、代官山あたりで撮った写真。緑ではなくオレンジの葉の色がどうやったら綺麗に出るのか、光の当たり方も考えつつ撮りました」。

「スナップ写真の定義って考えると難しいですね(笑)。あまり考えたことはなかったですが、その場でふと『撮りたい!』と思って行動していたらスナップになるのではないでしょうか。準備して写真を撮っていて、すぐそばに撮りたいと思える被写体が見つかれば、カメラを三脚から取り外して1枚パシャッと撮る。遊び途中に何も言わずカメラを向けてみる。それってもうスナップですよね。シャッタースピード、ISOなどをゆっくりと選ぶわけではないので、どんな写真が生まれるかわからない。瞬時に撮影する楽しさがあるし、たとえ想定とずれたとしてもそれが味になるなと思います。今回の写真はデジタルに乗り換えてから、色味や質感を模索している写真たちです。もともとフィルムで撮っていたし、フィルムの色合いが好きなので、その色味や質感っぽさを探りながら試しています。FUJIFILMのフィルムシミュレーションとホワイトバランスなどを掛け算して色味を作っていくのは、大変ですが楽しいです。ただ良い設定を見つけたからといってそればかりに頼らないようにしています。まだまだ試せることはたくさんあるなと。見つけた良い設定は、もちろんカスタムに保存しておいて何度も使いますが、まだ出会えていない設定もあるので。色々試しているんだなってのを知ってもらえたら嬉しいです」。

自然体から生まれるもののほうが良い一瞬が切り取れる

「誰かの自転車と自分の影、そして木が生えていたであろう壁。何か気づきがあると撮りたくなる」。

「カメラを片手に高校の友達と浅草散歩をしている時に撮った1枚。前を歩いていたので『おーい』と呼びかけそのまま写真に。青空と、浅草の赤、そして緑。綺麗に色が出ているし、友達の表情も良い!」。

「今年見られた花火はこの一回だけ。生でちゃんと見たかったのでシャッターを切ったのは10回ほどのみ」。

「浅草という、ザ日本の場所でまさかの海外っぽさがある1枚。そのギャップが好きで撮りました。写真にすると、どこなのかわからない新しい世界が生まれる感じが好き」。

他の人には切り取れなかった表情や、新しい発見を得られる写真を撮っていきたい

「メンズノンノモデルの井上翔太。撮影合間の会話最中に撮った1枚。光と影のバランスが良い具合になった気がします」。

「モデルを始め、撮ってもらっているからこそカメラに興味を持ち、19歳くらいの時に挑戦してみようと思ってOLYMPUS μを新宿に買いに行きました。スマホサイズでポケットに入れて持ち運べるフィルムカメラです。僕にとって写真とカメラは1番の遊び。どの趣味にも、いつでもどこでも繋げられる。思い出としても残るし、それが作品にもなる。良いものに出会えたなと思っています。写真を始めたことで、自分がカメラマンだったらこうしてほしいなという、モデル業としてのバリエーションも増えました。自然体から生まれるものの方が良い一瞬が切り取れる、というのも、写真を撮るようになったからこそ気づけたことです。良いスナップ写真って、他の人には切り取れなかった表情を写していたり、その人の深みをより知れる写真なのかなって思うんです。新しい発見を得られる写真、かな。だからこそ、パッと見でなんか良い!で終わらない、1枚の写真が新しい世界を生み出しているような、そんな写真を撮っていきたいですね」。

「水族館のクラゲ。幻想的なあの空間をおさめたいと思い撮った。暗い中なのでシャッタースピードも遅く、少しぶれている感じがより一層幻想的な写真になった気がします」。

「鎌倉方面から撮った海。海がちょうど真ん中まできていて、空あきのバランスがとても良いかもと感じています」。

鈴木仁

1999年7月22日生まれ、東京都出身。2014年「アミューズオーディションフェス2014」ファイナリスト。2016年「第31回メンズノンノモデルオーディション」で準グランプリを受賞し、モデルデビュー。2017年、ドラマ「リバース」(TBS)で俳優としてもデビュー。「花のち晴れ~花男 Next Season~」(TBS)、主演映画「ジオラマボーイ パノラマガール」など多数の話題作に出演。また、2022年より自身主催の写真展「ZJINE展」を開催。カメラ歴はデジタルで約1年、フィルムが約4年。
愛用カメラ:FUJIFILM X-Pro3、PENTAX MZ-3、OLYMPUS μ
愛用レンズ:XF35mmF1.4 R

鈴木仁 Instagram
鈴木仁 X

GENIC vol.69【表現者たちの視線の先】
Edit:Megumi Toyosawa

GENIC vol.69

1月号の特集は「SNAP SNAP SNAP」。
スナップ写真の定義、それは「あるがままに」。
心が動いた瞬間を、心惹かれる人を。もっと自由に、もっと衝動的に、もっと自分らしく。あるがままに自分の感情を乗せて、自分の判断を信じてシャッターを切ろう。GENIC初の「スナップ写真特集」です。

GENIC公式オンラインショップ

おすすめ記事

「自分自身の“今”」 モーガン茉愛羅

「静と動」 坂東龍汰

次の記事