嵐田大志
嵐田大志 フォトグラファー 1977年生まれ、大阪出身。音楽業界に身を置いていた頃、奥様との交際をきっかけに写真を始める。お子さんの誕生で写真にのめり込み、一般企業に転職後、その傍らでフォトグラファーとしての活動を本格化。著書『デジタルでフィルムを再現したい』(玄光社)を4月16日に発売。
愛用カメラ:EOS R/Nikon Z 6
❝いつまでも憧れの街、東京❞
「住んで16年にもなるのに、地方出身の僕にとって、東京はいつまでも憧れの街。ネットの浸透によって東京と地方の違いが薄まるなか、古臭い価値観かも知れませんが、夢を持った人たちが集まる街だと感じます」
大阪出身で、幼い頃にアメリカで暮らした経験もあり、欧米各地を旅してきた嵐田さん。
「うまく言葉にできないのですが、東京は根底に何かエモーショナルな空気感が流れているような気がする。それが何か今はわからないですが、他国の大都市では感じない何かが、確かに存在すると思います」
人をそっと見守るような東京タワーの優しい面持ちに惹かれます
そんな東京で被写体として惹かれるのは、「東京タワー。最新鋭のビルも、東京タワーの人をそっと見守るような優しい面持ちにはかえられないです。大きな街の集合体である東京は、例えば路線をひとつ変えるだけで、ガラッと空気が変わります。モノカルチャーではなく、複合的な価値観が集まったところがおもしろいですね」という嵐田さんにとって、東京は“自分の夢を叶える場所”。
❝ネットが浸透した今、東京に住む理由を探す旅が始まりました❞
東京が好きで、これからもここに暮らし、写真で人生を記録していきたいという想いは変わらないそう。
「再開発があちこちで進み、それぞれの街の特徴や匂いが薄れているところもあります。そして年々、東京でしかできないことや東京に住む理由は薄れてきている。
今回のコロナ禍は皮肉にもZoomやメールがあればどこにいても仕事ができることを我々に提示したような気がします。これからは東京に住む理由を探す旅が始まりました」
GENIC VOL.55【表現者が撮る東京】
Edit:Yuka Higuchi
GENIC VOL.55
テーマは「TOKYO and ME 表現者が撮る東京」