haru wagnus
Photographer / 4 Silent birds.CEO 埼玉県出身。ファッションやコスメブランド、ホテル、世界各地の観光関連の撮影から、モデルや芸能人とのコラボ撮影まで、精力的に活動を行う。ファッション・カメラストラップブランド「4 Silent Birds」、オーディオブランド「WAGNUS.」のオーナーでもあり、2023年には、フィルム写真を残していくためのフィルムプロジェクトをスタート。YouTubeチャンネル「ワグスケTV(仮)」を配信中。
愛用カメラ:Leica M11、Sony α7R V、Leica M2 Black Paint
愛用レンズ:Leica APO-SUMMICRON M f2/35mm ASPH/Summilux 35mm f1.4 2nd、Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM
Q.肌露出が多めの女性を、エロスを感じさせないように撮るには?
A.「性的視線」ではなく、花を愛するかのような視線で撮る
「人生初のヌード撮影。アートとして美しい女性のラインを出すため、線描写を意識して撮影しました」。
とことん、美しさを求めて
「モデルが用意してくれた背中が開いた衣装。特にフォーカスしたのは背骨のラインや肌の質感。完全に美にフォーカスすることで、美しい作品に昇華できたと思います」。
「まず僕が大切にしていることは、異性的な視点で撮らないことです。これが最も重要。エロスの写真は、『性的視線』が入っているから生まれている表現だと感じていて、だからこそ訴求できる特定のターゲットがある。僕はあまりエロスを自分の作品には求めていなくて、ヌードであっても、繊細な女性の心情に寄り添うようなアートに昇華したいと考えています。美しい花を撮るような感覚に近いです。だからと言って、女性としての魅力も感じず、無感情で緊張もしないということではありません(笑)。緊張はするのですが、あくまでも性的に見ないように心がけて、美しいところ探しをする、という感じです。また、基本的には、あまり具体的なポージング指示はしません。環境が許すときは音楽をかけて、大まかな指示を出してあとはイメージでゆっくり動いてもらいながら、良い瞬間を撮っていきます。衣装にはとてもこだわっていて、肌露出が多めの撮影のときは、僕自身が衣装を用意することが多いです。衣装一つでイメージがかなり変わるので。ちなみにできるだけ繊細で透け感があって光抜けの良い衣装を選び、写す女性が『美しく』見えることを重要視しています」。
「初めてセクシー女優さんを撮ったときの写真です。華奢で黒髪ロングの女性を撮ることが多く、それが僕の作風でもありますが、この時は敢えてグラマーな女性だけど、精神的に繊細さを持つ人と作品を撮ってみたくて、この女優さんに依頼させていただきました。『セクシーに撮るタイム』も設けましたが、ポージングをセクシーにしてもらいながらも、それをエロ過ぎないくらいの構図や視点で撮ることを意識して撮りました」。
Retouch Point
「寒色ベースながら冷た過ぎず、ハイライトは少し明るめに、彩度は低めでコントラストは少し下げつつも淡くなり過ぎないように。肌はできるだけナチュラルだけど透明感が出るようにレタッチを施します。僕らしい世界観を重要視しています」。
GENIC vol.67【撮影と表現のQ&A】haru wagnus/Q.肌露出が多めの女性を、エロスを感じさせないように撮るには?
GENIC vol.67
7月号の特集は「知ることは次の扉を開くこと ~撮影と表現のQ&A~」。表現において、“感覚”は大切。“自己流”も大切。でも「知る」ことは、前に進むためにすごく重要です。これまで知らずにいたことに目を向けて、“なんとなく”で過ぎてきた日々に終止符を打って。インプットから始まる、次の世界へ!
GENIC初のQ&A特集、写真家と表現者が答える81問、完全保存版です。