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【わが街の道の上で:5】webwrap<愛媛>

玄関のドアをあければ、そこは被写体の宝庫。毎日通る道、慣れ親しんだ場所。そこには、自分の視点だからこそ写し出せる「何か」がきっとある。地元フォトグラファーの写真から、ファインダーを通して自分の街を愛する方法を学びます。
5人目は、愛媛県出身で在住のグラフィックデザイナー、webwrapさんです。

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webwrap

グラフィックデザイナー 愛媛県出身、在住。カメラ歴10年。
愛用カメラ:FUJIFILM X100F、FUJIFILM NATURA CLASSICA

わたしにとっての「愛媛」

「住んでいる松山市は、山・川・海といった自然とも面していて、愛媛県内の中でも多種多様のシチュエーションがあり、その場その場で異なった雰囲気が楽しめる場所です。街並みや日々の暮らしからは、少しのんびりとした落ち着いた印象を感じます」。

「ゆっくり」とか「平凡」とか

近所の散歩コースで重信川の土手を見上げて。「松山はあまり高い建物がないので空が広く感じます」。

「黄色い建物とセリフ調の看板がなんとなく懐かしくて、愛媛の街にとけ込んでいる感じです」。

代わり映えしないことが無意識に安心感につながっている

「瀬戸内海に面しているので、暮らしのそばに海があります。電車がみかん色なところも愛媛らしさです」。

小学生のときに祖父からフィルムのコンパクトカメラを貰って持ち歩くようになったのが写真との出会いだというwebwrapさん。「愛媛は、“ゆっくり”や“平凡”という言葉がしっくりくる場所です。街並みや日常も、めまぐるしく変化することなく、代わり映えしないことが多いですが、そこに無意識に安心感のようなものを感じます。そんな愛媛の何気ない日常風景の中の、心地よい空気感を写し取りたいと思っています。なるべく条件や場所に左右されることなく、その時々、その場所で感じた匂いのようなものを写真で表現したいので、シャッターチャンスを待ったり、狙って撮影したりすることはあまりありません」。

やさしさだったりぬくもりだったり その場の空気感と匂いだったり

瀬戸内海を背にポツンと佇んでいるみかんの木。「伊予市ではあちらこちらでみかんの木を見かけます」。

「愛媛には五十崎町という凧あげで有名な町があるのですが、その影響もあるのか、松山でも冬になるとこどもたちが凧あげをしているのをよく見かけます」。

愛媛で撮る写真に、どのように自分らしさを投影しているのでしょうか?「当たり障りのない日常写真を撮ることが多いので、シンプルでオーソドックスながらも、その場で感じた雰囲気を、やんわりとここちよく醸し出せるように心がけています。柔らかい陽射しの下で撮ったような、のどかな感じの写真が好きなので、明るめで柔らかくなるようなレタッチをすることが多いですね。見た時にどこか優しさだったりぬくもりだったりを感じられる写真をこれからも撮っていきたいです」。

通り道にある古本屋さん。「小春日和の陽射しが柔らかく、おだやかな時間の流れを感じて撮った1枚」。

愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶしまなみ海道にある大三島。「とある昼さがりの、まったりとした島の静けさを撮りました」。

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GENIC vol.63 【わが街の道の上で】

GENIC vol.63

GENIC7月号のテーマは「Street Photography」。
ただの一瞬だって同じシーンはやってこない。切り取るのは瞬間の物語。人々の息吹を感じる雑踏、昨日の余韻が薫る路地、光と影が落としたアート、行き交う人が生み出すドラマ…。想像力を掻き立てるストリートフォトグラフィーと、撮り手の想いをお届けします。

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