どこへ行っても犬と猫
逃げられないように、そっと撮ります。
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アルゼンチンにて。
「しばらくこうして手を握っていた犬と人」。
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ブリヤート共和国の市場にて。
「何かしらのおこぼれをもらおうと待つ犬のけなげさ」。
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「民族衣装とキャラクターのリュックのコントラスト。ブータンは犬だらけで、どこにでもこうして寝そべっていた」。
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ラトビアの朝市。
「店主の連れてきた犬がトマトときゅうりの山に乗っかっていた。たまにきゅうりをペロンと舐めたりして、おおらか」。
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ベトナムのドンバンにて。朝ごはんのしたく。
「どこの家にもかまどがあって、かまどのそばは暖かいので、たいてい猫がいた」。
あえて探さない。出会いがしらが好きなんです。
仕事やプライベートで日常的に世界を旅している安彦さん。ライフワークのひとつに、"世界の犬と猫の写真を撮ること"がある。
「今までで30か国近くの国々で犬猫を撮ってきましたが、自覚して撮っているのは、ここ10年くらいのことです。写真を始めたのは高校生のとき、写真が趣味の父からNikonのFM2を借りて、同級生を撮るようになったのがきっかけ。犬は飼っていましたが、そのころはまだ動物の写真は撮っていませんでした。その後、写真は自分の趣味にもなったので、近所を散歩するのにもカメラを持ち歩いていました。日頃からカメラを持ち歩いていた流れで、旅へ行くのにカメラを持っていくのは当然でした。仕事を始めてからしばらくしても犬や猫を意識しては撮っていなかったのですが、撮ったものを見返してみると犬や猫のものが多かった。そこで"被写体として追ってみよう"と思うようになったんです。あえて探すことはしません。出会い頭が好きなんです。わざわざ動物写真を撮りに行くわけではなく、仕事で行ったついでに犬や猫を見かけたら撮る、という感じ。撮るときは逃げられないように、そっと撮ります。もちろん、許可をとることもあれば、アイコンタクトをして流れで撮ることも。トルコとギリシャへは行ったことがないので、犬や猫たちがいる風景を見てみたいです」。
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安彦幸枝
写真家 東京都出身。父の営むデザイン事務所でアシスタントをしたあと、写真家・泊昭雄氏に師事。現在はフリーランスとして活動中。著書に「庭猫」(パイインターナショナル)、「荒汐部屋のすもうねこ」(平凡社)、「どこへ行っても犬と猫」(KADOKAWA)、「庭猫スンスンと家猫くまの日日」(小学館)など。
愛用カメラ:Canon EOS 5D Mark III
愛用レンズ:EF24-70mm F2.8L II USM
GENIC vol.68【This is my Journey. 我が旅をゆく。】
Edit:Izumi Hashimoto
GENIC vol.68
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10月号の特集は「旅と写真と」。 まだ見ぬ光景を求めて、新しい出逢いに期待して、私たちは旅に出ます。どんな時も旅することを諦めず、その想いを持ち続けてきました。ふたたび動き出した時計を止めずに、「いつか」という言葉を捨てて。写真は旅する原動力。今すぐカメラを持って、日本へ、世界へ。約2年ぶりの旅写真特集。写真家、表現者たちそれぞれの「旅のフレーム」をたっぷりとお届けします。