大辻隆広
石黒幸誠氏に師事後、2007年独立。雑誌や広告をはじめ、写真展やプロダクトの製作など、ブランドや企業とのコラボレーションもたびたび発信している。2023年株式会社Nitoland設立。2023年4月、自身で企画運営を行うファッションWebマガジン『building building magazine』を立ち上げる。今後たくさんのコンテンツがオープン予定。
愛用カメラ:Canon EOS 5D Mark IV、PENTAX 645N、FUJIFILM NATURA CLASSICA
愛用レンズ:Canon EF50mm F1.2L USM/EF 40mm F2.8 STM、smc PENTAX-FA 645 75mmF2.8
Q.話題の写真集を多く撮影されている大辻隆広さん、 俳優さんを撮る時に心がけていることは?
A.自分と被写体との感覚の整合性や間合い、距離感などを瞬間的に判断すること
被写体に、ある程度の緊張感を持つ
吉岡里帆さんのWアニバーサリー写真集『日日』をはじめ、話題の写真集の撮影を数多く手がけている大辻さん。俳優さんを撮影する時に心がけていることは、「相手が自分に身を委ね、任せてくれる方なのか、自己表現をしたい方なのか、それによって撮影の進め方や進み具合が異なるので、撮影が始まったらまず、自分と被写体との感覚の整合性や間合い、距離感などを瞬間的に判断するようにしています。そして撮影中に気をつけているのは、こちら側がある程度、間合いを取るようにすること。ずっと撮り続けるのではなく、途中あえてカメラを構えず、話しかけています。被写体に対しては、適度の緊張感を持つことを大切にしていますね」。
そんな大辻さんが考える、俳優さんを魅力的に撮るために必要なこととは?
「自分の型にはめてみたり、相手の流れに身を任せてみたり、バランスを乱すことなく、撮影手法を途中で変化させる。そうすると、おのずとその被写体の魅力がどこかで必ず溢れ出してくるので、そこを逃さず撮影をすることですね。基本的にはあまりポーズを依頼することはありませんが、絶対にこのポーズが可愛い!という原則が僕の中にいくつかあるので、たいていそのポーズだけはお願いしていて、あとは、あまり多くは言わず、あえてお任せでお願いしたいと伝えています。お任せにすると、自然と被写体独自の空気感がにじみ出るポージングになり、結果、そこに個性が出てくるなぁといつも思いますね」。
GENIC vol.67【撮影と表現のQ&A】大辻隆広/Q.俳優さんを撮る時に心がけていることは?
Edit:Yuka Higuchi
GENIC vol.67
7月号の特集は「知ることは次の扉を開くこと ~撮影と表現のQ&A~」。表現において、“感覚”は大切。“自己流”も大切。でも「知る」ことは、前に進むためにすごく重要です。これまで知らずにいたことに目を向けて、“なんとなく”で過ぎてきた日々に終止符を打って。インプットから始まる、次の世界へ!
GENIC初のQ&A特集、写真家と表現者が答える81問、完全保存版です。