目次
プロフィール
古佳立(Koo Jia Lih)
フォトグラファー 1998年⽣まれ、台北出身。淡江⼤学マス・コミュニケーション学科卒業。環境や⾃身の感情、⼼理状態を主題に制作を⾏う。個⼈的な記憶と響き合い、⾃身の内⾯世界に重なるイメージを、カメラを通して探し続けている。ランドスケープ、ストリートスナップ、⽇常の記録、プライベートフォトを主な表現⼿法とし、静けさを帯びた空気感のある作品を特徴とする。
ステートメントと展示作品の一部をご紹介
カメラを片手にこの場所を彷徨っていた日々、時間はゆっくりと流れていた。穏やかで美しい幻想に包まれることもあれば、不安や恐れに呑み込まれることもある。時折、小さな驚きにも出会った。私はこの新しい街に、未来への幻想を重ねていた。そこには未知や希望、無力感、そして恐れが混ざり合っている。
淡海ニュータウンは、都市中心部への人口集中や住宅不足、住宅価格の高騰を緩和するために、淡水で開発が始まった新しい街である。
街へ足を踏み入れると、高くそびえる建築群が立ち並び、フェンスで囲われた広大な荒れ地が広がっている。農地もあれば、穏やかな海辺もある。ここでは時間の感覚が曖昧になっていく。急速に積み上がっていく建設と、人も車も少ないゆるやかな時間。その両方が共存することで、淡海にはまるで仮想都市のような、どこか現実感の薄い空気が漂っている。
1990年代末に生まれ、台北の密集した都市の中で育った私は、ずっと、もっと広く静かな場所で暮らすことを夢見てきた。だからこそ、この場所に強く惹かれているのだと思う。淡海は私にとって、やさしく、無限の可能性を秘めた土地であり、理想の場所への憧れそのものでもある。しかし、いま目の前で進んでいるこの開発が、本当に理想郷へ向かっているのか、それとも儚い夢の崩壊なのか、私にはまだわからない。
しばらく時間を置いて再び淡海を訪れると、長く閉鎖されていた道路では工事が始まり、海沿いには新たな工事用フェンスが立ち並んでいた。夕日を眺めていた秘密の場所にも、ショベルカーや仮設の警備小屋が現れている。
私たちはただ、過去に別れを告げ続けながら、この街がどこへ向かおうとしているのかを見つめている。
── 古佳立
古佳立 写真展「理想と荒野のあいだ / A Town in Waiting」情報
開催日時
2026年8月3日(月)〜8月16日(日) 12:00〜19:00
休廊日:8月10日(月)
入場料
無料
会場
TOTEM POLE PHOTO GALLERY
- 〒160-0004 東京都新宿区四谷四丁目22 第二富士川ビル1F
- Google Map
行き方・アクセス
<電車>
東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前駅」2番出口から徒歩で7分
東京メトロ丸ノ内線「四谷三丁目駅」2番出口から徒歩で10分
都営地下鉄新宿線「曙橋駅」A1出口から徒歩で7分
イベント情報
本展は台北で開催されている写真フェア「Photo ONE」との連動企画で、photographers’ gallery、Place M との共同開催として、台湾出身の若手写真家3名を紹介。2026年8月8日(土)には3か所のギャラリーを巡る、それぞれの展示作家のフロアトークが開催されます。
開催日時
2026年8月8日(土) 15:00〜19:00
タイムスケジュール
15:00〜15:30 林 軒朗 写真展「台北再会 / Taipei No Goodbye」会場:photographers’ gallery
15:30〜15:50 移動
15:50〜16:20 古佳立 写真展「理想と荒野のあいだ / A Town in Waiting」 会場:TOTEM POLE PHOTO GALLERY
16:20〜16:40 移動
16:40〜17:10 黄郁修 写真展「流れのない空間―溜めこむ人々 / Static Space – Hoarders」 会場:Place M
17:10〜18:10 ARTIST TALK 会場:Place M
登壇者:北島敬三、瀬戸正人、有元伸也、沈昭良、林軒朗、黄郁修、古佳立
18:10〜19:00 交流会 会場:Place M
入場料
無料
※事前予約不要、どなたでも参加可能
会場
photographers’ gallery、TOTEM POLE PHOTO GALLERY、Place M
※今回のイベントは3か所のギャラリーを巡るツアー形式となる。