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その瞬間にしか生まれない距離感/古屋呂敏のFocal Length Vol.2

古屋呂敏<連載コラム>第3月曜日更新

その瞬間を永遠にしたいと願いながら、シャッターを切る。
心の揺れるままに、心の色のままに。
自分だけに見えていたその一瞬の世界は、
写真に残すことでさらに愛しく想えるものになる。
だから僕は、きっと永遠に写真を撮り続ける。

───俳優、カメラマンとして活躍する古屋呂敏の「Focal Length」。
連載を通して、写真だけではなく、
人との距離感、 生きるスタンスなど
さまざまな「焦点距離」をお届けします。
【撮影&テキスト:古屋呂敏 撮影機材:Nikon Z f】

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Focal Length
今回のテーマは「瞬間」。
スナップ撮影はカメラが好きな人にとって一番身近で、親しみのある撮影手法だ。
普段歩き慣れている街を散歩しながら気軽にシャッターを切る。
親しみのある景色をそのまま撮影したり、日常から非日常を探したり、自分の心が揺れる瞬間瞬間を切り取る。
いつもなら通り過ぎていく景色が違って見える、なんて感覚になる。普段はスタジオでの撮影や、ある程度頭の中で構図は仕上がりを決めて撮影する機会が多い中で、その感覚を忘れて撮影をしてみた。

Z f + AI Nikkor 50mm f/1.2S( + マウントアダプター FTZ II)
ディープトーンモノクローム

Z f + AI Nikkor 50mm f/1.2S( + マウントアダプター FTZ II)
ディープトーンモノクローム

Z f + AI Nikkor 50mm f/1.2S( + マウントアダプター FTZ II)
ディープトーンモノクローム

被写体が動けば自分も動いて、流れのままにシャッターを切る。
彼女のそのままを撮影させてもらう。
止まりたければ止まり、走りたければ走る。
自分自身は彼女とすれ違う通行人のように。

今回、全ての写真をNikon Z fのディープトーンモノクロームをベースに撮影をした。
モノクロームは東京駅と彼女の表情によくマッチする。

Z f + AI Nikkor 50mm f/1.2S( + マウントアダプター FTZ II)
ディープトーンモノクローム

Z f + AI Nikkor 50mm f/1.2S( + マウントアダプター FTZ II)
ディープトーンモノクローム

Z f + AI Nikkor 50mm f/1.2S( + マウントアダプター FTZ II)
ディープトーンモノクローム

急速に変化する時代の中、僕たちも日々変化する。
シャッターを切った瞬間、捉えた写真は過去の一瞬。

Z f + AI Nikkor 28mm f/2.8S( + マウントアダプター FTZ II)
ディープトーンモノクローム

Z f + AI Nikkor 50mm f/1.2S( + マウントアダプター FTZ II)
ディープトーンモノクローム

ピントを合わせようと必死になる僕を、彼女は笑って置き去りにした。

Z f + AI Nikkor 50mm f/1.2S( + マウントアダプター FTZ II)
ディープトーンモノクローム

最後の写真は、被写体にピントを合わせることのできなかった一枚なのかなと思われるだろう。
でも僕にとっては、この時代の変化に恐れず、変化していこうとする彼女の強さ、この瞬間ですら前に進むという言葉なきメッセージに見えた。

Z f + AI Nikkor 50mm f/1.2S( + マウントアダプター FTZ II)
ディープトーンモノクローム

Model: 浦浜アリサ

古屋呂敏

俳優・フォトグラファー 1990年、京都生まれ滋賀/ハワイ育ち。カメラ歴は7年。Nikon Z fを愛用。父はハワイ島出身の日系アメリカ人、母は日本人。俳優のみならず、カメラマン、映像クリエイターROBIN FURUYAとしても活動。CHANEL、FENDI、ISETAN、SK-IIなどの映像制作も手掛ける。2022年には初の写真展「reflection(リフレクション)」、2023年9月には第2回写真展「Love Wind」を開催。

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