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「今だけ」の瞬間を こんこん日記/めぐみ | 連載 Every day,Greatest day 子どもたちの日常

大人にとっては当たり前の日々も、小さな世界で泣いて、笑って、一生懸命生きている子どもたちにとっては、毎日が最高の日。我が子の意外な表情、愛らしい仕草、ふと気づく成長......日常にある尊い瞬間を抱きしめるように写真に残す7名の作品をご紹介。全7回の連載、第6回は一児の母で写真家のこんこん日記/めぐみさんです。

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目次

プロフィール

こんこん日記/めぐみ

一児の母・写真家 東京都出身。娘の誕生を機に、家族と暮らしをテーマに写真を撮り続けている。母としての時間を大切にしながら、何気ない日々が愛おしい記憶として残るようにとの想いで、撮影依頼にも応じている。
愛用カメラ:Sony α7 III、FUJIFILM X-T5、Canon EOS 7
愛用レンズ:Sony FE 35mm F1.8、Voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4

うちの子紹介

娘のニックネームはこんこん。成長とともに、ひょうきんな顔をしたり、すましてみたり、写真を通して、そのときのなりたい自分”を表現するところが面白いなと思います。一人っ子の娘は、昔の自分の写真をまるで妹のように『可愛い〜』と愛おしそうに見つめていて、その姿も微笑ましいです。

「今だけ」の瞬間を

撮らなければ忘れてしまうような日常のささやかな幸せを残しておきたい

「この日は午後の穏やかな光の中、気持ちよさそうにお昼寝している娘が、特別愛おしく感じたのを覚えています」。

「新体操教室へ行く前に、頑張ってお着替えしているところ。カメラをまったく意識していない素の表情やぽっこりお腹など、この頃の愛おしさが詰まった一枚です」。

「家族で食事に出かけたとき、娘がおしぼりを顎にはさんで、『みて~』と言ってきました。これを『すごいでしょ』と思っていることがなんとも可愛くて!」。

「ペロペロキャンディーを買ってもらい、部屋の隅で夢中に。体育座りをワンピースですっぽり収めているところが、子どもらしくて可愛いなと思いました」。

「この頃、娘がよくしていた娘なりの“可愛い顔”。1歳から4年間着たレインコートも大切な思い出」。

愛をカタチにして未来に残せる、写真は今の私にとって「幸せの貯金」みたいなもの

娘が赤ちゃんの頃、毎日があっという間に過ぎていくことに驚きました。昨日できなかったことが今日できるようになっていたり、気づけば体重も顔つきも変わっていたり。小さな成長が日々積み重なっていくのを感じる中で、どの瞬間も忘れたくないと思ったのが、娘の日常を撮り始めたきっかけです。「可愛い」、「愛おしい」、「何やってんの、笑」シャッターを切りたくなる瞬間をあげるとキリがありませんが、そんなときにいつも心によぎるのは、「きっと今だけ」。今このときを逃したら、もう二度と見られないかもしれない。そう思うと撮らずにはいられませんでした。今回の掲載に選んだのは、娘が小学生になった今、幼児期の写真を見返してみて、「残せてよかった」と改めて感じたものです。見返していて思ったのは「好き」と「残したい」は少し違うということ。私が好きで撮りたいと思うのは、光が美しい中に娘がいる写真が多いのですが、振り返ってみて、本当に残してよかったと思ったのは、娘のなにげない表情や仕草、時間を止めたいと思った愛しき瞬間がそのまま残っている写真でした。写真は愛をカタチにして未来に残せる。今の私にとって「幸せの貯金」みたいなもの。これからも、今だけの娘らしい瞬間、撮らなければ忘れてしまうような日常を写真に残して、日々のささやかな幸せを少しずつ積み重ねていきたい。いつかそれが娘の心の支えになってくれたらうれしいです。

GENIC vol.74 Every day, Greatest day 子どもたちの日常

GENIC vol.74

2025年4月号の特集は「It’s my life. 暮らしの写真」。

いつもの場所の、いつもの時間の中にある幸せ。日常にこぼれる光。“好き”で整えた部屋。近くで感じる息遣い。私たちは、これが永遠じゃないと知っているから。尊い日々をブックマークするように、カメラを向けてシャッターを切る。私の暮らしを、私の場所を。愛を込めて。

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