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中判フィルムカメラ用のレンズをデジタル一眼レフカメラに装着して撮る たない りほ | 連載 これが私の“最旬好き”表現 写真を愛する15名のクリエイターが今ハマっていること

写真を愛する15名のクリエイターたちが、今もっとも夢中になっている表現を紹介。「あなたにとっての"最旬好き"表現は?」という質問に答えていただきました。個性あふれる撮影手法や、日常の一環を独自の視点で切り取るアプローチを通して、新たな写真の魅力を発見できるはず。あなたの写真に新しいインスピレーションをもたらすヒントが、ここに詰まっているかもしれません。全15回の連載、第8回は心が動いた瞬間を大切に記録する、フォトグラファーのたない りほさんです。

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プロフィール

たない りほ

フォトグラファー 静岡県生まれ。10代の頃からフィルムカメラやポラロイドで写真を楽しむ。娘の誕生を機にデジタル一眼レフで撮った写真をInstagramに投稿開始、フォロワー数は11万人を超える。現在は広告写真やカタログ撮影等で活動。
愛用カメラ:Canon EOS 5D Mark III/Mark IV
愛用レンズ:ASAHI PENTAX SMC TAKUMAR 6X7 105mm、SIGMA 50mm F1.4 DG HSM | Art

中判フィルムカメラ用のレンズをデジタル一眼レフカメラに装着して撮る

「吹奏楽部に入り、毎朝早く家を出て練習に励む娘。まだ眠たそうな横顔を、朝焼けのオレンジ色とひんやりとした空気が包んでいます。小さな頃からずっと撮り続けている愛おしい娘と過ごせる日々も、あと2年。なんだか胸がきゅっとなるような切ない朝でした」。

その場の空気感や想いを、やわらかく写してくれるこの表現が好き

「デジタルカメラに、PENTAX 67用のレンズを付けて撮るのに最近ハマっています。始めたきっかけは、好奇心。中判フィルムカメラの写りが元々好きで、仕事用のデジタル一眼に中判用のレンズを付けたらどうなるかな?と、昨年やってみたのが始まりです。背景がふわっと溶けるように美しくボケ、特にポートレートだと被写体が浮き上がるように見えます。また、MFでピントを合わせることになるため『1枚に集中する』感覚が生まれ、シャッターを切るときの想いや空気が、より写真に写るような気がします。被写体と会話ができる距離で撮ると、言葉の温度や感情の揺れが写り、少し離れて撮ると、その人がいた空間の匂いや気配が写るので、被写体との距離感を考えるのも大切です。写真の好きなところは、見返したときに、会話、時間、音、匂い、温度...、いろいろなことを思い出して温かな気持ちになれるところ。一瞬でタイムスリップできます。最近、14歳のときにフィルムカメラで友達を撮っていた写真を見返したら、カメラ目線のポーズではなく、自然な笑顔を捉えたショットばかりで驚きました。今の自分の撮影スタイルとまったく同じ。あの頃からもう、こういう写真が好きだったんだな、と。これからも、“記憶に寄り添うような写真”を撮りたいと思っています」。

GENIC vol.75 【これが私の“最旬好き”表現 写真を愛する15名のクリエイターが今ハマっていること】
Edit:Megumi Toyosawa

GENIC vol.75

2025年7月号のテーマは「I love photography ただ、写真が好きで」。

写真は移ろいゆく季節に目を向けることを教えてくれた。
写真は心の奥にしまい込んでいた自分の感情に気づかせてくれた。
写真は自分らしく生きていいよと励ましてくれた。
写真はかけがえのない仲間と巡り会わせてくれた。
写真は素晴らしい世界の見方を示してくれた。

写真から、たくさんのものをもらってきた。
だから、好きな理由はひとつじゃない。

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