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【撮影と表現のQ&A】AKIPIN/Q.素敵な朝ご飯シーンを捉えるコツは?

さまざまな写真家、フォトグラファー、クリエイターが登場するQ&A企画。
「知ることは次の扉を開くこと」。
朝食シーンをメインに家族への愛を綴るAKIPINさんに質問です。

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AKIPIN

教育機関職員 京都出身、在住。Instagramをベースに、"妻のごはん"を中心とした暮らしの思いを写真と遊び心ある言葉で表現している。著書:フォトエッセイ集『日日是好日』(北京合出版)。
愛用カメラ:FUJIFILM X-T30 II、 FUJIFILM X-E4
愛用レンズ:XF50mmF2 R WR、XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS

AKIPIN Instagram
AKIPIN Twitter

Q.素敵な朝ご飯シーンを捉えるコツは?

A.朝食準備という風景のなかに、さまざまな瞬間があるのを知っておくこと

<8割くらいが埋まった構図で撮る>
「基本的に正方形で撮りますが、その8割くらいに料理が写っていると、よりおいしそうに写ると感じています。また、正方形の真ん中に丸があるサイコロの1の目は均等がとれていて綺麗だと思っているので、その位置に器がある構図もよく撮ります」。

「生活のリズムに乗った料理」がいちばんおいしそうに写る

「『朝食準備』という風景の中には、多種多様な瞬間があります。それを知っている、ということが大事。食材を取り出す瞬間、まな板に乗せる瞬間、包丁を入れる瞬間、断面が現れる瞬間、調理器具に入れる瞬間、火がとおってきた瞬間、できあがった瞬間、器に盛る瞬間、器を持ち上げる瞬間、テーブルに置く瞬間、ぜんぶ揃った瞬間、食べ始める瞬間...。こんなにもシャッターチャンスがあるということに気づいてから、朝食を撮ることがどんどん楽しくなっていきました。撮影目的で準備したものからは感じられない『生活のリズムに乗った料理』が好きです」。

とりあえず1枚目を撮ってからベストな表情を探っていく

<メインを画面の9分の1くらいの大きさで撮る>
「これくらい引きで撮ると、かえってその存在感が際立ちます。余白たっぷりの中にブロッコリーが佇む比率が美しく、湯気もあがっていて心惹かれた瞬間」。

「構図やアングルは事前には決めず、とにかく最初の1枚目を撮ります。『パンはしっかり写ったけどブロッコリーがぼんやりしてるな』と感じたら、今度はブロッコリーに迫って撮る。すると今度は『あの洗剤も写ってしまった』とか気づいて次のアングルへ。そんな風に、撮った写真から気付かされて、次第に一番よい構図やアングルを見つけていきます。でも、妻の家事をじゃましないこと、妻が食べてほしいと思っているタイミングで味わうことをなにより大切にしているので、その流れの中で撮れる範囲の枚数だけ撮る、を基本にしています。ごはんやパンの白さが飛ばないように露出を合わせますが、その際、色の濃い野菜や果物が暗く、黒っぽく写ってしまうことがあるので、そういうときは本来のしっかりした色が出るようレタッチ時にシャドウの数値を上げます。全体的には、冬は色温度高めであたたかい雰囲気に、夏は低めで涼しげな雰囲気に仕上げています」。

<演じていない手は美しい>
「単に『いちごをとろうとしている瞬間』でも、生活の中で必要あって行っている動作には、美しさがにじんでいると思っています」。

Shooting Point

「APS-Cのカメラに50mmのレンズをつけていて、フルサイズ換算だと75mm。これくらいの中望遠レンズを使うと、圧縮効果で台所や食卓に密集感が生まれてにぎやかに。食器も歪曲せず美しく写ります。F値は基本的に小さくしてシャッタースピードを稼いでいますが、大半の食材がぼやけていると残念なこともあるので、余裕があればF4でも撮っておきます」。

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