Shin Noguchi
写真家 1976年、東京生まれ。鎌倉と東京を拠点に活動するストリートフォトグラファー。
日本人でただ一人、ジョエル・マイロウィッツやマグナムフォトのリチャード・カルバーらとチーム「UP」を組み、日本と世界に向けて写真を発表。隠し撮りや演出を一切することなく、詩的でどこか謎めいたアプローチによって日本文化の持つ複雑で繊細な要素を慎重に扱って表現している。
これまでにフランス、イタリア、ロンドン、中国(ライカ・カメラ主催)などで招待展示されている。世界各国のメディアで特集され、エルメス、アップル、ザラなどからの撮影依頼や写真提供も。
現在、ライカMシリーズのグローバルキャンペーン「M is M」に写真家の一人として起用されている。2024年、鎌倉女学院創立120周年記念行事で写真コンクールの審査員を務める。
日本の社会と文化の美しさと複雑さをとらえた、日本の日常の物語を伝える1冊
完売した初版「In Color In Japan」の改訂版
イタリアで細心の注意を払いデザイン・設計・製造・印刷される改訂版は、各写真がストーリー性を持ち、見る人に写真家の目を通して日本の美しさを体験させてくれます。今回の写真集は、日本文化の独自の視点を通して、普遍的な人間の経験への窓となっています。
この新しい写真集は単に初版の抜粋・普及版ではなく、初版から68点の写真を選び、すべて再スキャンや再編集をしました。また初版には収録されていない15点を新たに追加し、計83枚の写真で構成されています。
本のデザインやサイズも一新し、常に手元に置いておきたくなるようなスタイルになっているので、すでに初版をコレクションしていただいてる方にも、もう一冊手に入れるだけの価値ある本になっていると思います。
今回は限定数販売ではありませんが、注文受付終了となる2024年6月30日以降は注文・購入することはできません。
最終的に数千部、それとも数万部の注文を受けることができるのか。結果をとても楽しみにしています。
Shin Noguchi
初版から引き続き掲載される序文からの抜粋
他の優れた写真家たちと同様に、Shin Noguchiはカメラを体の延長線上にあるかのように扱い、手と目を融合させて、彼が見ているものを、より繊細に、そしてどのように見ているのかを私たちに見せることができる。そして彼のカメラは常に動いている。ノグチは「ストリートフォトグラファー」として国際的に評価されており、そのジャンルの作品で数々の賞を受賞しているが、彼の雑食的な目にはその呼び名は当てはまらない。家族との触れ合いや台風被害などのニュース性の高い出来事を記録するのはもちろんのこと、東京や鎌倉の街頭での出会いを記録することも多い。彼の作品に脈々と流れているのは、10代の頃にマグナムフォトの作品に出会ったことから始まった客観性への信念である。彼が言うように、アートとドキュメンテーションが融合することに初めて気付いたのだ。ノグチは、自分の感性や知性が反映されていることをよく知っているが、表現的な衝動を抑えている。それは昔からあるトリックで、写真家の隣に立っている女性は、彼が見たものを正確に見ているだろうと、視聴者に思わせることに似ている。また、日常の世界が驚きに満ちているように見えるときには特に、このトリックを成功させるのは難しい。「ノグチワールド」では、キリンの剥製がお坊さんと一緒にお寺をうろついていたり、作業員が巨大な茂みの不規則な円形の開口部に飛び込んだり、空から降りてきたり、ゴルフカートが昆虫のようにネオングリーンの芝生の上に群がっていたり、人間以上の力を持った生き物が、人間の荷物を歩道に運んでいるように見える。また巨大な大玉のペアが倉庫に隠れようとして失敗した後、見知らぬ道行く人の上に飛び出してしまうなど、彼の多くの写真は、西洋人の目「特に日本人の目」には、真面目な社会環境から突然おかしな不条理が炸裂してくる。センチメントや愛情は共通のテーマだが、作品は決してセンチメンタルなものではない。彼の新刊『In Color In Japan』は、ノグチの好きなこと(個人的には彼のとても愛らしい娘たちに好意を抱いている)の多くのピークを越えているので、彼の写真をさらに探求するための魅力的な誘いでもある。
ライカMシリーズのグローバルキャンペーン「M is M」に起用された写真も掲載
写真集「In Color In Japan: Selected and New Works」情報
仕様:ハードカバー版
ページ数:188ページ
写真点数:83点
サイズ:幅24cm x 高さ22cm
出版社:Eyeshot
出版国:イタリア
価格:44,90ユーロ
出版年月:2024/8/1
注文受付終了日:2024/6/30
購入先:出版社ウェブサイト