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8年のキャリアより写真への情熱に賭けた人生 若林満 | 連載 CHANGE MY LIFE 写真家への転身物語

写真が好きだから仕事にしたい。そう思う気持ちはありながら、その一歩は大きく、なかなか踏み出せないものです。一度は別の道を歩みながら、写真家・フォトグラファーへキャリアチェンジし、新しい人生を切り開いた4名から勇気をいただきます。全4回の連載、第2回は前職、アパレルセールスから転身した写真家の若林満さんです。

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目次

プロフィール

若林満

写真家 1986年生まれ。京都府出身。31歳までデニムブランドやラグジュアリーブランドでのセールスなど、ファッション業界の仕事に従事。その後ワーキングホリデーを挟み、帰国後に写真家へと転身。2025年、ギャラリーSO1(東京・渋谷)にて写真展開催。2026年上旬には写真集を出版予定。
愛用カメラ:Sony α1/α7R IV、Leica M6/M10R/Q2、FUJIFILM GFX100S II
愛用レンズ:Summilux 50mm、apo Summicron 35mm、summarit 50mm

8年のキャリアより、写真への情熱に賭けた人生

見落としがちな日常の余白を切り取りたい

「インドのガンジス川で、早朝5時頃、川の向こう岸にある砂地に行き、馬に乗っている少年を撮影。インドの朝のブルーアワーは朝日が上がってもぼやけており、遠くで走る少年と馬が幻想的な雰囲気に」。

「京都の川に、散った桜が溜まる場所があります。桜と鴨の組み合わせを期待して訪れたところ、まるで桜の中を泳いでいるような非日常の光景が。夢中でシャッターを切りました」。

写真はどんな遊びよりも面白くて楽しい

「5月のベルリンの街を、SIGMA 50mm F1.4をつけたSony α7 IIIだけぶら下げて散策。街を覆う新緑の木漏れ日が、とても綺麗で愛おしいひとときでした」。

「世の中が自粛モードになったコロナ禍、自分にとって写真とは何か、写真家として何ができるだろうかと考えていた中で、遠出せずとも美しいひとときは身近な日常の中にある、と気づいて撮った写真です。京都市内を西海岸のような開放感のある雰囲気で撮影」。

「スリランカの首都コロンボから旧市街のゴールまでの、鉄道移動中に撮影。座席が満員で乗り口に立っていたのですが、ドアもなく海岸ギリギリを走る鉄道はスリル満点。気持ちのいい潮風とエメラルドブルーの水平線が広がる風景を、無意識にぼーっと見ていられるような写真になりました。ぜひプリントで見てほしいです」。

SNSへの投稿を原動力に毎日写真を撮り始める

「「新卒でのヘアサロン勤務を経て、ファッション業界に転職しました。デニムブランド『デンハム』の店長やVMDを務めたあと、『ミュウミュウ』のセールスとして勤務。ちょうどその頃、行きつけのコーヒー屋の店長に勧められてなんとなく始めたカメラが楽しく、気づけばInstagramへの投稿をモチベーションに、毎日写真を撮るように。この時はまだ単なる趣味としての写真でした。合計8年間アパレルで働いたあと、ワーキングホリデーのためにカナダへ。帰国後、31歳という年齢もあって正直世間体も気になり、アパレルへ戻るための就職活動をスタート。ところが面接で志望動機が思い浮かばず、いつの間にかファッション業界への興味よりも、写真への情熱の方が上回っている自分に気づいたんです。そんな時、ちょうど友人からポートレートの依頼を受け、これをきっかけに仕事として写真家を目指すことを決意。写真を気に入ってもらえて報酬をいただいた時の嬉しさは、まだ鮮明に覚えています。そして思い切ってこの時決断して本当に良かったです。なぜなら、写真はどんな遊びよりも面白くて楽しいから。カメラがあることによって、日常の違和感や美しさなどの新たな発見が常にあり、普段の生活の楽しさが倍増しています。また、自分らしい写真を撮るために、自分らしい生活をすることを心がけるようにもなりました。規則正しく暮らし、丁寧に生きる。生活スタイルや習慣を整えることで、メンタルも環境も安定し、綺麗だなと思える何気ないシーンに気付きやすくなると思っています。写真家という仕事のカッコイイところは、人の気持ちを動かすことができること。だからこそ、自分自身は、人からの悪い影響は取り入れず、自分らしい生活をしていくことが大切だなと思います」。

GENIC vol.75 『CHANGE MY LIFE 写真家への転身物語』
Edit:Satomi Maeda

GENIC vol.75

2025年7月号のテーマは「I love photography ただ、写真が好きで」。

写真は移ろいゆく季節に目を向けることを教えてくれた。
写真は心の奥にしまい込んでいた自分の感情に気づかせてくれた。
写真は自分らしく生きていいよと励ましてくれた。
写真はかけがえのない仲間と巡り会わせてくれた。
写真は素晴らしい世界の見方を示してくれた。

写真から、たくさんのものをもらってきた。
だから、好きな理由はひとつじゃない。

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