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「東京=HOME」での自分らしい丁寧な暮らしとマインド<古性のち 編>

世界を旅し、一つの場所に留まらない生活をしている伊佐知美さんと古性のちさん。
2人が“ホーム(帰る場所)”という「東京」について、“自分の部屋” “ここにしかないもの” “大切な場所” という3つのキーワードで、語ってくれました。
【生きる場所と暮らす場所 Good Home with TOKYO】古性のちさん編です。

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古性のち

世界中を旅しながら、写真と言葉を中心に作品作りをするフォトグラファー。
これまで訪れた国は30カ国以上。2016年の世界一周を皮切りに「1年の半分を世界のどこか・半分を日本」の多拠点暮らしをスタート。
東京在住歴は合わせて6年くらい。好きな街は古き良きものと現代が混ざる西荻窪。

#01_MY ROOM 「好き」だけに囲まれた空間

壁に貼られているのはお手製だったり、どこかの雑貨屋さんで手に入れたものだったり、好きな写真家さんの絵葉書だったり。琴線に触れたものたちだけを厳選。宝物は大好きな写真家、横浪修(よこなみ おさむ)さんの台湾限定絵葉書たち。

私らしさと心地よさの真ん中で

どこの国で買ったかも忘れてしまった謎の小瓶たちに、インドのお寺で出会ったお香。きちんと並んだカメラの機材の横の棚には、規則性なく置かれたいろんな国の雑貨たちが雑多に顔を覗かせている。一見至ってシンプル。だけれど至るところに旅の匂いを残した私の部屋は、自分だけの特別なオリジナルブレンドを探し続け、今日も進化を続けている。好きなものを好きなだけ。誰にも気を使わない。ここは私だけ、私らしさの詰まったおもちゃ箱。

棚の上の住人たちは時代も世界も飛び越えて、100%「好き」と言えるものたちだけが集まった空間。最近仲間になった子も、子供の頃から一緒にいる子も仲良くチャンプルー。

お香との付き合いは10代の頃から。朝起きてから夜眠るまで、気づけば何本も好きな香りを焚く。ここ数年のお気に入りはKUUMBA INTERNATIONALの「SweetRain」。ショートトリップなら旅先にも連れていく。

窓際にもっと植物を並べたり、たくさんのドライフラワーを吊るしたいのだけれど、我が家にはおてんばの猫がいるので装飾は最小限にしてできるだけシンプルに。優しい木のぬくもりを感じる明るい色の家具が好きです。個室は5畳半とかなりこぢんまりとしているので、表に出すものは厳選して、不要なものは押入れの中へ。

#02_LOVED ITEM ここにしかない離したくないもの

私の中で「日本に帰ってきたときのお菓子」と言えばこれ。駅やデパートで遭遇したり、友達やお隣さんからもらったりと出会いはいつも偶然。だけれど長旅から帰ってきて「よく帰ってきたね、おかえり!」と声をかけたくなったときだけ、私から会いに行くお菓子。サクサクの心地よい歯触りと可愛らしいパッケージがお気に入り。

好きなものたちが教えてくれること

旅から帰ると必ず買うお菓子がある。
横浜名物の、カラフルなパッケージに包まれたミルフィーユのチョコレート。
頬張りながら、繊細なアクセサリーを身につける。そこにお気に入りの本と、大好きなお茶を淹れて一服。
4つが揃えばあら不思議。そこはいつだって「私が私になれる場所」に早変わり。
だけれどミルフィーユはここでしか買えないし、繊細なアクセサリーも遠出には向かない。
お茶も本も、持ち出すにはちょっと気合がいる。結局のところ、この4つが揃うこの東京が、
唯一無二、多分私が本当の私に戻れる場所なのだ。

ここ数年はずっとショートカットなので、顔まわりを華やかにしてくれる大振りのアクセサリーが好み。耐熱ガラスメーカーHARIOが作った繊細なガラスの花ピアスが、丁寧に一日を過ごしたいときに身につけると背筋がしゃんとする、最近のお気に入りアイテム。

そのファッションセンスや仕事への姿勢、全てがまるごと大好きな菊池亜希子さんの本たちは私のお守りのような存在。その中でもふっと息を吐いて心をリラックスさせたいときに手にとる本がこの「好きよ、喫茶店」。無くしたくないので旅先には連れていかずにお留守番。日本に帰って来たときに必ず開く一冊。

「お茶が好き」と意識することすらないくらい、小さな頃から身近な存在だったお茶は、気づけば自分でブランドを作りたいと思い始めるほどに、生活に無くてはならない存在に。最近は各国の茶葉やスパイスを取り寄せて、ホールスパイスからインド風煮出しミルクティ「マサラチャイ」を作るのにはまっている。

#03_FAVORITE PLACE また羽ばたくための拠点

「ただいま」が一番似合う場所

私は猫みたいな人間だから、この場所がなかったら多分、
東京をホームだと思うことなんかなかったかもしれない。もしかしたら
インドだとかネパールだとか、深く息を吸える場所で生きていたかもしれない。
原宿のど真ん中、東京の空気を目いっぱい吸い込んだ「天窓」は、
大好きな人たちが集う秘密基地。
この場所が、帰ってくる理由をいつも作ってくれる。
私が東京で生きていく理由をくれる、ただいまの似合う場所。

大きな棚やショーケースには、日本各地の民藝や伝統工芸品が所狭しと集まる。今日はどの器にしようかな、と選んでお茶を淹れるのがこの空間での楽しみ。ひとつひとつぼーっと眺めている時間が大好きなのだけれど、同じような体験が公式のInstagramで体験できるので、ぜひ覗いてほしい(@tenmado_tokyo)

この空間「天窓」は名前の通り、天井にある天窓から優しい光がたっぷり入る。夕方くらいまで自然光で過ごすことができるから、撮影も捗るし、何より大好きな太陽の光を体にたっぷり浴びながら仕事ができる。気持ちの良い空間。

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GENIC VOL.55【生きる場所と暮らす場所 Good Home with TOKYO】
Edit:Izumi Hashimoto

GENIC VOL.55

テーマは「TOKYO and ME 表現者が撮る東京」

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