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村上賀子個展「Known Unknown」が東京 目黒で開催。可視と不可視のイメージを交錯させる写真プロジェクト

写真家 村上賀子の、第23回(2021年度)三木淳賞受賞作「Known Unknown」。その写真集刊行に際し、2024年10月4日(金)~10月27日(日)に、東京 目黒のコミュニケーションギャラリーふげん社にて個展が開催されます。
本展では、「Known Unknown」シリーズから約30点を展示。同シリーズで作家は、自身とほぼ同世代の女性を被写体に、自宅や仕事場など、彼女たちが自然体でいられる場所で撮影した。中判カメラで撮影されたそれらの写真には、被写体の顔ははっきりと写っておらず、その反面、彼女たちのいる空間や身に纏うものなど風景の細部は鮮明に写されている。
作家と彫刻家・評論家 小田原のどか氏とのギャラリートークや、作家本人とギャラリーディレクターが本展の見どころなどを展覧会場にて解説する、ギャラリーガイドツアーも展開。

  • 開催期間:2024.10.4 ~ 2024.10.27

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目次

プロフィール

村上賀子

写真家 1986年、宮城県仙台市生まれ。2012年、武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程デザイン専攻写真コース修了。2022年、「Known Unknown」で第23回三木淳賞を受賞。
コンセプチュアル・フォトのパイオニアとして知られる写真家・山崎博氏に師事。記憶やアイデンティティーを社会的出来事や生活環境と相関的に捉えながら、可視と不可視のイメージを交錯させる写真プロジェクトに取り組む。東京を拠点に活動。
主な個展に「Anonymous Danes」ニコンサロン(2024)、「Known Unknown」ニコンサロン(2022/2021)・Gallery TURNAROUND(2022)、「HOME works 2015」トーキョーワンダーサイト渋谷(2015)、グループ展に「『言葉とイメージ』 Vol.3 写真は語る 倉谷卓 村上賀子」Kanzan Gallery(2017)など。

本展の解説

ⒸIwauko Murakami

本プロジェクトの端緒は、2011年の東日本大震災まで遡ります。当時、徐々に平時に戻っていく東京で、故郷の惨状への名状しがたい感情に蓋をしながら気丈に振る舞い生活していた村上は、ある出来事をきっかけに、本当は自分が深く傷ついていたことを知り、自分自身の「わからなさ」を、身をもって知ることとなりました。また、計画停電中の自室で撮影したセルフポートレートを一年後に見返した時、逆光でほとんど顔が見えないそれは、鑑賞者と被写体の「見る/見られる」の関係に収束しない、強さと危うさの両面を内包する実存として立ち現れていることに気づきます。震災に紐付くこれらの二つの象徴的な体験が、村上が本プロジェクトに取り組むきっかけとなりました。
《Known Unknown》のポートレートは、「もっとも身近な他者は、自分自身」「その身体は、自分があつかう対象でありながら、自分そのものでもある」と作者が語るように、身体の両義性を孕むイメージです。また、美術史において長らくモデルとして「見られる」存在であった女性が、顔を見せず、「見られる」ことを意識しない、ありのままの状態として写されているという点において、新時代のポートレートであると言えます。撮影者と被写体という一方的で非対称な関係ではなく、両者ともが現代社会に生きる女性であることで、二者の間にあるカメラが鏡のように作用し、肖像写真のあり方を、境界線の曖昧な、揺らぎのあるものにしています。
顔の見えない彼女たちに、鑑賞者はいつの間にか親近感を覚える、ということもあるかもしれません。ポートレートを見た時に立ち現れる、自己と他者の境界線の曖昧さ、存在としての不確かさを前にして、皆さんは、彼女たちの肖像をどのように解釈するでしょうか。

──写真展プレスリリースより引用

ⒸIwauko Murakami

ⒸIwauko Murakami

ⒸIwauko Murakami

ⒸIwauko Murakami

ⒸIwauko Murakami

ⒸIwauko Murakami

ⒸIwauko Murakami

ⒸIwauko Murakami

村上賀子 個展「Known Unknown」情報

開催日時

2024年10月4日(金)〜10月27日(日)
火〜金 12:00〜19:00 土、日 12:00〜18:00
休廊日:月曜、祝日

入場料

無料

会場

コミュニケーションギャラリーふげん社

  • 〒153-0064 東京都目黒区下目黒5-3−12
  • Google Map

行き方・アクセス

<電車>
JR山手線「目黒駅」西口から東急バスで「元競馬場前」下車、徒歩で1分
JR山手線「目黒駅」から徒歩で15分
東急東横線「祐天寺駅」から東急バス「元競馬場前」下車、徒歩で1分
東急東横線「中目黒駅」から東急バスで「大鳥神社前」下車、徒歩で6分

ギャラリートーク 村上賀子×小田原のどか

開催日時:2024年10月19日(土)14:00〜15:30
※トーク終了後に、レセプションを開催。自由参加。
会場:コミュニケーションギャラリーふげん社
参加費:1,000円(会場観覧・オンライン配信)
※オンライン配信のアーカイブ視聴は 2024年月11月17日(日)まで
申し込み:希望のチケットをふげん社オンラインストアにて購入。
※店頭で支払い希望の場合は電話にてふげん社(03-6264-3665)へ連絡。

ゲスト:小田原のどか プロフィール

彫刻家・評論家 1985年宮城県仙台市生。芸術学博士(筑波大学)。主な展覧会に「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? 国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ」(国立西洋美術館、2024年)「リメンブランス」(東京都写真美術館、2024年)など。主な単著に『近代を彫刻/超克する』(講談社、2021年)『モニュメント原論:思想的課題としての彫刻』(青土社、2023年)。共著に『この国(近代日本)の芸術:〈日本美術史〉を脱帝国主義化する』(山本浩貴との共編、月曜社、2023年)。

ギャラリートーク 村上賀子×小田原のどか 申し込み(ふげん社WEB)

ギャラリーガイドツアー(無料・申込不要)

作家本人とギャラリーディレクターが、本展の見どころなどを展覧会場にて解説。
作家から直接話を聞いてみたい、という人におすすめです。

開催日時:2024年10月12日(土)、10月26日(土)14:00から30分程度
参加費:無料
申し込み:不要 ※直接会場へ

村上賀子 写真集「Known Unknown」情報

著者:村上賀子
寄稿:高瀬隼子(小説家)
デザイン:山本祐衣
サイズ:A4 変型 W201×H250mm
仕様:糸かがり上製本・ホローバック
ページ数:68ページ
図版:38点
発行所:ふげん社
発行日:2024年9月24日
定価:4,180円(税込、本体3,800円)
ISBN:978-4-908955-34-1

村上賀子 写真集「Known Unknown」

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