menu

日常に寄り添う小さな月を撮る sia. | 連載 これが私の“最旬好き”表現 写真を愛する15名のクリエイターが今ハマっていること

写真を愛する15名のクリエイターたちが、今もっとも夢中になっている表現を紹介。「あなたにとっての"最旬好き"表現は?」という質問に答えていただきました。個性あふれる撮影手法や、日常の一環を独自の視点で切り取るアプローチを通して、新たな写真の魅力を発見できるはず。あなたの写真に新しいインスピレーションをもたらすヒントが、ここに詰まっているかもしれません。全15回の連載、第9回は月と季節の調べを穏やかに切り取る、フォトグラファーのsia.さんです。

  • 作成日:
  • 更新日:
目次

プロフィール

sia.

フォトグラファー 心を惹かれた日常の風景を忘れないためにシャッターを切っている。季節や時間の移ろいを感じる写真が好き。古道具や食器などにも興味があり、休日には古道具屋やカフェを巡ることも多い。最近のマイブームはフィナンシェと食器集め。
愛用カメラ:Sony α7 III
愛用レンズ:Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4、NOKTON 40mm f/1.2 Aspherical

日常に寄り添う小さな月を撮る

「夕暮れの打ち上げ花火と月。月が静かに浮かぶ空に、遠くから花火の音が聞こえてくる。そんな夏の情景です」。

「身近に咲く花と、いつもそこにありながら手が届かない月。そのアンバランスさに、そこはかとない魅力を感じます」。

「身近で少しだけ特別なもの」を見つけ、それを写真に残したい

「身近ながら美しい風景のなかに、ひっそりと浮かぶ小さな月が写り込んだ写真を撮ることが私の“最旬好き”表現です。子どものころから月や星に興味を持っていたからか、空にぽつんと浮かぶ月を見ると、その風景に引き込まれます。特に印象に残っているのは、日が暮れ始めた海辺で撮影していたとき、真っ白な半月が空に浮かんでいた光景です。あの瞬間から、小さな月が日常に溶け込む姿に、心惹かれるようになりました。それ以来、日々姿を変える月を探して、空を眺めることが習慣になりました。ときどき月が出る時間や方角を調べたり、雲の流れを気にしたり。空と過ごす時間は、今では日々の楽しみのひとつです。小さな月を追いかけているうちに、『身近で少しだけ特別なもの』に自然と目が向くようになっていました。散歩中、ふと光の加減が気になったり、この場所に月があったら、きっときれいだろうな、と想像したり。そんな視点が日常を豊かにしてくれています。美しい木漏れ日や光に出会ったときには、『この瞬間ごと写真に閉じ込めたい』と素直に思います。そういうときに、私は本当に写真が好きなんだなと実感します。これからも日常のなかで、心が惹かれた瞬間をそっと閉じ込める記録帳のように、写真を撮っていきたいです」。

GENIC vol.75 【これが私の“最旬好き”表現 写真を愛する15名のクリエイターが今ハマっていること】
Edit:Megumi Toyosawa

GENIC vol.75

2025年7月号のテーマは「I love photography ただ、写真が好きで」。

写真は移ろいゆく季節に目を向けることを教えてくれた。
写真は心の奥にしまい込んでいた自分の感情に気づかせてくれた。
写真は自分らしく生きていいよと励ましてくれた。
写真はかけがえのない仲間と巡り会わせてくれた。
写真は素晴らしい世界の見方を示してくれた。

写真から、たくさんのものをもらってきた。
だから、好きな理由はひとつじゃない。

GENIC SHOP

おすすめ記事

中判フィルムカメラ用のレンズをデジタル一眼レフカメラに装着して撮る たない りほ | 連載 これが私の“最旬好き”表現 写真を愛する15名のクリエイターが今ハマっていること

日常に存在する、少しの不思議を切り取る 広谷勇樹 | 連載 これが私の“最旬好き”表現 写真を愛する15名のクリエイターが今ハマっていること

次の記事