小林真梨子
小林真梨子 1993年生まれ、東京都出身。日本大学芸術学部写真学科卒業。大学入学をきっかけに写真を始め、「楽しいこと」を追求しながら写真を撮っている。現在はフリーとしてフォトグラファーだけでなくキャスティングも行う。初の写真集『ふれる、ゆれる。』が販売中。
愛用カメラ:Nikon FM2
❝変わりゆく東京と、 そこで出会った友達。❞
「東京で出会えた人々はとても特別な存在。彼らと作った多くの思い出が、私を次の道へと進ませてくれた。東京も人も、環境と時間によって変化はしてしまうけれど、思い出と記憶は消えることなく、私の中に残っています。写真とともに」
光の温かさを求めて 写真を撮り、 あの時間を思い出すために 写真を見返す。
「高三の冬、急に担任の先生から『日芸の写真学科を受けてみなよ』と言われて、カメラを始めました。だからなのか、カメラやレンズは撮れればなんでもいいと思っているところがあります」
そんな気負わない姿勢で撮られた小林さんの写真には、いつもの風景にひそむ、はっとするような美しさが切り取られている。
東京で生まれ育ち「正直、東京に対する特別な感情はなかった」と語る彼女だが、地元・渋谷の再開発はそんな心境に変化を与えたそう。
「再開発で幼稚園の頃に通っていた児童館がなくなり、大学生の頃に溜まり場だったオンザコーナーが移転。渋谷PARCOもあっという間に新しくなってしまいました。近未来感があって、かっこよくなりすぎた渋谷にまだ慣れていない自分がいます」
❝日記のように、軽やかに、変わりゆく東京を写す。❞
東京は様々な声が聞こえてくるイメージ。写真を見返したときも明るい声が聞こえてくる。
小林さんが撮る東京の写真は、その日出会った人、美しいと思ったものを記録する日記のようでもある。
「写真を見返すと、明るい声が聞こえてくる気がするんです。東京はどれだけ変化しても声がなくならない場所。そこに私にとっての安心感があります」
GENIC VOL.55【女性写真家が切り取る東京】
Edit:Yoko Abe
GENIC VOL.55
テーマは「TOKYO and ME 表現者が撮る東京」