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写真と動画のはざまで魅せる、Photographic motion。第3回 kamosan「一瞬を残す、ではなく、その瞬間を立ち止まって眺めるように」

1枚の写真を撮るようにフレーミングし、ほんの少しの“気配”だけを映す、写真と動画のあいだにある表現「Photographic motion(フォトグラフィック モーション)」。その場の空気を数秒だけ切り取ることで、写真とは異なる余韻が立ち上がります。「動画だ」と身構えずに写真と同じようなプロセスで撮って編集できるのも、Photographic motionの魅力です。
この連載では、Photographic motionという表現を軸に、写真の感覚で動画を撮るクリエイターたちの思考とプロセスを紹介していきます。第3回は、フォトグラファーのkamosanさん。静止画とは少し異なる、“その瞬間に立ち止まって眺めるような感覚”に面白さを感じたと話します。

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プロフィール

kamosan

写真家/会社員 2018年頃に趣味として写真を始め、徐々に写真を仕事にしたいと思うように。現在はブライダルを中心にカメラマンとして活動しながら、生活の一部を写真に記録し続けている。

新たな表現手法「Photographic motion」

Photographic motionとは、写真を撮るときと同じ感覚でカメラを構え、ほんの一瞬を数秒の動画として記録する表現方法です。特別なカメラワークや演出に頼ることなく、光や空気、その場に流れる時間を残すことを大切にした映像です。写真からほんの少しだけ動画へ踏み込んだPhotographic motionはシンプルで、あえて作り込まないからこその素直な美しさが映し出されます。

kamosanの「Photographic motion」

「僕は普段、生活の中で目に入る『あ、なんか良いな』と感じた瞬間を写真に残し、集めています。今回はその瞬間を、“写真と動画のはざま”を表現するイメージで、Photographic motionの作品づくりに臨みました。写真を撮るつもりで動画を回すことに初めは戸惑いましたが、続けているうちに、Photographic motionの面白さを見つけられた気がします。それは、わずかに動きがあることで、写真よりも音や匂いがより明確に感じられること。『その一瞬を残す』のではなく、『その瞬間に立ち止まって眺めている』ような感覚は、とても新鮮で面白く、楽しいものでした」。

「溶けるバター」

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Photographic motion kamosan

カメラ:FUJIFILM X-E4 レンズ:XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ フィルター: NiSi ブラックミスト fps:24fps シャッタースピード:1/30 Log撮影:なし フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード

「写真で残すときは“バターが溶けている様子”になりますが、Photographic motionにすると“バターが溶けてなくなっていく様子”になるのが面白そうだと思い、窓からの光が入る自宅のテーブルで撮影しました。撮影時のイメージは、『起き抜けのぼんやりとした頭で、朝食のバターがじんわりと溶け落ちていく様子を眺める』。Photographic motionで、まさに意図した表現になったと感じています」。

「夕日を浴びる野草」

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Photographic motion_sunset

カメラ:FUJIFILM X-E4 レンズ:Super-Takumar 55mm f1.8 フィルター:NiSi TRUE COLOR ND VARIO fps:24fps シャッタースピード:1/30 Log撮影:なし フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード

「京都の鴨川にて、夕方の光が入る瞬間を狙いました。仕事終わりの帰り道、自転車で鴨川を走っているとよく出会う光景です。作品の中でチラチラと映るのは羽虫。夕日が反射するととてもきれいでよく眺めているのですが、写真ではこれを残すのが非常に難しい。それが、『Photographic motionなら残せるじゃないか!』と気づいたときは、まさに目から鱗でした。疲れて足を止め、ぼうっと眺めているイメージで撮影。光が非常に強いので、NDフィルターを使用しています」。

「波と風と光」

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Photographic motion kamosan

カメラ:FUJIFILM X-E4 レンズ:XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ フィルター: NiSi ブラックミスト fps:24fps シャッタースピード:1/30 Log撮影:なし フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード

「三重の海岸で、夕日を反射する波を逆光気味に撮影しました。これまでも水面に反射する光の写真はたくさん撮影してきていて、Photographic motionに置き換えるとどんな印象になるのか試してみたくなり、カメラを向けました。いつもなら光にフォーカスし、フレーム内を玉ボケでいっぱいに撮影するのですが、Photographic motionでは波の輪郭もわずかに残した方が印象が良いと感じ、そのためにF値を絞って撮影しました。また、レンズフィルターのブラックミストを使用することで、少しだけ輪郭をおぼろげに表現しています」。

写真と同様に手軽にできる「編集のプロセス」を公開

「動画だといつも通りの色を編集で出せる自信がなかったこともあり…、普段から使用している富士フイルムのフィルムシミュレーションを最大限活用して、できるだけ“撮りっぱなし”を意識しました。結果、色を含めて編集の作業はほぼ発生していません。複雑な動画編集もないこの手軽さもまた、Photographic motionの魅力だと実感しています」。

<編集STEP>スマートフォンのEditsで写真と同じようにお手軽編集

1. Editsに取り込み、WBから色合いを微調整

2. トーンカーブでハイライトを調整

3. 動画の尺を調整

「バターがほどよく溶けて滑っていく瞬間を残しました」。

kamosan「一瞬で消えてしまうような瞬間も、見事に表現」

「多くの場面で三脚やジンバルを使用する必要があるうえ、音質まで気にすると機材もかさんでしまう動画撮影は、どうしてもハードルが高く感じてしまいます。また、写真と動画のどちらで残すのがベストなのか迷っているうちに、いい瞬間を逃してしまうこともストレスでした。その点Photographic motionは、あくまでも“写真と動画のはざま”という認識で取り組める。写真を撮るつもりでRECを回せばいいだけなので、いちいち機材を切り替える必要がありません。一般的な映像作品よりかなりハードルが下がるので、これからも新しい表現方法として自分なりに取り組んでみようと思えました。そして、短い尺で撮るということが、自分にすごくフィットしました。僕がよく撮影するシーンは、今回の羽虫のように一瞬で消えてしまうようなものが多く、撮れないことも多いのですが、Photographic motionはその点を見事にクリアしてくれます。写真へのこだわりを一度手放すことで新しい気づきを得ることができ、とてもいいきっかけになりました。そして、いいなと感じた瞬間の、その瞬間の前後の時間も見せられるので、物語を連想させたり思い出を呼び起こさせたりしやすいです。立ち止まってぼうっと眺めているような没入感を得やすいことも、Photographic motionならではの魅力だと感じました」。

Photographic motion撮影で使いたいレンズフィルター

柔らかな余韻を生み出す「NiSi ブラックミスト」

動画撮影では、光源がハードすぎると、肌やハイライト部分が強調されて不自然に見えることがあります。そんなときに活躍するのが「NiSi ブラックミスト」です。光を柔らかくしつつ、ハイライトをほどよく滲ませ、被写体の質感を自然に引き立てます。写真でも動画でも使える高品質なフィルターで、光のエッジを和らげつつも濃すぎない、柔らかな余韻を生み出すのが特長です。心地よい空気感や雰囲気を演出したいシーンで表現の幅を広げてくれます。フィルター効果の強さに応じて、「1/2」、「1/4」、「1/8」の3種類をそろえています。

「輪郭が霞み、エモーショナルなテイストに仕上げてくれるのはとても楽しい撮影体験。どんな風に撮っても様になり、富士フイルムのフィルムシミュレーションと相性がとてもよく感じました。また、人間の記憶ってそこまで鮮明じゃないと思っているのですが、NiSi ブラックミストのぼやけた描写が、記憶の中の景色を表現するのにとても向いていると感じました。新しい表現であるPhotographic motionとの組み合わせは、それまで自分の中になかった新しいアイデアが出てくるような印象がありました」。

NiSi ブラックミストはこちら

色かぶりがない可変NDフィルター「NiSi TRUE COLOR ND VARIO」

動画の撮影では、被写体の動きが不自然に変わってしまわないよう、基本的にシャッタースピードを固定して撮影します。そこから、ISO感度や絞りの調整で露出を調整し、さらに絞りでボケ感などを調整していきます。ところが、写真と同じ感覚でこれを行おうとすると、動画は明るすぎてしまうことがほとんどです。そこで活躍するのが、ゴーストやフレアを抑えるコーティングや高い耐久性も備えたNDフィルター「NiSi True Color ND VARIO」。レンズに装着することで、光量を抑え、明るい屋外でも適正露出を保った状態で、被写体の動きを自然に撮影することが可能になります。可変式のためフィルターを回転するだけで1〜5段分の濃度調整ができ、また、NDフィルターでありながら色かぶりを抑え、写真と同じ感覚で色づくりができるのも特長です。

「表現方法としては新しいですが、撮影方法としては動画撮影になるため、どうしてもフィルターは不可欠。特に開放付近で撮影するとき、NiSi True Color ND VARIOがかなり重宝しました」。

NiSi TRUE COLOR ND VARIOはこちら

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