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indigo blue 林将平

人物撮影を中心に雑誌などで活躍しながら、パーソナルワークにも積極的に取り組む、フォトグラファーの林将平。岡山に深く浸透するデニム文化と自らに染み込む故郷の記憶を重ねて、世界を代表する岡山デニムと自分を撮る旅のプロジェクト「indigo blue」について伺いました。

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目次

プロフィール

林将平

フォトグラファー 1995年生まれ、岡山県出身、富山県育ち。青山スタジオ勤務を経て、2019年山﨑泰治氏に師事。2023年に独立。2025年11月、encounter galleryにて個展開催。
愛用カメラ:FUJIFILM GFX100S、Sony α1

indigo blue

岡山デニムと自分を撮る旅

1.撮影協力:SHOWA
「経糸をインディゴブルーに染める“ロープ染色”という工程。ロープ状に染めることでデニム生地の最大の特徴である“中白”を生み出す」。

岡山に深く浸透するデニム文化と自らに染み込む故郷の記憶を重ねて

2.撮影協力:WHOVAL
「色落ちを表現する洗い場。機械の轟音が響く中、職人たちはほとんど言葉を交わさず、それでも常に連携して作業を進める。熱気と集中が充満している」。

5.撮影協力:graphzero
「裁断されたデニム生地を縫製する工程。丁寧で無駄のない所作から徐々に服が形作られていく。多くの職人の手元を撮っているが、どの手もしなやかで美しい」。

「世界を代表する岡山デニムを撮るプロジェクト『indigo blue』では、国産ジーンズの発祥の地・児島の生産工場を主に撮っています。頑丈で目立たないという理由で、アシスタント時代にデニムパンツをよく履いていたことが興味のきっかけでした。使い込むほどに色や形を変え持ち主のスタイルに馴染んでいくその姿に、相棒のような愛着を覚え、他の衣類にはない魅力を感じました。独立時に自分へのプレゼントとして憧れだったブランドのデニムのパンツとジャケットを購入してからは、歴史や生産方法についても調べるように。僕は岡山県出身なのですが、5歳までしか住んでいなかったこともあり、生まれ故郷でありながらその土地のことを詳しく知らないことが少しコンプレックスでした。デニムについてより詳しく知りたい、そして自分のルーツを知りたいという意味でも、岡山の地でパーソナルワークに挑戦してみることに。『indigo blue』という名前には、児島に深く浸透しているデニム文化だけではなく、自分の中に染み込む故郷への記憶も重ねています」。

オリジナルプロジェクトとは、歩んできた過程を伝えられる名刺のような存在

3.撮影協力:WHOVAL
「生地に表情をつける擦り工程の後、重ねられたデニムたち。その集合体は時に生き物のような存在感を感じる」。

4.撮影協力:land down under
「カスタムオーダーを中心に服の製造を手掛けるland down under。独自のアプローチでものづくりに向き合う姿を収めさせてもらった。この一室から永年愛される服が生まれる」。

「プロジェクトを開始するにあたり、まずはジーンズストリートで情報収集。そのうちに生地の染めや織り、裁断、縫製、擦りや洗いなどの加工......といった具合にいくつもの工程があること、そしてそれが分業制となり一つの工場にいくつものブランドが集まっていることが多く、撮影許可が容易ではないことも知りました。その中でも工夫しながら協力してくれる方々と出会うことができ、徐々に作品を溜めていくことができています。強い興味のある被写体だからこそ、新たな学びや出会いに、今でもワクワクが止まりません。写真を撮ること自体が目的ではなく、『自分の興味を深掘りしていくその過程で写真を撮っている』ということが、胸の高鳴りと連動した躍動感ある写真が撮れている秘訣だと思っています。そして、ある分野を追求するような長期的なプロジェクトには、こういった原動力となる知的探究心が必要不可欠です。僕は新たに出会った方にデニムへの想いを伝える時、言葉で語るのではなく今まで撮ってきた写真を見せるようにしています。言葉では等身大で伝えられない想いも、写真では一瞬で伝えることができる。プロジェクトとは歩んできた過程を伝えられる名刺のような存在です」。

GENIC vol.76 【indigo blue】
Edit:Megumi Toyosawa

GENIC vol.76

2025年10月号のテーマは「 撮ることのその先へ This is My Project.」

あなたは「何」を撮っていますか? 自分の表現を説明できますか?
タイトルをつけることができますか?
オリジナルのプロジェクトを持つことは、自分の写真を「言語化」すること。
1つの企画によってまとめられた作品群からは、“作家の声”が聞こえてきます。

あなたも、写真プロジェクトを始めませんか。
一歩進む。撮ることのその先へ。

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