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色に恋して。デジタル写真をフィルム風に「FUJIFILM フィルムシミュレーションの魅力」vol.22 御手洗剛

デジタルカメラで撮影した写真を、フィルム写真のようなカラーに。そんな夢のような機能が、富士フイルムのデジタルカメラに搭載されています。その名も「フィルムシミュレーション」。フィルムを交換するような感覚で色再現を楽しめる機能で、その数なんと20種類。フィルム時代から90年以上にわたり、色の表現を研究してきた富士フイルムだからこそ作れる機能です。

「Xシリーズ」「GFXシリーズ」すべての機種で使用できるとあって、この機能に恋して、富士フイルムのデジタルカメラを愛用し続ける写真愛好家やフォトグラファーも多数。

そこで本連載では、「フィルムシミュレーション」の魅力をお届け。毎回1名のクリエイターがお気に入りのフィルムシミュレーションで撮影した作品とともにその魅力を語ります。第22回は、大分県在住のフォトグラファー・御手洗剛さん。富士フイルムの「GFX100 II」で撮影した作品とともに、お気に入りのフィルムシミュレーションについて紹介します。

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目次

プロフィール

御手洗剛

フォトグラファー/ビデオグラファー 1998年生まれ、大分県出身・在住。神戸大学経営学部卒業。大学在学中、二度留年するほど写真にのめり込む。卒業後、地元である九州に戻り、フォトグラファー/ビデオグラファーとして活動している。山歩きとコーヒーが好き。

中判フィルムライクな表現をデジタルで追い求める

自分にとって写真とは、目的であり手段です。ときには理想の色を追い求める研究対象であり、ときには誰かとのコミュニケーションの媒介であり、ときにはひとりで自然の中へ出かけ、撮ることを通じて心を満たしてくれるものでもあります。

関西に住んでいた大学生時代はストリートスナップとシティスケープを撮影していましたが、地元である九州に帰ってきてからは自然の近くで過ごす時間が増え、その中でいいなと思った風景や瞬間を撮るようになりました。

camera:GFX100 II lens:GF55mmF1.7 R WR
フィルムシミュレーション:PROVIA
「夕方のビーチで撮影したパートナーの横顔。遠くを見つめる目線と逆光による肌の質感に惹かれました。逆光で、なおかつ眼鏡をかけていてもバチッと目にピントが合っていて、さすがGFXシリーズだなと思いました。少し露出を上げて撮影したのですが、PROVIAを使うことでしっかりと肌に血色感が出ています」。

富士フイルムのカメラを使い始めたのは、写真をはじめて間もない頃、Instagramで保井崇志さんの写真に憧れたことがきっかけでした。機種はX-Pro2。実際にXシリーズのカメラを使いはじめると、小型軽量であること、またアナログな操作感がより撮っている感覚を与えてくれるため、当時熱心に撮影していたストリートスナップに最適でした。そこから沼にハマってしまい、今日に至るまでX-TシリーズやX-Hシリーズ、X100シリーズなどを一通り使用してきています。

九州に帰ってきてからは車移動の生活をするようになったこともあり、小型軽量性をそこまで重視しなくなり、むしろ中判フィルムライクな写りの良さを求めるように。そんな中で、必然的にラージフォーマットの「GFX50S II」を使いはじめました。

中判フィルムカメラで撮影した写真が好きで、使っていた時期がありましたが、いざ現像してスキャンした写真を見ると、どこか物足りなさがありました。GFX50S IIを使うようになってからは、自分の思い描く「中判フィルムライク」をデジタルで追い求めています。

camera:GFX100 II lens:GF55mmF1.7 R WR
フィルムシミュレーション:PROVIA
「車を走らせていて、ふと停めたタイミングで出会った丘からの夕景。自然の中に佇む鉄塔という、自然と人工物の対比に惹かれました。『好きな写真が撮れたな』と思うのは、このときのように意図しないタイミングで出会った風景であることが多いです。手前の緑の木々が黒つぶれしやすい状況でしたが、PROVIAの広くリッチなトーンのおかげでしっかりと色情報が保たれていました」。

今回使った「GFX100 II」で最も感じた魅力は、立体感です。レンズとの組み合わせもありますが、少し離れた被写体に対しても、開放付近で撮影すると背景と分離されて浮き立つような描写が得られました。また、単なる画素数の多さだけでなく、色情報や階調が豊かに残っているため、フィルムライクな方向に編集しても、画が破綻することがないことも魅力です。

そして、ファインダーやモニターが美しい。撮った写真を現場でファインダーやモニターで見たときに、その美しさに「うわっ」となりました。撮影時にしっかりと撮れているとわかると、良いメンタルで撮影に集中できます。仕事の撮影においても、クライアントに安心を与えられる要素だと感じます。

camera:GFX100 II lens:GF55mmF1.7 R WR
フィルムシミュレーション:PRO Neg. Hi
「暑い日が続く中で、涼しさを求めて渓谷へ。新緑が美しい森の中をずんずん歩いていっているパートナーを後ろから撮影しました。緑はとくに色表現が難しい色ですが、PRO Neg. Hiは自然に、それでいてフレッシュな新緑の緑をしっかりと出してくれています」。

フィルムシミュレーションは、LightroomでRAW現像時に色を追い込んでいく際のベース色として使用しています。他メーカーのカメラもたくさん使用してきましたが、富士フイルムのフィルムシミュレーションは無理やりフィルムを再現しているというものではなく、デジタルとフィルムの両方の良さを活かした色づくりをしている印象です。色や階調が自然に残っているため、調整を加えやすいことも大きな魅力となっています。

今回の撮影でも、自分の頭の中にある色がしっかり再現されており、階調の広さに感動しました。富士フイルムのフィルムシミュレーションだからこそ為せる業なのだと思います。

camera:GFX100 II lens:GF55mmF1.7 R WR
フィルムシミュレーション:PRO Neg. Hi
「日没後の浜辺を何かを考えるようにうつむきながらゆっくりと歩くパートナーの姿。背景の空や海面の豊かなグラデーションと、被写体の陰影の対比が気に入っています。PRO Neg. Hiによって、背景の空や海面の階調豊かなグラデーションや自然な色彩は残しつつ、被写体の陰影が強調されているからこそ実現したもの。とくに髪の毛や顔のシルエットをしっかりと描写しているところは、さすがだと思いました」。

My favorite フィルムシミュレーション

色や階調がしっかり確認できるので、基本的に「PROVIA」にしてRAWで撮影しています。撮影後にLightroomのプロファイルとして、その写真に最も合うフィルムシミュレーションを当てていく。写真によってフィルムシミュレーションの種類にも合う・合わないがあるため、後工程でじっくりと選べるのはメリットに感じます。

気に入っているフィルムシミュレーションとして、「PROVIA」と「PRO Neg. Hi」の2つを紹介します。

1:PROVIA

自然な色や階調が残ってくれるところが気に入っていて、普段から撮影時に常にセットしているフィルムシミュレーションでもあります。編集の段階でRAWに適用する際も、写真にコクのようなものを与えてくれて、おそらく富士フイルムがPROVIAの色を「記憶色」と呼んでいる正体は、そういったところに表れているのだと感じています。

PROVIAの存在は、私が富士フイルムを使用している大きな理由の一つです。

camera:GFX100 II lens:GF55mmF1.7 R WR
フィルムシミュレーション:PROVIA
「日が傾いてきて日差しが和らいできた時間帯、ビーチ特有の湿度を含んだ空気感の中で思い思いに過ごす人々。少しシアンがかって、真夏のギラギラした感じとは異なる落ち着いた空気感が気に入っています。青や緑にしっかりと色がのり、それでいて不自然さはなく自然体を保っているのは、いかにもPROVIAらしい魅力だと感じます。とくに空や海の青、木々の緑、砂浜の黄色がバランスよく発色しています」。

camera:GFX100 II lens:GF55mmF1.7 R WR
フィルムシミュレーション:PROVIA
「海辺で過ごす時間を終えて車に戻ろうとしたときに、パートナーの『あっ』という声が聞こえ、見てみると、美しい夕景の中を飛行機が横切っていました。すかさず撮ったこの一枚は、写真の中の余白感・情報量の少なさが、このときの適度な疲労感・心地よさを表しているように感じるものでした。PRO Neg. HiよりもPROVIAのほうがコントラストが低いため、同じ夕景でもPROVIAのほうが階調が広く、色もより自然な仕上がりに感じます。青はしっかりと出ていますが、それでいて自然な色なのは見事の一言です」。

2:PRO Neg. Hi

CLASSIC CHROMEのクールな表現も好きなのですが、もう少し色情報を残して自然体で撮りたいけれど、適度なコントラスト感も欲しいときに最適なフィルムシミュレーションです。色が大きく変わることもないので、PROVIAと同様に被写体を選ばない万能型という印象です。

camera:GFX100 II lens:GF55mmF1.7 R WR
フィルムシミュレーション:PRO Neg. Hi
「朝の澄んだ空気感をまとう阿蘇の姿。山道を抜けるとこの風景が目の前に現れて、思わず車を停めてシャッターを切りました。遠景の画は平面的になりがちですが、PRO Neg. Hiは適度なコントラストがあり、立体感が出ます。また、個人的には彩度の高い写真よりも落ち着いた発色のほうが好みなため、色が大きく変化しない点にも惹かれています」。

camera:GFX100 II lens:GF55mmF1.7 R WR
フィルムシミュレーション:PRO Neg. Hi
「ビーチで海に入り、海面をじっくり観察していると、不思議な模様や陰影が現れていて興味を惹かれました。この一枚は、海面の一部にフォーカスしているのに小さな造形が無数に集まっていて、ミクロとマクロを行き来するような、どこか宇宙を感じさせるような、一見何を撮っているのかわからないようなところに惹かれています。PRO Neg. Hiは適度なコントラスト感がつくため、陰影のある繊細な写真との相性が良いように感じています」。

御手洗剛さんが恋したフィルムシミュレーションの特徴

1:PROVIAとは?

プロ用のリバーサルフィルムのスタンダードタイプ「フジクローム・プロビア」がベース。多くの方が心地よく感じる色再現を追求し、風景から人物まで、あらゆる被写体に対応するオールマイティなフィルムシミュレーションです。

camera:GFX100 II lens:GF55mmF1.7 R WR
フィルムシミュレーション:PROVIA
「少し離れたところから被写体を撮ると平面的な画になりがちなので、思い切って手前の海面を多めにとる構図に。絞り開放で撮影しましたが、海面の前ボケ・背景の街と被写体がしっかりと分離し、立体感が出ているところが気に入っています。明るい空や海面への光の反射という白飛びしやすい状況下でも、PROVIAの自然なトーンのおかげで、しっかりと階調や色情報を保ってくれています」。

2:PRO Neg. Hiとは?

プロ用ネガフィルム「PRO160NH」がベース。「PRO Neg. Std」よりも階調がやや硬く、屋外など凝ったライティングができないシチュエーションでのポートレート撮影に適しているフィルムシミュレーションです。フラットなライティング下でも適度な陰影が得られます。

camera:GFX100 II lens:GF55mmF1.7 R WR
フィルムシミュレーション:PRO Neg. Hi
「穏やかな広い海でのんびりとSUPをしている人。それを見ているこちら側も時間がゆっくり流れているように感じました。PRO Neg. Hiの自然体で落ち着いた発色とコントラスト(明暗差)のある青が、穏やかな海とのんびりとした光景にマッチしていると感じます」。

御手洗剛さんが使用したカメラ

GFX100 II

圧倒的な画質とシステム機動性に加え、新たに高速性能と動画性能を手に入れたGFXシリーズのフラッグシップモデル。アルゴリズムの改良により進化した顔・瞳AFに加え、動物・鳥・車・バイク・自転車・飛行機・電車・昆虫・ドローンを検出する。高速連写性能も進化し、従来のGFXシリーズでは撮影が難しかったスポーツ分野においても決定的瞬間を逃すことなく力を発揮してくれる。フィルムシミュレーション全20種を搭載。

FUJIFILM WEB

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