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フェイスレスなポートレート 甘夏蜜柑 | 連載 これが私の“最旬好き”表現 写真を愛する15名のクリエイターが今ハマっていること

写真を愛する15名のクリエイターたちが、今もっとも夢中になっている表現を紹介。「あなたにとっての"最旬好き"表現は?」という質問に答えていただきました。個性あふれる撮影手法や、日常の一環を独自の視点で切り取るアプローチを通して、新たな写真の魅力を発見できるはず。あなたの写真に新しいインスピレーションをもたらすヒントが、ここに詰まっているかもしれません。全15回の連載、第13回は夕日のような暖色表現で心に温もりを届ける、フォトグラファーの甘夏蜜柑さんです。

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目次

プロフィール

甘夏蜜柑

被写体兼フォトグラファー 1997年、青森県生まれ。2018年にフォトグラファーとしてSNSを開設。写る楽しさにも次第に魅了され、現在は被写体兼フォトグラファーとして幅広く活動している。主にポートレート・スナップ・旅行写真などを撮影し、撮る写真はあたたかく柔らかなトーンが特徴的。展示会やフォトウォークの開催などSNSを超えた企画も手がけている。
愛用カメラ:Nikon Zfc、OLYMPUS PEN-F
愛用レンズ:NIKKOR Z 28mm f/2.8、NIKKOR Z 40mm f/2

フェイスレスなポートレート

「室内を暗くして、強い光源を被写体の後ろに置き、クロスフィルターとブラックミストを重ね付けしてシルエット撮影。光の線がクロスに入ることで、印象的な作品に」。

「アイシャドウのラメを混ぜたジェルを塗った透明な板越しに撮影。油絵感もあり、水分感もあり、どう撮ったのかが一見わからない写真に。波紋の模様の違いで写り方も変化する面白さがありました」。

顔をはっきり写さないことで、自由な解釈の余白を与えられる

「目線が合う写真は瞬時に強いインパクトを与えますが、長く鑑賞するには落ち着かないこともあるなと感じています。逆に、顔がはっきり写っていないと、アートとして眺めたり、自由な解釈ができたりするのが魅力。また、フェイスレスなポートレートは作品として表現を詰め込める感覚があります。どう撮ろうかなと考えて撮りたいイメージを作り出していく感覚や、日常では見ることのない瞬間を作り出せるところが好き。撮る過程では充実感を、撮った後は達成感を得ることができるのが醍醐味です。多重露光で重ねる、シルエットとして写す、前ボケを大きく写し込むなど、様々な方法で楽しめるので、ポートレート表現の自由さを感じてもらえたら嬉しいです。心がじんわりあたたかくなるような、暖色の写真表現が好きで、名前の通りオレンジ色の夕方のような写真編集をしています。私が作ったハッシュタグ『#メロウな記憶の果実』には、記憶は淡く曖昧なものになっていく一方で、大切な思い出は時間が経つほど果実のように甘く変化する、というコンセプトが込められています。フェイスレスなポートレートは、そこにも通ずるものがあるように感じています」。

GENIC vol.75 【これが私の“最旬好き”表現 写真を愛する15名のクリエイターが今ハマっていること】
Edit:Megumi Toyosawa

GENIC vol.75

2025年7月号のテーマは「I love photography ただ、写真が好きで」。

写真は移ろいゆく季節に目を向けることを教えてくれた。
写真は心の奥にしまい込んでいた自分の感情に気づかせてくれた。
写真は自分らしく生きていいよと励ましてくれた。
写真はかけがえのない仲間と巡り会わせてくれた。
写真は素晴らしい世界の見方を示してくれた。

写真から、たくさんのものをもらってきた。
だから、好きな理由はひとつじゃない。

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