【わたしが創る おいしい世界＃７】sachi

「クロワッサンを食べ終わった後のかけらが、まるでアートのようで可愛くてついシャッターボタンを押しました。意図せずにできたものが可愛いと嬉しくなります」。

sachiさんがカメラを始めたのは大学生の時。
「授業で、ダンボールのピンホールカメラを作って自分で現像したことがとても面白く、写真に興味を持ちました」。sachiさんの日常の写真は、光と影が印象的だ。「特にテーブルフォトでは光や影が美しい時にシャッターボタンを押すことが多いです。撮る場所は光の差し込む窓辺に置いたダイニングテーブルがほとんど。なるべく北海道に関連するものを被写体にしたいと思っています」。

「カラメルがしたたる様子。口に運ぶしあわせな瞬間をイメージして撮影しました。食べる前のワクワク感、口に入れた時の幸福感、食べ終わったあとの余韻……。食べることは色々な感情を短時間で湧き上がらせます」。

最近はキャンプにハマっているのだそう。
「北海道の自然をもっと体で感じたい、非日常を感じながら思いっきりリフレッシュしたいと思ったことがきっかけです。キャンプでは、難しすぎず、色合いや見た目が魅力的な料理を選んで作っています。食べ物の写真は自宅で撮ることが多かったのですが、これからはもっと外で、北海道を感じられる風景をバックに撮影したいですね」。

「友達とキャンプに行った時の朝ごはん。パンとコーヒーの予定でしたが余ったチーズを溶かし、パンにディップして。一品増えるだけで少し豪華な朝ごはんに」。

「キャンプでスパイスカレーを作った時の１枚。時間がたくさんあるので玉ねぎやトマトをみじん切りにする作業も楽しく感じられ、とてもおいしくできて大満足な瞬間でした」。

食べることが大好きだというsachiさん。ステイホーム期間中はお家でカフェ気分を味わえるように、おやつが映える器をたくさん購入したという。「作った料理を素敵に見せるために器の組み合わせを考えたり、盛りつけを丁寧にしたりすると、食事の時間はより一層楽しくなります。食べ物が生き生きして見える写真が、私にとっての‶おいしい写真”です。その意味でも食べ物と器の相性はとても大切だと思います」。

「疲れを感じた平日の朝、フレックス出社にして朝ご飯をいつもよりちゃんと準備して、気持ちの良い光の中でゆっくり食べました。仕事の日の朝は忙しいけれど、朝ごはんの時間を満喫することで、今日も１日頑張ろうと思えます」。

「珈琲はどのシーンも絵になるので、撮影するのがとても楽しいです。豆を挽いているシーン、お湯を注いでいるシーン、カップに注ぐシーンなどさまざまな画を見せてくれるのでシャッターチャンスがたくさんあります」。

「大好きな固めプリンは手作り。カラメルの色を濃いめに、けれど苦すぎない程度に仕上げることがこだわりです。濃い方がプリンの色とのコントラストがはっきりして、可愛く見える気がするんです。撮る時は、形がわかるように真横or斜め上から撮影するように心がけています。これは2021年の新年初プリン。今まで作ってきた中でも上位に入るくらい美しい仕上がりで、今年１年が良い年になりそうな予感がしました」。

GENIC VOL.58 【わたしが創る おいしい世界】
Edit:Yoko Abe