目次
プロフィール
山本佳代子
フォトグラファー 埼玉県出身。レコード会社勤務を経て、2011年よりフォトグラファーとして独立。著名人やミュージシャンのポートレート、ライブ撮影を中心に活動。2020年、パンデミック下の東京でバルコニー越しに友人を撮影した「#balconyshootingtour」が話題に。BEAMSの「会いたい。」ムービー制作のきっかけとなる。2022年には、B GALLERY(新宿ビームス ジャパン5F)にて、個展「⚾満 塁⚾」開催。
愛用カメラ:Canon EOS R5、RICOH GRIII、YASHICA T4 SuperD
愛用レンズ:EF24-70mm F2.8L II USM、SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2、EF16-35mm F4L IS USM
#balconyshootingtour
会いたい人を撮りに行く
2020年、コロナ禍で人との接触が制限されたとき、3密を避けながら人の写真を撮る方法として考えたのが、「望遠レンズで遠くから撮る」ことでした。これはバルコニーで待つ41組、65人の友人に会いに行き撮影した“バルコニー・シューティング・ツアー”です。
「元気でよかった!」と遠くから伝え合う。
#ハントDEデート
街中で声をかけ、お茶をする。ちょっとおかしな行為をポップに表現
純喫茶で人を撮りたいという気持ちからスタートしたプロジェクト。今日はこの純喫茶と狙いを定め、そこに写って欲しい人を街で探して声をかけ、自分の欲しい絵を作る、そんなちょっと擬似デートのような空間を撮影しました。
#3人のたばこ
彼らとたくさんの時間を過ごし、知らない世界を見せてもらった
旭川で1ヶ月半暮らし、写真を撮った「⚾満 塁⚾」というプロジェクトの中で出会った20代の男の子3人。彼らの共通点は同じたばこを吸っていることでした。当初のプロジェクトを終えた今も、たまに会って写真を撮らせてもらっています。
プロジェクトをやることで、“あの作品の人”と認知してもらえるのが幸せ
「自分らしさを形にする、そして自分という人を知ってもらえるのがオリジナルプロジェクト。“あの作品の人”として認知してもらえるのは本当に幸せなことです。コロナ禍の緊急事態宣言下でも人に会って写真を撮りたい、という気持ちを叶えるべくスタートした“#balconyshootingtour”は、そんなふうに自身の名前を知ってもらえ、写真家としての世界が一気に広がった大切な作品。SNSで発表してすぐに製作陣から打診があり、撮影開始日から1ヶ月以内にビームスの「会いたい。」プロジェクトとして世に羽ばたいてくれました。
自分らしさを模索する中で形になったのが“ハントDEデート”。写真家を目指し、前職を辞めて1年間通った写真塾で“自分の作品”を発表するというミッションがあり、毎日何を撮ろうか悩み、カメラ片手に街を歩き回る日々。その中で知った“純喫茶”の存在、そこで人を撮りたい、でも必ず気になる被写体がいるわけでもない、ならば連れ込むしかない!と自身で声をかけてお茶をするというプロジェクトを決行しました。
また、旭川でアーティスト・イン・レジデンスに参加した際に生まれた『⚾満 塁⚾』の延長で、今も時々撮っているのが『3人のたばこ』です。現地で人と出会い、撮影を重ねる日々の中で知り合った彼らは、とにかくセンスがよくて格好よかった。東京がすべてだと思い込んでいた自分の感覚を、滞在初日に軽くひっくり返してくれた存在です。独自のスタイルを持ち、経験も生命力もあって、オープンで自由な彼らに憧れ、暮らしぶりを覗きたくてアジトにも通いました。今はそれぞれ違う暮らしをしていますが、その後の彼らを時折カメラで追いかけています。
基本、人を撮るのが好きなので、プロジェクトも人に関わるもの、もしくは人は写らずとも人の気配がするものがほとんど。普段から常に気になることを頭の中にリストアップしていて、誰かに会ったり話したりするうちに、あの企画できるかも!と膨らむことが多いです。新しいことを探すのは大変ですが、今も行きつけの酒場の写真や食品サンプルなど撮り続けているものがあるので、いずれ何らかの形で発表できればと考えています」。
Photo Book『バルコニー・シューティング・ツアー』
GENIC vol.76 【#balconyshootingtour/ハントDEデート/3人のたばこ】
Edit:Satomi Maeda
GENIC vol.76
2025年10月号のテーマは「 撮ることのその先へ This is My Project.」
あなたは「何」を撮っていますか? 自分の表現を説明できますか?
タイトルをつけることができますか?
オリジナルのプロジェクトを持つことは、自分の写真を「言語化」すること。
1つの企画によってまとめられた作品群からは、“作家の声”が聞こえてきます。
あなたも、写真プロジェクトを始めませんか。
一歩進む。撮ることのその先へ。