岩倉しおり(Shiori Iwakura)
写真家 香川県出身、在住。CDジャケット、書籍の装丁写真、広告写真などを手掛ける。質感や1枚1枚大切に撮れることに惹かれ、フィルム撮影にこだわる。
写真集『さよならは青色』をKADOKAWAより販売中。
愛用カメラ:CONTAX Aria
MY HOME TOWN IS 香川
いつも見ている海はどこにでもある海ではない…海の写真が地元の魅力に気付かせてくれました
香川の魅力を表現した作品といえば、地元の海での写真。
「潮が引いた海に水たまりができて、空が反射する様子は地元の風景かなと思います。海に小さな島が見えるのも地元ならではで、見ていてとても落ち着きますね。いつも見ている海を撮ってSNSに投稿したら、とても反響があり、この海はどこにでもあるわけではないことに気付かされました。この写真がきっかけで地元の良さにも気付けたので、私にとって思い入れのある大切な場所です」。
見ていいなと思ったものを撮って表現をしたい。こんな世界だったらいいなという気持ちを込めて
岩倉さんの撮影時のこだわりとは?
「なんでもない場所が季節や天候、日時などによって美しくなる光景を撮影するようにしています。それは少し見方を変えるだけで見えてくるもの。写真を撮ることだけでなく、そういう光景を見つける楽しさもあります」。
ロケーションは身近で、大切にしている場所ばかり。
「たまたま香川県にいて、香川県の景色が好きですが、どこに住んでいたとしても、きっとその場所が好きな景色になっただろうなとは思います」。
慣れ親しんだとても大切な場所であり心落ち着ける場所
「慣れ親しんだ地元は自分にとって大切な場所であり、心落ち着ける場所です。ときには写真を撮らず、ぼんやりといつもの景色を眺めながら、たまたま見たことのない一面に出会えることも。違う時間帯に来てみたら、どんな景色が広がっているだろうと想像してみることもあります」。
そう語る岩倉さんが地元を撮り始めた理由は、「有名なスポットよりも、自分にしか見つけられない視点を探して、撮りたいと思っているので、身近な場所がちょうど良かったのだと思います。そして、もちろん地元が好きだから撮りたいという気持ちも。これからもいろいろな面を見つけられたらと思いますし、ずっと大切な場所です」。
地元が好きだからずっと変わらないで穏やかなままでいてほしい、それが願いです
過去には都会に行かなくては、と思っていた時期もあったという岩倉さん。
「今はSNSを通じて、たくさんの方に写真を見ていただけるようになり、地元でも写真の仕事ができる時代になったと思います。 好きな場所に住めて、好きなことを仕事にできるのは、とても幸せな形ですし、この地域でしかできないこともたくさんあるのかなと。だからこれからも香川で暮らしたいです」。
旅する人へ向けて…Welcome to 香川
「瀬戸内海の穏やかな海を見てほしいです。島もあり、山もあり、撮りたくなる景色がたくさんあると思います」。
GENIC VOL.57 【地方の町の素晴らしさは地元の人が知っている 好きよローカル】
Edit:Yuka Higuchi
GENIC VOL.57
テーマは「100人の旅という表現」。
表現者たちのオンリーワンな旅スタイルや、撮欲も満たすひとり旅、旅するように暮らす多拠点生活など、様々な旅する人とその想いに迫ります。