その人の心にピントを合わせる
初めまして、古屋呂敏です。
役者、カメラマンをしています。
連載コラム第一弾は、「人」。
普段僕は人を撮影することが多い。
その中で大事にしていること、それは、自分の心が望む焦点距離のレンズを付けて撮影すること。
その人がどんな人なのか? 自分の心の目を信じて、相手との距離を感じとる。
Genic _1 納品データー
心のピントが合う瞬間、さらに写真が愛おしくなる
撮影をしていると「あ、今なんか繋がってる、お互いいい距離感だな」って思える瞬間がある。 それは自分の撮りたい写真、世界観を相手にぶつけるだけだとあまり感じられない。あえて相手の動きに自分を合わせてみる。そうすると向こうもこちらの呼吸に合わせてくれる。そこからゆっくりお互いのピントが合わさっていく。そんな瞬間が僕は好き。
自分がモデルとして撮られている時に、その感覚を教えてくれたフォトグラファーがいたからこそ知っている。
心の焦点距離が変わると見えてくるものが変わる
人は、思っている以上に自分が見たいものを見て、見たくないものは見ていない。
今までの経験や好き嫌いで、自然とその人の物事に対する焦点距離が存在する。
僕は写真を通じて、さまざまな焦点距離を持つことができているんだと思う。
目の前の世界のどこにピントを当てるかで、見える景色は全く違うものになる。
人を撮影する際も同じ。
心のレンズのF値を開放して一点を見つめるのか、それとも絞って全体を見るのか。
そして撮影した写真を見返しながら、また新たな自分の焦点距離を探す。
これだから写真はやめられない。
- Special Thanks:Aoi Yoshikura
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<Special Contents>古屋呂敏がYouTubeで連載を語る vol.1
GENIC web連載スタート「古屋呂敏のFocal Length」vol 1 人を撮り、自分を探す
古屋呂敏
俳優・フォトグラファー 1990年、京都生まれ滋賀/ハワイ育ち。カメラ歴は7年。Nikon Z fを愛用。父はハワイ島出身の日系アメリカ人、母は日本人。俳優のみならず、カメラマン、映像クリエイターROBIN FURUYAとしても活動。CHANEL、FENDI、ISETAN、SK-IIなどの映像制作も手掛ける。2022年には初の写真展「reflection(リフレクション)」、2023年9月には第2回写真展「Love Wind」を開催。