古性のち
世界中を旅しながら、写真と言葉を中心に作品作りをするフォトグラファー。
これまで訪れた国は30カ国以上。2016年の世界一周を皮切りに「1年の半分を世界のどこか・半分を日本」の多拠点暮らしをスタート。
東京在住歴は合わせて6年くらい。好きな街は古き良きものと現代が混ざる西荻窪。
#01_MY ROOM 「好き」だけに囲まれた空間
私らしさと心地よさの真ん中で
どこの国で買ったかも忘れてしまった謎の小瓶たちに、インドのお寺で出会ったお香。きちんと並んだカメラの機材の横の棚には、規則性なく置かれたいろんな国の雑貨たちが雑多に顔を覗かせている。一見至ってシンプル。だけれど至るところに旅の匂いを残した私の部屋は、自分だけの特別なオリジナルブレンドを探し続け、今日も進化を続けている。好きなものを好きなだけ。誰にも気を使わない。ここは私だけ、私らしさの詰まったおもちゃ箱。
#02_LOVED ITEM ここにしかない離したくないもの
好きなものたちが教えてくれること
旅から帰ると必ず買うお菓子がある。
横浜名物の、カラフルなパッケージに包まれたミルフィーユのチョコレート。
頬張りながら、繊細なアクセサリーを身につける。そこにお気に入りの本と、大好きなお茶を淹れて一服。
4つが揃えばあら不思議。そこはいつだって「私が私になれる場所」に早変わり。
だけれどミルフィーユはここでしか買えないし、繊細なアクセサリーも遠出には向かない。
お茶も本も、持ち出すにはちょっと気合がいる。結局のところ、この4つが揃うこの東京が、
唯一無二、多分私が本当の私に戻れる場所なのだ。
#03_FAVORITE PLACE また羽ばたくための拠点
「ただいま」が一番似合う場所
私は猫みたいな人間だから、この場所がなかったら多分、
東京をホームだと思うことなんかなかったかもしれない。もしかしたら
インドだとかネパールだとか、深く息を吸える場所で生きていたかもしれない。
原宿のど真ん中、東京の空気を目いっぱい吸い込んだ「天窓」は、
大好きな人たちが集う秘密基地。
この場所が、帰ってくる理由をいつも作ってくれる。
私が東京で生きていく理由をくれる、ただいまの似合う場所。
GENIC VOL.55【生きる場所と暮らす場所 Good Home with TOKYO】
Edit:Izumi Hashimoto
GENIC VOL.55
テーマは「TOKYO and ME 表現者が撮る東京」