【表現者たちが撮るおいしい写真 #5】増田 彩来

誰かと何かを食べる時、そこには五感で感じる交流が生まれる。
一人で何かを食べる時、気がつけばその時間までもがとっておきになっている。だから、「おいしい」の解釈は面白い。
「表現者たちが撮るおいしい写真」#5では、写真家・映像作家である増田彩来さんの思う「おいしい写真」を見せてもらいました。

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増田彩来

写真家、映像作家 2001年生まれ、東京都出身。2020年に表参道ヒルズ同潤館にて初の個展「エクランに沈む」を開催。また、映像作家としても活動中で、第2回Fellows Film Festival 審査員特別賞受賞。フィルム サークル mimomento https://note.com/saraphoto912
愛用カメラ:Nikon FM10、OLYMPUS PEN FT、Canon Autoboy。
愛用レンズ:AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G、ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8。

君と、みんなと、ひとりで

「モデルの子と散歩中に駄菓子屋さんに寄った時、懐かしくて買ったココアシガレット。ふらっと入ったコインランドリーで」。

一緒にいる人の、おいしい瞬間を撮り続けたい

写真を撮ることの次に、食べることが好きという増田さん。
「食欲に負けて、撮ることを忘れるくらいなんです(笑)。人がおいしそうに食べてるところを撮るのも大好きです」。
ご自身の写真には、芸術性を追求した”作品”とは別に、日々の生活を記録する”思い出写真”というカテゴリーがあるのだそう。
「”思い出写真”は、自分のために撮っている写真です。その中に、みんなが食べているシーンというくくりもあって。どこへ行って、何を食べたか、自分たちしか知らないエピソードがつまっています」。
そういう時にCanon のAutoboyというカメラをよく使うそう。
「ピントを合わせる時間がいらないんです。押すだけで撮れるカメラなので、本当に忘れたくない瞬間を逃さない。アツアツはアツアツのうちに、食べた瞬間の感動や表情を写真に残せるんです」。

「去年の夏、ステイホーム期間は終わっても雨続きでなかなか写真を撮りに行けなくて。この日は奇跡的に晴れて、当日に”会えない?”って友達にLINE して撮りに行った一枚です」。

「目玉焼きを食べる瞬間。私は食べものだけを撮ることはあまりなくて、誰かがその食べものを最初に口に入れる瞬間や、おいしいと思う瞬間を撮ろうとしています」。

空気を、表情を、食べものごと残したい

ステイホーム期間から、よく自炊をするようにもなったという増田さん。
「食器にもハマりました。けど写真がはかどったかというとそういうことはなく(笑)。やっぱり人と食べることって大事だなと感じましたね。私は、誰か一緒にいた人が”おいしい!”と思った表情を撮り続けたいんです」。

「友人と出会ったばかりの頃、一緒に行った喫茶店での一枚。ナポリタンは自分でもよく作るメニューの一つなのですが、お店の味はやっぱりおいしい」。

「2019 年に開催した写真展『グッドバイ』のために撮ったシリーズの一枚。作品として撮ったものですが、楽しい時間を残そうという思いで撮っています。パピコって、友達と食べるのにぴったりですよね。別になにか理由があるわけじゃなく疎遠になった友達を思う時って、パピコを分けて食べたなとか、あの子の家に泊めてもらったな、という時間のことを思い出すんじゃないかな」。

「果物は人の体と組み合わせると面白い違和感が生まれるので、好きな被写体。これは学校帰りに、あまりにも天気が良すぎて、塾をサボった友達と私の家のベランダで撮りました。空とレモンのコントラストが気に入っています」。

「私が写真を始めた時から仲のいい、写真仲間とお花見をした時。年齢もバラバラですが、同じメンバーで春夏秋冬につき一度は会っています」。

増田彩来 Twitter
増田彩来 Instagram
フィルム サークル mimomento

GENIC VOL.58 【表現者たちが撮るおいしい写真】
Edit:Yoko Abe

GENIC VOL.58

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